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暗転世界
晴れ時々狂気。こんなのいいのかなー
あおく ゆったりと ながれ
わたしを はこんでいく
みずおとたち は たえまなく
じょうぜつに はなしかける
おちついて それでいて はなやかに
ひかり は こもれび の みどり
みちを そめて
かのひとの しろいひがさは
きらきらと まぶしくて
暗転しないでくれ
振りむいた顔に
眼窩は暗く澱む
きっと酔いざめの悪い気分だ
旋律は続いているのに
空は曇り水面は黒く
その手はやせ細り乾いてしまった
ぱっと かがやいた あなたのえがお
ころころと わらうこえが かわもをわたる
わたしの ほおもゆるむ
ぴかり たいがんにひかるなにか
暗転しないでくれ
護岸はドロドロに溶けて
木々が呑み込まれていく
雲が渦巻きのように 一点に吸われて
あれは蠱惑の穴だ
かなしくなんてないのに
なぜそんなかおをするの
だれがあなたをくるしめるの
わたしがいきているからですか
暗転した
前へ進んでいるのか。落ちているのか。共感が体験を糧とするならば、共感的狂気はやはり……