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アビスミスト  作者: Ten10
Turn Side:Nihitsu
28/37

Turn Side ①



 かつてそのホールは市民に愛される建物だった。

 ここがコンコルディアになった時にはもう廃墟となっていたが、その中の設備は豪華だ。大きなエントランスにいくつもの倉庫、真ん中には劇場もある。まさに市民たちの憩いの場。

 皮肉にもそれは今になってまた市民が集まるようになったらしい。


 ホールの前には大勢の人影があった。

 虚ろな目で棒立ちする者、訳も分からず暴れる者、何もない所に向かって延々話し続ける者。

 様々な人が集まっているといえば聞こえはいいが、どいつも正気じゃない。


 そんな中、まともそうな人間が霧の中から三人現れる。

 刀を携えた和装の人物、拳をパキパキ鳴らしている赤髪の青年、表情の見えない仮面をつけた男。

 三人は潜むことも隠れることもせず、堂々と正面から歩いてくる。


 彼らの目的は誘導。つまり囮だ。

 周辺にいる堕ちた住人たちを引き付け、本命の部隊を建物内に突入させる。そういう手はずになっている。

 目論みは成功したようで、三人に気付いた住人たちは皆一様に睨み付けてきた。


 「さあ、決戦開始だ」


 仮面の大男が宣言すると同時に一斉に走り出す。

 霧の街の行く末は今、この瞬間に委ねられた。



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