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別れの季節に  作者: につき
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冬のひかり/ 流れていくのは/

冬のひかり/


丁寧に輝き

静々と

この胸を貫くもの

苦しさの中の甘さ

まもなく目撃する

純粋という出来事

わたしよ

狼狽えるな

何度も目にしているのに

何時だって打ちのめされてしまうけれど

やはり世界はきらきらとしている

百万言を一つにするなら

「はい」であり

「いいえ」であり

これは悲しみではなく

かと言って感動でもなく

涙は輝きへの耐えがたき憧れ

美しき揺れる光

かつての良き日よ

幸せの晴れの窓よ

還らない待っていた日よ

冬のひかりよ




流れていくのは/


ゆっくりと顔をもたげる

細い髪は豊かに

薔薇色のほおを隠す

伏せた睫毛の憂鬱なる優美

あなたは儚く揺れる

摘み取られる刹那の美しさ

白っぽい朝日よりも

煙る夕日の斜陽に項垂れ輝いて


宵闇迫れば

あなたは暗闇のドレスを纏い

ひとり烏色の群れとなって

人波を泳ぐ

沈む瞳は黒曜石の輝き

亜麻色の髪流れて

白百合のかんばせを彩る


(しばらく前に雨は上がって

冷たい水は澄み切っている)


橋の上から

思いがけない透明に

何かを落としてしまった

あなたは立ち止まり

流れていく

ぼんやりとしたものを見る


もう届かない

でも眺めるだけでいいような

かつてのあなたの幸せが

水草を避けて

するすると流れていく

浮き沈みしながら

暗い夜の川を

流れていく


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