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【完結】戦争から帰ったら妻は別の男に取られていましたが 上官だった美貌の伯爵令嬢と恋をする俺の話  作者: イヴェン


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21 .別れさせられたふたり sideイレーネ①

女性達や子供達が共同生活する施設で暮らすようになったイレーネの話です。


書いていて、これは「ざまぁ」に該当するのか?という疑問が浮かんできましたが自分でもよく分かりません…


※フランツの元妻の話です

※虐め等の胸糞描写アリ 苦手な方注意


誤字報告をいただきました。ありがとうございます。

 [ここは夫を亡くした女性や戦争で家族や住むところを失った女性と子どもたちが集団生活をする国の施設。古い教会を急遽改築し更に隣に新たに建物が何棟か建設された。鄙びた地ゆえ土地はあった。そこで50〜60人という大人数で共同生活を送っている。] 


 ビシャッ


(うわ…)


「ごっめーん 手が滑っちゃったー」


 空から水が降ってきた。しかも泥水のようだ。ざらざらしたものが混じっている。おおかた畑の土でも混ぜたか…。


 上を見上げると、二階の窓から見知った女が2人、ニヤニヤしている。


(またか…)

 イレーネはウンザリしながら顔を手で拭った。大雨の中を歩いたみたいに全身ずぶ濡れ。服はぐっしょりと濡れて重い。

 桶に入った泥水をあの窓から落としたのだろう。まあまあ重いだろうに、ご苦労なことだ。

 イレーネが下を通るタイミングに合わせて。


(まったく…よくもまあ飽きないもんだわね…)

 無言のイレーネ。

 状況的に、ここで言い返すのは良策とはいえない。それがここの施設でイレーネが学んだことだった。


 彼女たちは、自分が定めた標的が狼狽え嘆き反応する姿を見て楽しみたいのだ。


 その2人は、イレーネに嫌がらせが効いていない様子なのが悔しいのか、不快そうにイレーネを煽ってくる。

「アンタ、余計に美人になったよ!」

 ギャハハという笑い声。


 イレーネは、黙ったままスタスタと歩いてその場を去る。のっぺりした無表情を顔に貼り付け、心を無にして。


===================


 ここに来て割とすぐ、一部の女たちからイレーネに対する嫌がらせが始まった。

 どこから聞いたのか、イレーネの今までを知ったらしい。


===================

《イレーネ視点》

 食堂。夕食時。


「あんた、夫がいながら若い男と浮気してたんだって?」


 食事中に隣の女が言う。


「………」


「ちょっと。黙ってないでなんとか言ったら?上のほうから聞いてあたしはなんでも知ってるんだからね」

「あらぁ− ホント最低〜」

 加勢する女が出てきた。


 テーブルに座る他の女たちは、耳をそば立てて興味津々といった感じ?遠巻きに見てる感じかしら…?

 私は考える。

(私が夫を裏切って不貞行為をしたのは事実だもの)

 非難されても仕方ないことを、した。


 人様がそれを不快に思うのも仕方ないのかもしれない。

 最初の頃こそ、うろたえて、人前でちょっと泣いてしまったりしたものだが今はもう、何を言われても反論しない。大風に吹かれる葦のように。


 私が黙っているものだから、向こうが実力行使に出てくる。

「なんとか言いなさいよ このあばずれがッ」


 腕をグイッと乱暴に掴まれる。

「痛っ…」


 食堂が騒然とした空気に包まれる。


 そんな中、赤毛ショートカットの1人の中年女性が口を開いた。


「いいかげんにして。食事がまずくなる」


 そのキッパリとした物言いに、わたしの腕を掴んでいた女はたじろいだ。


「その人が何をしてたとしても、それがあんたに何の関係があんのさ」

「っ……」


 舌打ちすると渋々手を離す。彼女らは食堂から出ていく。つかまれていた腕が痛い。


 「…ええと…すみません…」

 お礼を言いたいが、なんとなく場にそぐわない気がしてゴニョゴニョとなってしまう。


「ーーーー早く食べちゃいなさいよ…片付かないから」


 彼女は、そっけなく言うと残りの硬いパンをスープに浸すと口をもぐもぐさせながら空になった食器を重ねて厨房へ持って行ってしまった。

 赤毛の彼女は背が高かった。


 彼女が去った後

 他の女たちの、なんともいえない視線を感じながら私は残りの野菜スープを口に詰め込んだ。

 

 うん、味がしない。こういうことがあると、いつも以上に食事の味がしなくなる。

 嫌がらせをされるようになってからずっと、食べ物に塩味を感じない。

 他の人たちは文句も言わず食べているので、味付けされていないわけではないのだ。


 私は誰にも聞こえないよう小さくため息をついた。

 

===============


 幼いルディは、夕食が済むまでは隣の保育施設に預けられている。昼間は畑などで勤労する女性たちの子どもたちは、教会のシスターたちや国から委託された村の婆様たちが世話をしている。


 幼い子どもがいる女たちは、夜泣きのこともあって別施設である保育施設の中の部屋で寝起きしていた。

 ルディを引き取って自室に戻ってくるとやっと呼吸が楽に出来るようになる。


 窓から月が見えた。


 明日のことなんかもう考えたくないな…。

誤字報告をいただきました。ありがとうございます。


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