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本部

最近冷え込んで来ましたね。体調管理にはお気をつけください。


話は変わりますが、今週と来週は投稿ペースが落ちそうです。


ですが、最低週一は投稿していくので、よろしくお願いします。


それでは、どうぞ。

「コレがこの街の『冒険者組合ギルド』か。デカいな」


「そりゃあ、ここが『冒険者組合ギルド』の【本部】だからな」


三階まである建物を見てそう言う零刀に、タルドが言う。


「一応言っておくが、中で問題は起こすなよ?」


「お前な……俺をなんだと思ってやがる」


「いつかの時に『魔王よりも魔王してる』って言われてた奴だな」


「……そういや、そんなこともあったな」


そう言われて何も言い返せなくなった零刀は、ひとつため息を吐くと左眼を瞑る。


「……じゃあ、未然に防ぐのは問題無いな?」


「ん?そりゃあ別に構わな──ッ!!」


瞬間、タルドは飛び退いて零刀を見た。


そこには【紫紅】の双眸。


「あのなぁ、マジでやるなら一言言ってくれ!背後に突然【死】の気配とか、寿命が縮まるわッ!!んでもってお前が【紫紅】かよ!」


「怒涛のツッコミ。やっぱり芸人魂?」


「誰が芸人だ!」


「そういうところだろ。……そろそろ行くぞ」


零刀はそう言って扉を開く。


(へぇ、中はやっぱり広いな。それに他の都市と比べても人数が多い。それに応じて受付の数も増やしているのか)


そんなことを思いながら、辺りを見渡せば、視界に入った者達がビクリと身体を硬直させる。


「これで問題は無いだろ」


「いや、問題が起きないっていうかコレそのものが問題に近いんだが……まあ、いい。少し待っててくれ、受付に話を通してくる。大人しく待ってろよ?」


「ああ、わかったっての。……しかし、【本部】ともなればやっぱり違うもんだな」


タルドが去っていくのを見送ると、再度あたりを見回すと、ふと目に留まるものがあった。


「【混沌カオス】、【厄災カラミティ】、【冥土メイド】……【最強】?」


「……なにこれ?」


「ああ、これは歴代の『SSランク冒険者』の【二つ名】だな」


受付との話を終えたタルドがちょうど戻り、そう言った。


「【二つ名】、ね。何とも『厨二』っぽいものを……」


「『チュウニ』ってのはわからんが、お前も【紫紅】ってのがあるだろうが。申請すればすぐに受理されると思うぞ?」


「こちらから願い下げだ」


前の『世界』の知識がある分、こちらでは名誉があるものも恥ずかしく感じるというものだ。


そんな会話をしながら、歩みを進める。


「『SSランク』って、強い?」


「どうだろうな。【混沌カオス】は数千年前の話だし、【厄災カラミティ】は千年ほど前にいた『賢者』で、まさしく厄災の如き【魔法】を使うんだが【冥土メイド】に殺されたらしいぞ?【最強】はそこそこ最近の話でな。『黒龍』を一人で倒したって話だ。わかりやすく言えば、レイトの倒した『死瘴邪龍』レベルの魔物ってとこだな」


「へぇ、じゃあ現存するのは【最強】だけってことか」


「そうなるんだろうが……実はな、面白い話があるんだ」


「「面白い話?」」


「ああ、その【混沌カオス】なんだがな……『見た』って奴がいるんだよ。それどころか、歴史上にも出てくるんだ」


「……そんなに生きる『種族』なんてあったか?」


「無いな。長く生きる『森精種エルフ』でも数百年だし、『魔物』ならいるんだろうが……『種族』の表記は『人間』だったらしいぞ?」


そう言うタルドを尻目に、イリスに視線をやる。


「じゃあコイツは例外か……まあ、状況が状況だったからな。じゃあ『技能スキル』だろ」


「いや、【混沌カオス】はそういった『技能スキル』は持ってなかったらしいぞ?その上いつも理解し難いことを言っていたらしくてな。そういったのもあって、まあ実質『都市伝説』みたいなものだがな」


「なら、何で見たって奴がいるんだよ」


「特徴的な恰好なんだとよ。いつでもどこでも、黒いローブを着ていて、どの角度からも貌は見えないらしいって言うやつなんだけどな」


その言葉に、足を止める。


「……あ?それって……いや、気の所為、か?」


「ん?なんか言ったか?あ、そう言えばもう一つ有名な台詞があったな。確か──『ヒトの姿をしたバケモノと、バケモノの姿をしたヒト。受け入れられるのは果たして、どちらだろうね』だったか」


──その言葉は、今零刀の感じているものとかなり似通っていた。



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「ほら、着いたぞ」


零刀が物思いに更けていると、とある扉の前で声をかけられる。


「……で、ここはどこだ?」


「『総組合長グランドマスター』のいる部屋の前だな」


「……偉いひと?」


「まあそうなるな。だが、基本敬語じゃなくても大丈夫だぞ。『冒険者』なんてそんなもんだからな。とは言っても、流石に言葉は選べよ?」


「……いや、それ以前に何でここに連れてこられたんだよ」


イリスの質問に答えたタルドに零刀は不満も込めて言う。


「さあ?俺も詳しくは聞かされてないからな。とりあえず入ってくれ。どうせ話せばわかるだろ」


そう言いながら扉を開けて中へ入ると、まずその中心のソファーに座っている女性が目に入る。


「──どうやら無事、連れてこれたようね」


「いや、無事に連れて来れないと思ってたのか?」


「正直殺さてれる可能性も無きにしもあらず、ってところかしら」


「恐ろしいことを言うな!実際、前に殺されかけてるんだからな!?」


「……さっき言葉を選べとか言ってた奴が早々にツッコミを入れてるんだが……」


「さすが、ツッコミ担当。芸人魂」


「あら、その言い回し良いわね。今度からその【二つ名】を名乗れるように申請しておきましょうか?」


「マジでやめてくれよ!?」


「クスクス、一割冗談よ。それにしてもあなた達、気が合いそうね」


「一割ってほとんど本気じゃねぇか。この平ら胸────グハッ!?」


ソレを言いかけた瞬間、【魔法】が飛びタルドを壁まで吹き飛ばした。


「すみませんね、うるさいゴミがいましたので処理させて頂きました」


そう笑いながら、二人に翠と黄色の瞳を向ける。


「初めまして、私は──」


そこまで言いかけて、言葉が途切れる。


それどころか身体の動きすら止まり、額には汗が伝い始める。


「ほう、『総冒険者組合長ギルドグランドマスター』様の自己紹介は随分と個性的なものなのだな」


そう言う零刀の目の前には『ステータス』が表示されていた。




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エレーナ・スピリアル Lv112 Age98 女

種族:森精種エルフ

職業:魔道士

称号:【精霊使い】【四属性の契約者】【精霊姫】【Sランク冒険者】【総冒険者組合長ギルドグランドマスター


固有技能ユニークスキル〉:鑑定の魔眼 精霊眼 魔力支配 基本四属性魔法 並立思考 思考加速 魔装召喚


技能スキル〉: 光属性魔法Lv5 薬品調合Lv3 念話Lv7


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「ん、『精霊眼』げっと。【霊視眼】になった」


「おっ、良かったな」


そう言って喜び合う二人だが、次第に様子がおかしいことに気づく。


「おい、どうし──」


「う、あ……いや……いやぁぁああああああ!!」


総冒険者組合長グランドマスター』──エレーナは悲鳴を上げ、椅子から転げ落ちるようにして零刀から距離を取った。


「おい、本当にどうした?」


「いやっ!来ないで!『四属の精霊たちよ!』……なんで、なんで誰も助けに来てくれないの!?なら──『我を拠りべとして輝かせん』【閃光暴虐グロウ・フラッド】」


歩み寄る零刀に、エレーナは自分の使える【光属性魔法】の中でも、かなりの威力のものを発動する。


「──『我は其を否定する』【否定キャンセル】」



しかしながらその【魔法】は、眩い輝きを放ったかと思えば掻き消える。


「うそ……何で……【光弾ライトバレット】、【光弾ライトバレット】、【光弾ライトバレット】!」


「……【否定キャンセル】」


単発的な攻撃が効かないと判断したエレーナは光の弾幕を張るが、その全てがひと言で、【否定】された。


「これは、話もできそうにないな。イリス」


「ん、──【睡魔眼】」


零刀の言葉に応じ、その『眼』でイリスが見つめれば、今の今まで錯乱していたエレーナは眠りにつく。


「……さて、どうしたものかねぇ?」


「……さあ?」


連れてきたタルドも待っていたエレーナも意識を失った中、行き場の無い呟きを零すのであった。


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【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
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