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最期に。

作者: 佐倉雅

愛おしい君へ。


どう頑張っても、会うことは叶わなくなりましたね。

あ、どうせだから、かしこまって、敬語で書くことにするよ。

時間がないので、手っ取り早く、短文で行きましょう。

もうすぐ、電車が来てしまうんです。

駅員さんに頼んで、紙とペンをもらいました。

だから今、今までの想いを、全部、ここに綴ります。


一つ目。

初めて会ったときから、君が好きでした。

俗に言う一目惚れというやつです。

だって、君が可愛いのがいけないのです。

友達になってからも、ラインの絵文字がいちいち可愛くて、返信来る度に、ニヤけていました。


ここで手紙破ろうとしました?やめてください。


二つ目。

告白したときの、君のあの真っ赤な顔が今でも忘れられません。

口元抑えて、小さくなって、僕の告白を聞いて、しばらくしたあとの「はい」が、とっても愛おしかった。

死ぬほど嬉しかったです。


三つ目。

こんなの女々しいヤツだと思うかもしれませんが、君が中学時代の同僚と仲良さそうに話していたのを聞いて、大変嫉妬してました。

それは、同窓会になぜか僕も連行されたときの話です。

あれは、僕に嫉妬させたかったからなのでしょうか?

君はツンデレだから、きっとそうなのでしょうね。


また手紙破ろうとしました?次が最後だから、まだ破らないでください。


四つ目。

僕と結婚してくれて、本当に本当に、ありがとうございました。

情けない性格で、仕事の収入も情けなくて、頼りない僕なのに、

僕と友達になってくれて、僕と付き合ってくれて、プロポーズをOKしてくれて、毎日朝ごはん作ってくれて、

本当に、本当に本当に本当にありがとう。


最後まで傍に寄り添うことができなくて、ごめんね。

どうか、君の次の旦那さんは、結婚2年記念日のために花屋で買った花束で前が見えなくなって事故って死ぬような人じゃないことを祈ります。


僕は、いつまでも、君を愛しているよ。

あ、丁度電車が来ました。いつもの満員電車とは違って、空いてる電車です。

黄金の装飾が、とても綺麗です。君の好きな、カスミソウの匂いがします。


それじゃあ、僕は行きます。

短文で収まらなかったね、ごめんなさい。

どうか、お元気で。

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