階層主(フロアボス)・3
お気づきの方もいるかもしれませんが、活動報告というものを書いてみました!
一応今週の投稿予定が簡単に書いてあります。変更することもあるかもしれませんがその時は前もって活動報告で告知したいと思います。
それではどうぞ
血が舞い、えぐられ、切り飛ばされた肉や蔦が宙で踊る。
またひとつ、蔦が迫り、それを受け流そうとするが、その前に表面が鱗のようになっている触手に引っ掛けられ、上へと弾かれる。
「ッ!マズ!」
ガラ空きになった胴体に先端が鎌のようになっている触手によって切り裂かれる。
「ガハっ、このやろ!」
またも迫り来る触手を切り落とす。
(クソッ!少し甘く見すぎていた!まさかここまで『変態』できるなんて…!)
そう、暴食する蔦植物は『変態』を使って触手を変化させていたのだ。
暴食する蔦植物が保有する触手の数は十本。それが全てではないが全く蔦とは違った性質を持って攻撃して来るわけだ。
普通の蔦のように切り落とそうとしても『変態』した触手は硬く、こちらの攻撃が弾かれ、攻撃を受ける。
鱗状に『変態』した触手だと思い避けようとしても他の触手であれば軌道を変えられ、当てられる。
鎌状に『変態』した触手だと思い受け流そうとしても他の触手であれば受け流しきれず、ヘタをすれば先ほどのように剣ごと持ってかれそうになる。
そしてひとつひとつの触手に丁寧に対応していてはふたつめ以降の触手に攻撃されてしまう。
そんな、零刀にとって不利すぎる戦いが続いていた。
「グッ、『再構成』!オラァァァァ!」
それでも零刀は、『再構成』で傷を治し、切り落とした触手を喰らって『生体魔素』を補給しながら戦っている。
しかし
(このままじゃあヤベェ状況には変わりねぇ。それにこのフィールドからしてたぶん他の魔物もいたんだろうが、コイツが喰ったんだろ。そう考えると俺の『再構成』と同じで『生体魔素』を必要とするんだとしても、アイツのが多く保有してるだろうしな。でも、もう少し─)
右方向から大きな魔力反応が生まれる。
それと同時に【魔素感知】で急激に迫ってくるものを感知。
瞬間、零刀の身体に衝撃が走り、宙に吹き飛ばされる。
「ガッ、い、一体何が─」
そこには魔力を噴出していた触手の姿が─
(まさか、さっきの階層にいた魔物に一部『変態』して同じような『技能』を使えるってのか!?)
先ほどのは殺戮蟷螂の『魔力噴射』であろう。
宙に飛ばされた零刀を鎌状に『変態』した触手が切り裂き、鱗状に『変態』した触手が肉を抉る。
それら全てが【風】を纏って襲いかかり、零刀は宙で踊らされる。
「グッ、ガ、ゲボッガハッ!」
(痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い)
零刀は首と頭のみに【魔装】を使って『最低限死なない』ようにする。
(イテェ、ものすげぇイテェ。それこそ『理不尽』なくらいに…。でも─)
ふと触手の攻撃が止み、目を向けると一本の触手がドラゴンの頭部をカタチどる。
その口から炎の球が零刀目がけて襲いかかる。
(まだ死んじゃあいねぇ!!)
ボロボロで、今にも千切れそうな左腕を突き出して、目の前で爆発させる。
爆風で吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
左腕は吹き飛ばされ、原型をとどめておらず、炭化している。
「グッ、ガハッ!ハァ、ハァ、『再構成』!」
『完全記憶』で記憶を辿り、零刀の身体が『異常がなかった時』の身体に『再構成』される。
「『理不尽』、『理不尽』ねぇ…クッ、クク、クハ、クハハハ…」
傷一つなくなった零刀は立ち上がる。
肉体が修復されても先程まで感じていた痛みは、幻肢痛のように感じているが、未だ戦う意思は消えていない。
それどころか今まで以上に紅と紫の眼をギラつかせて暴食する蔦植物を睨みつけ、口角を吊り上げて獰猛な笑みを浮かべる。
「来いよ【理不尽】、俺がてめぇを【否定】してやる」




