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やさしいお菓子
お別れに貰ったお菓子が、やさしすぎて。
ほそおもてのしろいポニーのおねえさん
まっすぐなたてがみをなびかせて
すこし怒ったようなかおで
わかっているんです
別れがつらいことは
いまだって突き刺さっているのでしょう
あなたにとっては
そらはいつだって色をなくして
かぜはいつだって熱をなくして
だれもがみな目をそらしている
それでも優しいあなたは
わたしにお菓子をくれる
お別れのおもいでに
わたしは何もいらないから
あなたはここにいてほしい
あなたの差し出した手を
わたしはその手を拒んだのです
わたし
あなたにあえて
ほんとうに
うれしかった
いつか
我儘の果てに力尽きて
路地裏でノタレ死ぬときさえも
このことだけは
汚したくないのです
それだけは
ほんとうなのです
