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怖い話8 夢現 1000字以内チャットノベル

作者: 雨間一晴

「ママ、トイレ行きたい……」


「……んん。起きちゃったの?トイレね、行こうか」


「こわいから、ドアの前でまっててよ。やくそくだよ」


「はいはい、ここにいますよ」



「ゆうた!起きてるか!お母さんが!」


「いまトイレー。ママなら、そこにいるでしょ?」


「ママが車にひかれて病院なんだ!パパが乗ってきたタクシーで、先に病院に行ってくれ!パパは、ママの両親を車で迎えに行く!」


「パパ?ママなら、そこにいるよ?」


「ママは、今日、同窓会だから、パパが帰るまで一人で寝ててって話しただろ。寝ぼけてる場合じゃない、早くトイレから出て病院に行ってくれ!」



「君が息子さんかい?パパに頼まれてるから、病院まで乗せて行くよ、災難だったね……」


「でも、お金もってないよ?」


「パパから、もう頂いてるから大丈夫だよ」



「着いたよ、ここがママがいる病院。病院に入ったら、大人の人にママが事故にあったって言うんだよ」


「うん。ありがとう……」



「どうしたの?ぼく?一人?」


「ママがじこに……」


「あなた!中村さんの息子さんね!こっちにママはいるわ、着いてきて!」


「……うん」



「先生!息子さんが、来られました!」


「おお!たった今、意識が戻ったところなんだ!処置は無事に終わって、お母さん助かるよ、泣かないで大丈夫だ」


「……ママ」


「……ゆうた、来てくれたのね。ママは大丈夫だから、泣かないで良いのよ」


「うん……。ママ、ぼくに会いにきてくれたもんね」


「ええ、気を失っている時に、夢で会いに行ったわ」


「トイレにいっしょに、行ってくれたんだよね!ママは、やっぱりいたんだよね!」


「……え?トイレには一緒に行ってないわ。私の夢で、ゆうたはずっと寝ていたもの。目覚めたら、ゆうたが来てくれたのよ。ふふ、寝ぼけているのね、ここには、どうやって来たの?パパは?」


「パパが、タクシーにのっていけって……」


「貴美子!大丈夫か!」


「あなた……。ごめんなさい」


「ご主人ですね、奥様は大丈夫です。ですから、落ち着いて下さい」


「ああ、すみません。貴美子、無事で良かった。……え。おい!ゆうた!お前、どうやって、ここに来た!」


「え?パパが行けって……」


「あなたが、ゆうたにタクシー用意してくれたんでしょう?」


「俺は会社から直接来た!ゆうた、お前、誰に連れてきてもらった!お前……、ゆうただよな?」


「……ゆうただよ。あのママとパパは……。だれだったの?」

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