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深く

先週は諸事情により投稿できませんでした。

(あと風邪も引いていました。)


急いで書いたのて表現がおかしな所もあるかもしれませんが、見つけ次第感想にてご報告頂けると幸いです。


それでは、どうぞ

「ラァァァアアアア!!」


零刀が【黒炎】を纏わせ剣を振るうと爆裂し、数多の魔物を消し飛ばす。


「──フッ!」


後ろからの斬撃を身に纏う黒い外套コートで受けるとそのまま振り向き、左の『白剣』に【紫氷】を纏わせ振るえばそこを起点に紫色の氷が広がり魔物を包み込み、そこに零刀が続けて黒剣を当てれば氷は魔物ごと砕け散る。


「ふふふふふ、あははははは……」


少し離れたところでは笑い声が聞こえ、続いて周りの魔物が石になったり、毒に侵されたりの状態異常のオンパレードであり、そこに【魔法陣】から放たれた【魔法】が容赦無く降り注ぐ。


しかし、どこかその笑い声も元気がないように思える。


「あ゛あ゛あ゛あ゛?!邪魔!うるせェ!メンドクセェ!」


「邪魔、邪魔よ?邪魔なの、邪魔なのよ?めんどくさいのっ!」


二人は同じようなことを言い、


((どうしてこうなった……))


同じことを思っていた。



きっかけは数時間程遡ることになる。


------------------------------------------------------------



「ブモオオオオ!」


二足歩行をする人型の牛の魔物……ミノタウロスが大きな斧を横薙ぎに振るう。


それを黒い外套を着た者が右腕のみで受け止める。


その風圧でフードがめくれ、灰色の髪が顕になる。


──すでにお分かりの通り、零刀である。


「【紫死葬氷】」


そのまま踏み込み、ミノタウロスの胸に触れそう呟くと、そこから紫色の氷が広がり氷漬けにする。


それを軽くトン、と押すと傾き、地に触れると砕け散る。


「ブオォ!」


「ブモォ!」


続いて二体のミノタウロスが挟み込みで同時に斧を振るう。


それに零刀は身体を半回転させると片方を左腕で、もう片方を右の掌で黒い手袋越しに受け止める。


攻撃力の高いミノタウロス、その『高位種』ともなれば攻撃力も計り知れない。


さすがの零刀と言えども両側からのそれを受ければ身体が潰されてしまうはずだが──


ドンッ、



──と言う音が鳴り、逆にミノタウロスの斧が弾かれた。


左腕で受け止めた方は軽く弾かれただけだが右の掌の方は仰け反るまでである。


先に左の方へと向き直り、引き戻そうとする斧を掴み、紫色の霧のようなものが纏わり付く。


それを確認すると身体を反転させ地に手を着く。


「『黒い耀きは鎖を形取かたどり我が敵を拘束せん』【黒耀縛鎖オブシディアン・チェーンバインド】」


「ブォォオオ?!」


瞬間、地面から黒い鎖が飛び出しもういったあのミノタウロスを縛り上げる。


「ふむ……【纏わり付く死】もさすがにこのレベルの敵となるとすぐには殺せないか……まあ、心臓とかの重要器官に集中させればどうにかなりそうだな──っと、イリスもういいぞ」


「──【集束光線レーザー】」


イリスの名を呼びその場を飛び退くと、一筋の光が飛ぶ。



──飛び退いた零刀に向けて。


「おまっ、ふざけんなっ!【変異錬成:黒耀角柱】!」


光線は零刀に当たる直前、現れた黒い角柱に当たると起動が変わり、いくつかに分散され零刀には当たらなかった。


「ん、連携」


「一方的な連携だなァおい」


見ると動けなくされていたミノタウロスが煙を上げて死んでいる。


零刀が分散した【光線】がミノタウロスを撃ち抜いていたのだ。


「ハァ、てかちゃんと狙って撃てよ」


「……気づいたら眼で追ってた」


「馬鹿なこと言ってんじゃねェよ。てか、視線が照準ならしっかり狙えんだろ」


「あなたのハートを?」


「狙い撃ちってか?馬鹿じゃねェの!?物理的すぎて怖ぇよ!」


「ん、好奇心」


最近はこんなやり取りも増えてきた。


「ったく、好奇心は猫を殺すんだぞ?」


「?龍じゃないの?」


「ああ、こっちの世界ではそう言うのか……え、龍?」


「昔むかし、賢く、いろんなことを知っている炎龍がいました。その龍は人語も解し、人々からは【賢龍】と呼ばれていました」


「ああ、語源の話か?唐突だな」


それをしっかりと聞いている零刀は意外と優しいのかもしれない。


「──ある日、【賢龍】は海に興味を抱きました。海の底には何があるのだろうか、と」


「おいちょっと待て。まさか──」


この先を察した零刀だが、イリスはそのまま続けた。


「【賢龍】は好奇心を抑えられず、空高く舞い上がり、海に飛び込みました」


「やりやがったぁ?!」


「次の日、海に浮いている数多の鱗が見つかりました」


「絶対それ死んでるだろ」


「ちなみにこの話から『賢龍と愚龍は紙一重』って言葉も生まれた」


「本っ当に紙一重だなぁ、おい。てか、マジで龍死んでるじゃねぇか」


「私よく覚えてた。偉い」


「【記録眼】でカンニングしてるがな」


実はイリス、【記録眼】と言う見たものを完全に記憶できる『魔眼』で昔見た話を説明していたのだ。


「んん!まあ、それは置いといて……実験は?」


「ああ、成功だな。とは言っても全部試せたわけじゃねぇが……【深淵アビス】の名に恥じないデキだとは思うぞ」


そう言って今自分が着ている外套を指さす。


これは【黒耀の外套オブシディアンコート】の代わりに零刀が作ったものである。


今までの【黒耀の外套オブシディアンコート】ものに『深淵に座すアビスもう一人の自分ドッペルゲンガー』を喰らい、その因子を自分の『生体魔素』に混ぜることで、【鏡写】を【深淵】と言う『性質』に変化し強化したのだ。


「──【循環】を応用した衝撃の操作もそこそこ使えそうだ」


これは簡単に言えば攻撃を【吸収】して、威力を消さないように【循環】させてから放出しているのだ。


本来黒耀石の【循環】は放出できるものではないのだが、そこは『変質異貌』で【変異】させた。


「やっぱり手とか部分的に集中させた方が威力は上がるな。それと威力を【吸収】してから時間が経つと威力そのものか減衰して行く、か」


そう言って手を握り、開くと手袋が消えた。


これも【深淵アビス】のチカラで、零刀がカタチをイメージしながら魔力を流し込み『錬成』を使うと【深淵アビス】がそれを読み取り、そのカタチに変化するのだ。




「あー、なんかモノ足んねェなァ」


「そう言えば、何でこんなに高性能な防具、作ったの?」


「ん?どうしてだ?」


「……この前、まだ防具無くても平気、とか言ってた」


「ああ……そういや、言ったな」


そう言って少し恥ずかしそうに頭を掻く。


「いや、俺もあの時は大丈夫だと思ってたんだがな……そろそろ迷宮の終わりが見え始めてきたからなぁ」


「……えっ、なにそれきいてない」


「いや、言ってねぇし……って、ああ、そうか。こういう迷宮だなんて誰も知らねぇし……コッチにはそう言う考え方自体があんましねぇのか?」


理解できずに首を傾げているイリスに零刀は言う。


「ちょっと長くなりそうだし……先に飯でも食うか」


そう言って食べ物を出してから説明する。


「この迷宮だが、クリアさせ・・・・・る気がない・・・・・ってことには気がついてるか?」


「……いくつか、思い当たる点はある、けど……やっぱり?」


零刀の言葉にイリスは少しの間を置いて答え、その答えに零刀は頷き続きを促す。


「だって……宝箱、見てない」


「そっちか!?先に出るのがそっちなのか!?」


予想外の答えに零刀がツッコミを入れる。


「いや、それもそうだが……と言うか俺は宝箱何て見たことがないから確証は無かったんだが……」


零刀がここにいるキッカケとなったアレはノーカウントらしい。


「……あとは、環境?」


ここまで階層を降りてきた二人だが、途中の階層には溶岩の階層の他にも雪山のような階層や常に嵐が起きている階層だってあった。


「それも一つではあるが……」


「ん、食糧、でしょ?」


「ああ……ってわかってんじゃねぇか。重要度はこっちのが高いだろうが」


そう、本来迷宮の魔物には『瘴気』が多量に含まれているため、食べれば普通に死ぬ。


それでも食べ物を食べ、ここまで生きていられるのは零刀のおかげである。


まあ、本人|(人だかどうかは定かではないが……)はその『瘴気』ごと食べていたりするのだが。


「ん、食糧事情については、感謝してる。あなたがいなければあの『紫水晶』からも出られてないし、ここまで生きて来れなかった」


そう言ってイリスは頭を下げる。


「い、いや、別に気にすんなっての!一人分も二人分も対して変わらないからな」


そう言って顔を背ける零刀だが、その顔は耳まで赤く染まっていた。


「照れてる?」


「うるさい、話しに戻るぞ。さっき言った食糧問題さえどうにかなれば『魔道具』やらなんやらで切り抜けられたとして、だ。どれだけ強くてもあの『深淵に座すアビスもう一人の自分ドッペルゲンガー』相手だと分が悪すぎる」


「うん、アレは大変だった……」


「いや、あの階層の時お前ずっと俺の後ろに隠れていやがっただろうが……」


「ん、あそこはラクだった」


そんなイリスに零刀は一つため息をつく。


「まあ、こんな感じで、クリアさせる気はねぇだろうって話だ。で、そろそろ終わりって話だが……あの後、そこまで特徴的な相手が出てきたか?」


その問いに首を横に振る。


「まあ、ネタ切れ……って言うか本来、『深淵に座すアビスもう一人の自分ドッペルゲンガー』が突破されるなら個としての強さじゃなくある程度以上の数の強さがあるはずだからって想定されてるとすると……って考えるとパターンとしてはあと少し、って感じだ」


そう言うと食べ物の残骸を【黒炎】で燃やす。


「食い終わっただろ?まだ実験し足りないんだ……行くぞ」


早歩きで進む零刀に「まってまって」と声をかけながらイリスは追いかける。




──数十分後



「なぁ、これってやっぱ……」


「うん、とびら」


二人は大きな扉の前にいた。


「ハァ、今までのパターンだとボスはもう一階下の階層のハズなんだが……」


「ん、どうする?」


「いや、行こう」


不安そうに聞くイリスに即答する。


「実験の続きなら階層主フロアボスのが強い分捗るだろうし……それに、この階層だとレベルも上がらなくなってきてるしな。それと、かなりの時間この迷宮にいるからそろそろ出たいってのもある」


零刀がそう言うとイリスは顔を引き締める。


(やっぱりコイツも、何かしらの理由で早く帰りたい、ってカンジだな)


「さて、行くぞ」


「うん」


イリスを見ながら零刀は思ったが、それには触れずに扉を開ける。



その先には、


「……【転移魔法陣】か。久しぶりだな」


そこには一つだけ【魔法陣】があった。


「?……ボス、は?」


「ああ、そういやアレはお前と会う前だったか。まあアレだ。【転移魔法陣】の先にいるだけだ」


そう言い、イリスを連れて【魔法陣】に入ると【転移】される。



「着いたか、広いな……あ?魔物が、いない?」


「ちがう、見て!」


イリスが声を上げたのに続いて、辺りの地面が輝き始める。


「……まさか、これ全部【魔法陣】か!?」


「数え、きれない」


そして一瞬、一際強く輝くと、光は収まっていく。


「オイオイ、マジか……『瘴気』を大量に取り込んで強化されてるとか……正気か?」


「つまらないダジャレ言ってないで、どうにかする」


「つまらないってお前……いや、『瘴気』での強化って普通、マジでシャレにならないレベルで激痛なんだが……まあ、いいか」


イリスは抑えていた魔力を解放し、零刀は黒白二振りの剣を抜き、紅と紫の眼を爛々と輝かせ、言う。


「「殺戮の時間だ」」



──ここから二人は怒涛の勢いで倒して行くのだが一時間後、未だに勝負が着かずに冒頭部分へと至るのであった。

冒頭に戻るまでが長いですね……いやぁ、こういう書き方をしたかったのですよ。後悔はしていません

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【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
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