表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/177

超越者と魔王と理不尽と

活動報告にも載せますが来週は諸事情により恐らく投稿できません。


とりあえず今週は【我が道】も【戦いたい】も最低一回ずつは投稿する予定です。


今回は『ステータス』回となっております。

……え?早く先に進めろって?大丈夫です。もうすぐ迷宮編も終わるはずです。


それでは、どうぞ

「ふぅ、食ったな」


「うん、食べた」


そう言って食器を片付け終わると二人はゆっくりとしていた。


「そう言えば、嫌な予感って、どういうこと?」


「あー、いや……俺にも細かいことはわからねぇんだが……『勘』ってのが一番近い、かな」


「『勘』?」


「いや、馬鹿らしいと思うかもしれねぇが根拠もあるんだ。俺は【喰らう者ソウル・イーター】で喰ったものの因子みたいなのを取り込んで『変質異貌』で姿かたちが変えられるわけだが……本来なら自分の身体の構造が変わったり、もともと無かったもの……例えば尻尾やら触手やらの事だが……そんなものがいきなり生えでもしたら自分の意思で動かすのは相当難しいハズなんだ」


「でもレイは気持ち悪いくらいに使えてる」


「おま、気持ち悪いってなぁ……続けるぞ。それは本来有り得ないんだ。知識もなければ経験も無い。それに武器とかとは違って自分の身体を使って何かを扱うわけでもなく、自分自身の身体だからそれは顕著になる。本来なら無意識に近い状態でも動かせるからな。いちいち歩く時にどっちの足を出すかなんてかんがえないだろ?」


それにイリスが頷いたのを確認してから続ける。


「俺が無意識に近い状態でそれができる。だから無意識的な感覚まで喰ってるんじゃねぇかなって話しなんだ」


そこまで聞いてからイリスは首を傾げる。


「記憶とはちがうの?」


「あー、俺もそこは悩んだんだが……元の世界じゃ知らんがこの世界では『魔素』が最小単位だろ?でだ、記憶ってのは『魔素の配列』なんじゃねぇかなって」


「『魔素の配列』?」


「そう。流石にひとつの魔素に幾つも幾つも情報が入るわけじゃねぇだろうし……だったら特定の情報が繋がってその記憶を作ってるんじゃねぇかなって話だ。だからお前の【記録眼】だったか?アレは特定の魔素を呼び出すことでそれに該当する記録を構築して見てるんじゃねぇかって推測だ。……それなら身体を構成する魔素を【破壊】して吸収してる【喰らう者ソウル・イーター】じゃあ取り込めないってのが辻褄があうだろ?」


「じゃあ、感覚って?」


「こっちは『こう動かす』『こう動いていた』って言う微量な情報だから数少ない『魔素』で情報が成り立ってて【破壊】されきる前に取り込めるってところだろ」


「じゃあ『勘』は?」


「『勘』に関しては本能的なもの……それこそ生物の『本質』に関わってくることだから情報の構成そのものが単純だから取り込めるんじゃないかって話だ」


「で、その『勘』いわく?」


イリスの問いに少し間を開けて


「──かなり、ヤバい。正直に言って【死】すら感じる」


そう言った。



------------------------------------------------------------



「まあ、しんみりした話はここまでにして、だ。俺達は重要なことを、やるべき事をやっていないんだが……わかるか?」


零刀が装備を手入れしたり、改造したりしながらイリスに真面目な顔で言う。


「だ、ダメ。こんな所で、こんな状況でなんて、ダメに決まってる」


「こんな状況って……だからこそだろ?」


そう言ってからふと違和感を感じた零刀は次の作業に移ろうとしていた手を止め、イリスを見る。


そこには腕で身体を庇うようにしたイリスが──


「……ああ、ちげぇからな?『ステータス』の話だ」


「…………………………わかりずらい。【魔砲マナカノン】」


「『端末ビット』【吸収アブソーブ】。……そうやってことあるごとに撃つな。威力抑えりゃいいって話しでもねぇからな。それに勝手に勘違いしたのはお前だ」


少しの静寂の後、八つ当たり気味に撃った【魔砲マナカノン】は『端末ビット』に【吸収】された上に正論をぶつけられたイリスは呻く。


「…………そう言えばしてなかったっけ」


「話そらしたな。いや戻したのか?……まあ、さっき言った通りヤバそうだからここで戦力の確認をしておこうと思ってな。……『解析』しても一部しか見れなかったしな」


「『魔王』の職業には一定レベルを超えるまでは『ステータス』が絶対に『隠蔽』される代わりに、そのレベルを超えると『職業』と『名前』、後は【魔王】の『称号』がどれだけ低い『技能』Lv.の『鑑定』でも開示されるようになる」


零刀の言葉にイリスが答える。


「なんだそれ。強者の余裕ってか?」


「確か【強者の運命さだめ】、だったかな」


「そんなのもあるのか……てか、『固有技能ユニークスキル』は見えてたぞ?」


「え?そんなハズは……」


「まあ、それも含めて確認するぞ」


「ん、じゃあわたしから。『ステータス』」



------------------------------------------------------------

イリス LV124 Age 5015

種族:魔族

称号:【魔王】

体力 58000/58000

魔力量 1000/350000

魔力 300000

筋力 15000

敏捷 50000

耐性 32000

魔耐性 30000


固有技能ユニークスキル:全魔眼


技能スキル:魔王 【王威 ステータス増加率上昇 獲得経験値量増加 強者の運命さだめ



------------------------------------------------------------



「ハァ、俺みたいなチート無しでコレだもんなぁ……ホント『理不尽』……ということでぶん殴っていいか?」


「何が『ということで』か知らないけどダメ」


「そうか、ダメか……あ?」


そんなことを言いながらイリスの『ステータス』を見ていると何を思ったか首を傾げる。


「どうか、した?」


「いや、そう言えばお前……あの腕はどうした?」


「腕?」


「ほら、『寄生魔物パラサイト』の時の……」


「うっすらとしか憶えてないけど……腕?そう言えば……」


(イリス本人が憶えていない?というよりも、知らなかった?ならこれはイリスの記憶にも関わる可能性が──)


そう言って悩み出したイリスを尻目に零刀は思考に耽ると、ふと思いつく。


「イリス、少し待ってろ……『解析』!」


すると少しして、イリスの『ステータス』の下に文字が浮かび上がる。


------------------------------------------------------------


〈加護〉:魔王@Dj5pmy3pの加護


------------------------------------------------------------


「文字化けしてるのか?何だ、これ?」


「その部分の『ステータス』そのものが『隠蔽』、もしくは『偽装』されてたみたい。それに情報そのものを狂わせて見れないようにされてるみたい」


「こんなことってあるのか?」


「『ステータス』を隠したり数値をを低く『偽装』することはできても、『ステータス』の表記そのものを変えることはできないはず──いや、一人だけ知ってる」


「?……誰だ?」


(それが知れればイリスの記憶についても知ることができるかもしれない)


と零刀は考えたのだが次の瞬間そんなことは無かったと理解する。


なにせ、イリスは零刀を指差したのだから。


「あなたの『ステータス』の【不明】表記。アレは『隠蔽』や『偽装』と違って表記そのものを【不明】に差し替えている。何か、知らない?」


「いや知らん。……まあ、わからん問題は置いておいて色々『解析』していくぞ。一応職業から『解析』していくか」


------------------------------

魔王


魔を統べる者に贈られる称号。

魔眼を統べるものであり、魔族を統べるものである。

この者には王の器が備わっている。


------------------------------


------------------------------

魔王


職業が『魔王』である者が習得できる『技能』。

様々な【技能】が包括されている。

------------------------------



「『魔王』って魔眼の王って意味合いもあったんだな。それと『魔王』って『技能スキル』は『勇者』と似たようなものか。でもお前、『魔法系統』の『技能スキル』はねぇのか?」


『勇者』の方には【光】に関する【魔法】なども含まれていたことを思い出しながら問いかける。


「……わたしにおける『魔王』はただの『魔王』じゃなくて、『魔眼の王』って意味もある。だから【魔法】は使えない」


「へぇ、『魔王』なのに【魔法】が使えねぇのか。『錬成師』と似てんな……まあ、結局『魔眼』で同じようなことが出来てるし問題ねぇな」


「ん、便利」


「『全魔眼』については前に見たし……次は俺か。見るのは久しぶりだな『ステータス』」



------------------------------------------------------------

神野 零刀 Lv115 Age16 男

種族:名状しがたい既知を脅かすナニカ

職業:練成師

称号:【禁忌】【再生】【喰らう者】【適応者】【不明】

体力 180000/180000

魔力量 20000/200000

魔力 210000

筋力 240000

敏捷 120000

耐性 130000

魔耐性 110000


固有技能ユニークスキル〉:錬成 魔素支配 再構成 完全記憶 解析 無属性魔法 瘴気耐性 並立思考 瘴気掌握 変質異貌 環境耐性


技能スキル〉:剣術Lv10 瞬動Lv10 魔道具作成Lv8 痛覚耐性Lv10 高速思考Lv8


------------------------------------------------------------



「……おお、本当に『変態』じゃあなかった」


「いや、未だに信じて無かったのか……まず『変態』ってなんだ?」


「自分の身体の一部を別の状える『技能スキル』。すなわち、『変態』」


「へぇ……知らなかったな。まあ、俺の『変質異貌』はそれよりも上と言うか……もっと変質変異させることに特化してるからな……そのせいもあってか『種族』もこんなになってるしな」


「『種族』もそのせいなんだ。じゃあ……変態の超越?」


「おいコラてめぇ……もしそれでそんな『称号』が付いたらどうす──」



──『称号』、『変態の超越者』を取得しました。



零刀が文句を言い終える前に、無慈悲にもその宣告アナウンスが零刀の脳内に鳴り響き、続いて『ステータス』の欄が更新される。


「……なあ、『ステータス』を司る神っているのか?」


「……【光と闇の属性神】しか聞いたことないけど……どうして?」


「いや、悪意を感じると言うかなんというか……とりあえず、いるなら探し出してぶん殴ろうと思ってな」


そう言う零刀の拳にはかなりのチカラが込められているのがわかる。


「ハァ……まあ取得しちまったモモンはしょうがねぇか……一応『解析』」


------------------------------

変態の超越者


変態を超越した者に贈られる称号。

変態を超越した者に贈られるが故に特別な能力は無い。

というより既に変態を超越しているのであればそれ相応のチカラを保持しているハズである。

------------------------------



「効果ないんかい!」


零刀の声が虚しく響く。


「……どんまい」


「いや、そもそもてめぇがそんな事言わなけりゃこうはならなかっただろうが……」


どこか疲れたようにそう零す。


「……次の階層主フロアボスの初撃お前な」


「ん、了解」


ちなみに最近の探索では何かをやらかした方がつぎの階層主フロアボスの初撃を担当することにしている。


「──ん、『技能スキル』確認、終了。それにしても、すごい『技能スキル』量。『統合系統』も多い。特に『環境耐性』がすごい」


「ああ、『外的要因が自然環境に付随するものであればそれらに耐性を得てダメージを軽減する』だったか?まあ、それでも【魔法】なら多少はダメージを受けるし、物理には意味をなさないしな。……そんな事言ってもどんな自然環境内でも生きられるってのはスゲェけどな。……よし、装備の調整もこんなもんでいいか」


「ん、ありがとう」


「ああ、……準備ができたなら……行くか」


「ん、了解」


そう言って二人は歩き出し、【転移魔法陣】にて【転移】した。



------------------------------------------------------------



「──着いた。また洞窟タイプ?」


周りを見るとドーム状になっており、石でできているそれは今まで見てきた洞窟のように見える。


「……いや、違うみてぇだな。見ろ」


が、いち早く現状を理解した零刀がそれを否定し、イリスに見るように促す。


「──魔物?」


二人がいるドーム状の部屋の中心にヒトガタの魔物らしきものが一体、鎮座している。


「──『解析』じゃあ時間がかかりそうだ。……イリス、【鑑定眼】はどうだ?」


「ダメ、見れない。でも、ドーム状の部屋に魔物が一体。恐らく『階層主フロアボス』」


「だよな。どうしてこうなったかは知らないが……初撃は頼んだぞ」


「──もう既に準備完了。あとは撃つだけ」


「よし、なら──ッ!?」



それは、本能的なものであった。


撃て、と言いかけたその時。零刀は怖気を感じて反射的に黒い【破壊】の魔力と紫色の【死】を解放する。


一瞬、目の前で何かがせめぎ合い、少しの拮抗の後、砕け散る。


(なんだ、今の──)


しかし、それに思考を巡らせる間もなく、横からの魔力を感じて咄嗟に『端末ビット』を展開して防ぐ。


「おい、イリス!何のつもりだ──!?」


違和感を感じ、もう一度しっかりと『見る』。


それを撃った本人の顔には驚愕と恐怖が浮かんでいて、


そしてその身体にはおびただしい量の『瘴気』と見るだけで怖気を覚える『魔力』が絡みついていた。


「さっきのアレか──!」


そう言って、それを放ったであろう魔物に視線を向ける。


その魔物はこちらへニタリと歪んだ笑みを向けて立ち上がる。


それは角を生やし、鋭い爪を持ち、鱗の生えた翼を持っていた。


その姿に多少の違いはあるが、少しだけ見覚えがある。


「アレは……『悪魔』か?ならさっきのは『支配系統』の『技能スキル』か?」


暑くもないのに額から汗が一筋滴り落ちる。


(この状況で二対一。悪魔の方はまだ傍観しているだけっぽいのが救いか……イリスの方は【破壊】と【死】でどうにかなるか?……いや、やるしかねぇのか)


黒と白の二振りの剣を抜く。


「本ッ当に、クソみてぇに『理不尽』だなぁおい」


そして、今ここに悪魔と魔王対人からハズレた錬成師の、『理不尽』な戦いの火蓋が切って落とされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ