16 .お嬢様はモヤモヤする
※ トルーデ視点です
エトムントめ…わたくしを舐めおって。「後でご報告いたしますので、今はお部屋から出ないで下さいませ。お嬢様があの女性にお会いになる必要はございません」などと言っていたが、報告など待っていられない。
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【オリガを説き伏せて、ロープで窓から一階に降りて、庭のしげみから客間の様子をうかがうトルーデ】
(※注 トルーデは身体能力が高いので、二階からロープで降りることも可能)
いたいた…フランツの元の奥方と…赤ん坊は寝てるな。彼女の姿は、あの時ちらっと見ただけだったが……あんなに痩せていたか?
むむむ……やはり可愛らしい女性だ。あ、泣き出した。
!! フランツがハンカチを渡した。フランツが、なんともいえない顔をしているな。
そうか…あれがフランツの愛した女性か。フランツと幼い頃から一緒にいて、求婚し、結婚した女性か…。
【硬い表情になり、その女性を凝視するトルーデ。爺は、そんなトルーデを無言で見つめていました。姿を隠すマントを羽織っています】
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「お嬢様ッ!はぁはぁはぁはぁ……はー…苦し…」
庭に降りたトルーデを追いかけてきたメイドのオリガ。肩が上下して息が上がっている。
「お怪我は?!」
「あれしきで怪我などせんわ …オリガ、すまなかった無理を言って」
トルーデは、感情の抜け落ちたようなのっぺりとした表情をしていた。冷淡な、ちょっと悲しげな。
エトムントが、イレーネと赤ん坊を伴って馬車で出ていくのが見えた。
「あ、お二人はウルリッヒ様のお屋敷に行かせるんだとかで」
「…そう」
オリガの目には、そう静かに言うお嬢様の背中が、なんだか泣いているように映った。
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