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青き朱雀 夜が冷めていく
青き朱雀/
かつての天平の空を見上げたのは
勃興する大和の国の民たち
翻る旗の色彩も誇らしげに
かつて、かつての風が吹いた
今、今の風が吹く
陽は廻り 別れは全てに
悲しみも 喜びも 消えてしまった
今、平成の空を見上げるのは
迷走する日本の我々
復元された宮殿は華やかだけれど
都の跡に広がる空に
天平の風を懐かしみ
青き朱雀が舞う
時速800キロの轟音で
青空に白く雲を曳き
陽光に機体を照り返し
縦横に 広々と
これからの空を飛んでいく
夜が冷めていく/
夜が冷めていく
赤々と燃えていた炭火が消えていく
西の空は午後五時の薄茜に沈んで
昼が明るかったころ
雨を忘れて晴れ晴れと人々は笑った
こんな鮮やかな空を忘れないだろう
平城京跡の空にブルーインパルスが飛びました。
今日は、本当にいい天気でした。
秋の最後の一日のようでした。




