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【完結】戦争から帰ったら妻は別の男に取られていましたが 上官だった美貌の伯爵令嬢と恋をする俺の話  作者: イヴェン


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13 .甘い時間

フランツが、仕事を紹介してもらい離れに住むようになってから3ヶ月。


ある休日の話。

 どうも、フランツです。トルーデに紹介してもらった仕事をして3ヶ月が経った。仕事の内容は、建築資材を扱う商会の雑用と、まあ色々。


 職場の人たちにも、良くしてもらって仕事にもだいぶ慣れてきた。

 

 俺が住んでる、ここケストナー家別邸の離れの住み心地もとても良い。

 平屋で、居間と寝室、風呂に台所。広い作業場が横にくっついている。トルーデの大叔父さんが、薬草やいろんなもんを調べたり研究していたんだそうだ。

 

 作業場は、今はまだ少しずつ清掃中。


 建物は古いが、住むぶんには何の問題もない。そこそこ頑丈で、大風が吹いても大丈夫。


=============


 今日は週に一回の休日。


 トルーデが、スキップせんばかりに俺の住む離れにやってくるのが休日のお決まりの光景。


 そんなに週一回のトレーニングが楽しいのか。


《神の声:たぶん違う理由な…》


 俺がいつもトレーニングしてる離れの脇のスペースで、トルーデと剣の手合わせをする。


 やっぱ強いしめっちゃ素早い。


 その後、スクワットなどをする。ちょっと休憩。汗を拭き

 果実水を、水筒からグラスに注いでトルーデに渡す。


「ありがとう」にっこり。


 ……キラキラ…キラ……キラキラ… あれ、錯覚かな?背景に薔薇が…花が…??


 相変わらず、眩しいな…!!その笑顔、なにか光を出してるぅぅ!!絶対!!!


《※たぶん無意識に好意光線かなにか出してますw》


 俺も果実水を一気に飲み干す。

 この果実水は、ここケストナー家に伝わる秘伝レシピでちょっと塩が入ってる。それがまた美味い。身体を動かした後にはピッタリ。異世界のスポーツドリンク。

 

「なあ、そういえば、あそこにあるあれって…」

 

フランツが視線で指し示した先に古い手作りブランコ。

「ん?ああ、あれか。あれは子供の頃にお祖父様じいさまとお祖父様の弟…ここの離れに住んでた大叔父様が一緒に作ってくれたものだ」


 なるほど、兄弟の合作だったか。孫思いの、良いじいちゃんたちだな。


 離れの西側に、手作りらしきブランコのようなものを発見したのは先週の休日のことだ。草むしりをしていてそれを見つけた。


 腰の高さぐらいの草に覆われて、最初はそれがなにか分からなかった。


 大きな木にぶら下げられた、丈夫そうな紐と板で作られたブランコ。前世の某アニメ「ハイ◯」のあのブランコよりは小規模な、こじんまりしたものだったが


 板は案外大きめで大人でも座れそう……?


「トルーデさ、ちょっと久々にあれに座ってみたら?」

「へっ?」

「いや、俺じゃ重くて壊れそうで…トルーデなら軽いからいけるだろ」

「ええ〜〜…いやぁ 無理じゃないか…」

「まあまあ」


 押し問答っぽくなったが、葉っぱが積もったブランコを布で拭って綺麗にしてからトルーデをそれに座らせる。


 大人が座っても大丈夫そうだ。紐を軽く揺らす。ここでブランコに出会うとはな~。異世界にも遊具はあった。まあ作りはシンプルで原始的だし。


 幼い頃、トルーデもこれで遊んでいたのかな〜… きっと子供時代から可愛い子供だったんだろう…などと考えて


 俺は知らぬ間にちょっとニマニマしていたのかもしれない。


「…なにを考えている?フランツ」

「ええと…小さい頃のトルーデも可愛かったのかなー?って考えてただけなんだけど…」


「え」


 うん?あれっ……トルーデの目の周りがちょっと赤くなってる?


 いやトルーデさん、アンタ、そんだけ美形なんだから、幼少期から整ってたに決まってますやん?家族や親族からめちゃくちゃ可愛いものすご可愛いって言われてたに決まってるでしょうが!と。


 きっと評判の美少女ってやつよな。あ、「美少年」でもあったかもな??


「お前の小さい頃の肖像画とか無いの?ちょっと見てみたいかも」


「…どこかにあるかもしれん。本邸のほうかも…探しておく」

 うつむき加減で、答えるトルーデ。


 …なんでまだ赤面なのさ???


 ズルッ


 ブランコに座っていたトルーデがバランスを崩して落っこちそうになる………ところを、危うく俺がキャッチする。


 ふーーーあぶねーあぶねー、…そしたら地面に2人、トルーデを抱きかかえて尻餅をついたような体勢になってしまった。

 後ろから抱くような形に。


 ホッ。なんとかトルーデを受けとめられたようだ。


「大丈夫か?」


 トルーデに怪我なんかさせられない。


「だだだ…大丈夫、だ…」


 ありゃ、まだ赤い。トルーデの身体に回した腕の中で、彼女はなぜか赤面している。


 風邪は…ひいてなかったよな?さっき手合わせした時も。


「熱でもあんのか?」


 俺はトルーデの顔を、横から覗き込んだ。さっきからの赤面に加えて綺麗な青い瞳が揺れているような…


 目が合うふたり。


「っ……!」トルーデが固まる。



「トルーデ、まさか、さっき手のひらでも地面についてすり傷でも…?」


 彼女の左手を見ようと、その手に触れた時、屋敷の方角から慌てた様子の執事さんが走ってくるのが見えた。


「フランツ様!フランツ、様…??…あっ」


 執事さん、俺とトルーデの姿を見て固まる。

「ああっ も、申し訳ございません!お邪魔でしたでしょうか…」


 ん?「お邪魔」??

 あ、俺がトルーデを助けた時に、こんな体勢になっちゃってるからか。


「いやいやいやいや単に俺が勧めたせいでブランコから落ちかけてですね…」


「どうしたエトムント、そんなに慌てて」

「は…その……」

「なんだ、ハッキリ言え」


 地べたで、2人手を重ねて身体を密着しながらの執事さんとの会話だからか、なんだか締まらない。

 

 執事さんの様子がおかしい。もしかして、トルーデには、聞かれたくないこととか。


「…申し上げます。今、フランツ様の、その…元奥様が、訪ねてこられました」


 ???頭の中に?のマークが踊る。 へっ? はあ?? なんでここにイレーネが??


============


 トルーデは、俺の両腕の中で微動だにしなかった。耳は見えたが、もう、赤くなかった。


 執事のエトムントさんは、そんな「お嬢様」を心配するような目で見ていた。


 



イレーネが、アポも取らずにフランツのもとにやってきたのには、理由がありました。


《神の声》はご愛嬌で……(´ω`)


お読みいただき、ありがとうございます!ブックマークして下さった方々、ポイントを入れて下さった方々に感謝感謝でございます。


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