表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/177

自分という【存在】

今週の私の記録


3部ほど書き終わったものが消えた回数……一回

1部書き終わって消えた回数……二回

書いている途中で消えた回数……三回


ココロが折れた回数……七回


セカイを呪おうとした回数……十回


それではどうぞ。


「アアアアァァァ……」



零刀の袖からは腕の代わりに先が刃物のようになっている触手が見え、首から上がなく、その断面を紫色のモヤが覆っている。



そんな異形と化した零刀を見てイリスは驚愕し、困惑する。



しかし、そんな二人など関係無いと言わんばかりに悪魔は二人へと襲いかかる。


「零刀!」


それに気がついたイリスが声を上げるが零刀は反応しない。



そして、悪魔の拳が振るわれ──



「──は?」


「グガア!?」



──腕が、宙を舞った。



悪魔は慌てて後ろに飛ぶことで距離を取った。


悪魔の腕の断面は、鋭利な刃物で同じところを何度も何度も切り裂かれたかのようであった。



──そして、普通の人間には見えなかったかもしれないが、イリスの『眼』には見えていた。


(あの触手で、同じところを何度も……それも、あの硬い身体を切断するまで、あの一瞬で……)



悪魔は今までイリスへと向けていた怒りや憎悪を視線に込めて零刀を睨みつけるが、零刀はそれを気にすることなく右腕を竜の首へと『変質』させると、落ちていた腕を喰らい始めた。


「──グルァァァアアアア!!」


それを見た悪魔の怒りは爆発し、口を大きく開くと魔力を充填チャージさせ、【咆哮ロア】を放つ。


それに対し、腕を喰らい終わった竜の首が反応すると顎を開き魔力を集中させ、【咆哮ロア】を放った。



しかし、充填チャージの無かった分、零刀の放った【咆哮ロア】は押し負け──



──零刀からもう一本、竜の首が生え、【咆哮ロア】を放った。



それでもまだ押し負けているが、もう一本、もう一本と竜の首は増えていき四本めで拮抗し、最終的には七本目で圧倒した。



悪魔は早々に押し負けると覚り、横に飛び、回避する。



──先程まで悪魔が居たところを【咆哮ロア】が通り過ぎ、奥にある壁にぶつかり、爆発を巻き起こした。


それを見た悪魔はこれ以上撃たせるわけには行かないと思ったのか、魔力を纏いながら距離を詰める。



それに対し零刀は竜の首を戻すと脚部を『変質』させながら身体を沈め、抉れた地面だけをその場に残して消える。



「はやっ──!」



そして悪魔の目の前に現れると、大きな鎌に『変質』させた右腕を振るう。


悪魔が魔力を纏っていたせいで腕に食い込む程度で済むが、零刀はお構いなしにそのまま振り抜く。



悪魔は宙に飛ばされ、零刀はそれを追うべく地を蹴り、跳ぶ。



しかし、悪魔もただいいようにやられているわけではなく、距離が空いたことでできた時間を使ってを放たれた【咆哮ロア】は零刀を撃ち、地を穿つ。


土煙が辺りを覆うが、それも一瞬の事で、土煙が吹き飛ばされたかと思うと、そこから竜翼を生やした零刀が飛び出した。



(こんなの、零刀の『ステータス』の範疇からハズレてる……それに、戦い方に理性を感じない?どうして──そうだ)


それを見ていたイリスは疑問に思い、ふと思い至る。


「【存在眼】、【鑑定眼】を『合成』──【存在鑑定眼】!」


そして、イリスが見た『ステータス』は──



------------------------------------------------------------

神野 零刀 Lv115 Age16 男

種族:名状しがたい既知を脅かすナニカ

職業:練成師

称号:【禁忌】【再生】【喰らう者】【適応者】【不明】【変態の超越者】

体力 ?????/180000

魔力量 20000/200000

魔力 210000

筋力 240000(腕部+140000)

敏捷 120000(脚部+160000 翼部+200000)

耐性 130000

魔耐性 110000


固有技能ユニークスキル〉:錬成 魔素支配 再構成 完全記憶 解析 無属性魔法 瘴気耐性 並立思考 瘴気掌握 変質異貌 環境耐性


技能スキル〉:剣術Lv10 瞬動Lv10 魔道具作成Lv8 痛覚耐性Lv10 高速思考Lv8 並立思考Lv5


------------------------------------------------------------



「なに、これ」



──『体力』が?????となり、さらに加算されている『ステータス』であった。



(どうして……これ以上は【存在鑑定眼】でも見れない。……そうだ、『ステータス』が変化してる理由なら、本人の【存在】を見れば……!)


「【存在眼】!」


そうして、零刀という【存在】を見た。



──しかし、理解することはできなかった。


──できるわけが、なかった。




暗く紫色に淀んだ、常にナニカが蠢いていて、 蠢いているナニカは見方によっては腕のようにも見えるし、ところどころ貌のように見えたりもする。



気がつけばイリスは、そんな空間に一人立っていた。


「なにこれ……こんなところにいたら、正気が保てそうに、無い……」


当初の目的さえわからなくなるほどの空間に、思わず【存在眼】を閉じようとした時、視界の端に灰色のナニカが映る。


「──零刀!」


果たしてそこには、胸元までが周りのナニカと同じようなものに包まれた零刀の姿があった。


「待ってて……今、助けに──!」


そう言ってイリスが駆け寄ろうとしたその時、イリスの目の前でそのナニカが隆起し、壁を作り始めた。


「なっ!?待って!邪魔、しないで!」



しかし、その抵抗も虚しく壁はイリスを拒絶するかのように作られ、押しのけていく。



「零刀……零刀──!」



視界が暗くなっていく中、イリスは零刀の名を叫んだ。



──遮った壁がイリスを傷付けないように押しのけたかのようであったが、その真意を知るのは──



------------------------------------------------------------



黒。


そうとしか表現することができないほどに暗く、どこを見渡しても黒いセカイ。


その中でただ一人、灰色の髪の少年が佇んでいる。


その少年以外には何も無く、黒に染まっている。



まるで、少年以外を拒絶するかのように。


まるで、なにものにも染まらない、染められないとするかのように──



「──そう思わない?」


「……ああ、そうだな」


そんな中で誰かに話しかけられるが、零刀はまるでわかっていたかのように返す。


「まあ、その割には一時期の間出てこれなかったじゃん」


「アレは『外殻』みたいなモンだから染められたわけじゃねぇだろ」


「……それもそうか」


そんな親しげな、まるで親密な関係の相手と会話するかのように話す。



「──で、どうしてこの状況で会いに来たのかな──【僕】」


「こんな状況だからだろ?──【俺】」


そう言って零刀は、初めて目の前の存在に視線を向ける。



──そこには黒髪黒目の、今の零刀より少し身長の低い零刀・・の姿があった。



「こうして見ると……俺も少しは成長してるんだな」


「そりゃあねぇ、そっちはいろいろとあったんだから、いろんな意味で成長してるのは当たり前でしょ?──で、本題に入ろうか」


今まで和やかであった雰囲気が霧散する。


「──どうして、今になって来た」



「──喰い忘れを、喰いに来た」



しばらくの、沈黙。



「へぇ、今度こそ【僕】の存在を──過去を『否定』して強くなろうって?でもあいにくだけどここは君の中。それに【僕】は既に【破壊】された。【僕】は君の記憶から作り出された複製に過ぎな──」


「──嘘をつくな。たしかにお前はあの時に【破壊】されはしたが、消滅したわけじゃないだろ?」


零刀が遮って言うと、黒髪の零刀は言葉に詰まる。


「一ときとはいえ【俺】の外側として独立してたんだ……魔力の余波で多少【破壊】されたくらいじゃ消滅しねぇだろ?それどころか奥深くで自分を高めるくらいのことはしてるだろ?だって、元は【俺】なんだからな」




「──それで?そこまでわかっていて僕が受け入れるとでも?君と同じ『本質』から生まれた、生み出された【僕】が、そんな『理不尽』を許すとでも……?」


瞬間、黒染めの空間が暗く紫色に淀んだ、常にナニカが蠢いていて、 蠢いているナニカは見方によっては腕のようにも見えるし、ところどころ貌のように見えたりもする空間へと変わっていた。


「君の言う通りだよ。僕はずっと奥底で留まっていた。だからこそ、この空間については君よりもずっと【僕】の方が理解している……!」


その言葉に応じるかのように、蠢くナニカは零刀の胸元あたりまでを包み込む。


「そうだねぇ、このまま【僕】が君を取り込んで今度こそ【僕】が成り代わるって言うのも良いかもね」


この状況でも目の前の零刀から紅と紫の瞳を外さずに、視線を向け続ける。


再びの沈黙。


そして今度は零刀の方から声をかけた。


「──で、この茶番はいつまで続くんだ?」


「──はぁ、やっぱりバレてた?やっぱり向いてないのかな?」


「いや、演技力そのものは凄かったんだが……お前、入り込んだイリスに気を使って排除しておいて何言ってんだ」


「あははは……流石にこれ以上この空間にいたら呑まれそうだったからね」


先程までの空気はどこへやら、再び和やかな空気が舞い戻ってきていた。


「さて、話を元に戻すけど……【僕】を消すことに対しては反対したいところだけど……結局君が死んでしまえば【僕】はここに残ることはできないからね」


零刀はそう言って両手を広げ


「いいよ、【僕】を『否定』して」


そういった。


「──いや、何か勘違いしてるみてぇだけど……俺はお前を『否定』はしねぇぞ?」


「……あれ?」


「最初にも言っただろ……喰い残しを喰いに来たって。『否定』するわけねぇだろ。お前だって【俺】なんだからな。大切な『過去』だ。【俺】を構成する大切な要素だ」


「そっか……じゃあ、あとは──」


「任せるってのもなしだからな?それに『ただいま』も無しだ。ずっと奥底にいたのに『おかえり』なんて言うのはバカみてぇだからな」


そう言って零刀の言葉を遮る。


「じゃあ、よろしくね」


どちらからということも無く手を差し出し、握る。


「ああ、やることはわかってるな?」


「うん──」



「「このクソッタレな『理不尽』を『否定』する。ぼくが、この手で!」」



その言葉を交わし終わった時には、零刀の目の前から消えていた。


「……なんだこれ」


その代わりに、握られていた右手には一つの血のように紅い林檎があった。


「『解析』」


------------------------------

禁断の果実


知恵そのものが林檎のカタチをとったもの。

一部の神にしか創ることは出来ずその一握りにしか許されていないものである。

それも創世を除いてはほぼ許されていない。


神域禁忌のひとつである。


別名を【知恵の実】ともいう。


食べると死ぬ。


------------------------------



「おい、なんだ最後の一文……俺に死ねと?……まあ、恐らく死なないんだろうがな」




そう言って、林檎に齧り付いた。




------------------------------------------------------------



「──零刀!」


零刀の名を叫んでから、自分が戻って来たことに気がつく。


そして零刀へと視線を向けたとき、悲鳴のような声音で零刀の名を叫んぶ。


そこに居た零刀の下半身はスライムのような粘液状になっており、そこから触手や鍵爪が先にある触腕がいくつも生えている。


更にはその粘液状の身体が波打つたびに表面に貌のような模様がいくつも浮かび上がる。


その姿はもはや人間と言えるようなモノではなく、新種の魔物と言われた方がまだ納得できるほどである。


悪魔もソレにただやられているわけではなく、【咆哮ロア】などを撃って反撃しているが、当たったところで直ぐに再生されていて意味が無い状態だ。


「零刀……」


そんな零刀を見て、なんとも言えない感情を抱いたイリスが呟いた時、偶然か零刀の動きが一瞬止まった。


「──え?」


「グラァァアアアア!!」


その一瞬を逃さずに悪魔は距離を詰め、その鋭い爪を振り下ろす。


しかし、その爪が当たる前に零刀から大きな腕が生え、悪魔を殴り飛ばした。


「ガァッ!」


「【泥沼マッド・マーシュ】、【黒耀封縛】っと。……こんな感じかな」


飛ばされた悪魔は空中で体勢を整え着地と同時に駆け出そうとするが、ズブリと地面に足が沈み、更には地面から生えた黒耀石に拘束される。


「──呼んだか?イリス」


零刀はそう言い、以前より黒味の増した髪を揺らしながら、肩越しに振り返った。


恐らく次で戦闘ラストです。


今回、少々ベタでしたかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ