階層主(フロアボス)・2
学校閉鎖になりました…。
べ、べつに嬉しくなんてないんだからね!
……という訳で明日は【戦いたい】を更新します。
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なし LV71 Age 138
種族:暴食する蔦植物〔魔物〕
称号:変異種
体力 15000/15000
魔力量 8000/8000
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(マズイ!!1発で『解析』しきれねえってことは格上!しかも『変異種』ってことは─)
零刀は一瞬思考を巡らせた。
瞬間、目の前を一瞬何かが横切ったと思った時には──
─零刀の腕が宙を舞っていた。
零刀は声を上げるよりも先に宙にある自分の腕を掴みとり、元あった場所へと押し付ける。
「グッ、ガァ!『再構成』!」
1度『魔素』まで分解して『完全記憶』で自分の腕の記憶を読み取り『再構成』する。
零刀が抑えていた部分を離せば服でさえ元通りになっている。
「クッ、もともとあるものを『再構成』し直したおかげか『生体魔素』の消費量はホンの少しだが、まさかこんなシチュエーションで検証することになるとはな…」
そして、そのケガを負わせた敵に再び目を向ける。
(とりあえず、今のところ襲ってきそうではないな……。さっきのは『解析』で『ステータス』を見ようとしたことに反応したのか?だとすると『魔素』の動きに敏感なのかもしれねぇな)
零刀は初撃を受けたものの冷静になって敵を分析していく。
(まずはさっきの攻撃が何だったのかってことだがたぶんあの”蔦”だろ。ただほとんど見えなかったが【身体強化】を目に強めにかけて補足をすれば─)
【身体強化】を使った瞬間に”蔦”による攻撃が飛んできた。
(やっぱ反応してきたか。速えぇが【強化】してれば見えるな。”蔦”自体に何かあるかもしれねえし、避けとくか──なに!?)
零刀が回避した瞬間に”蔦”が急激にその軌道を変え、零刀を吹き飛ばした。
「ガハっ、ゴホッ!ギリでガードしてこのザマか。 つーか、あの蔦急に機動を変えたから変に思って『解析』したら筋肉で覆われてたぞ……。それはもう”蔦”じゃあなくて”触手”だろ!」
ウネウネと蠢く”蔦”改め”触手”を見ながらいう。
(くそっ!それはもう『植物』じゃあねぇだろ!『変異種』っつーからにはまだ何かありそうだな……かと言ってことまま『解析』し続けても時間がかかる。なら─)
「『瞬動』!」
『瞬動』を使って一気に距離を詰めるが、触手が迎撃せんと迫る。
「─【魔纏】っ、ラァ!」
迫り来る触手を一本、二本と切り落としたところで─
「……は?」
ガキン!
という音とともに剣ごと弾き飛ばされる。
空中で体勢を立て直して着地と同時に距離を取る。
「─ッ!何だ今の、剣がいきなり弾かれた?どういう事だ?…まあ─」
零刀が視線を手元に落とすと、二本の触手が握られている。
「喰えばわかる。『喰らいて我が糧とせよ』【喰らう者】」
黒い魔力が触手を覆った。
零刀が魔力を使ったことに反応して、触手での攻撃を仕掛けるが、零刀が暴食する蔦植物を中心とした円を描くように走ることによって回避される。
そしてしばらくたった頃に─
「よし、暴食する蔦植物の『ステータス』の『解析』終了。開示」
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なし LV71 Age 138
種族:暴食する蔦植物〔魔物〕
称号:変異種
体力 15000/15000
魔力量 8000/8000
魔力 3000
筋力 9000
敏捷 800
耐性 5000
魔耐性 6000
〈固有技能〉:超再生 暴食 変態
〈技能〉:身体強化Lv5 魔纏Lv3 鞭術Lv5 属性変換【火・風】Lv5
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『解析』の結果が見れた瞬間、大きく距離をとる。
「一定以上距離を取ると攻撃してこないのか……。でも移動して来てやがるしあんまし時間かけらんねぇか。とりあえずヤバそうなヤツから『解析』っと」
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暴食
対象を食らい、エネルギーに変換して貯蔵することができ、それを使用することができる。
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「向こうじゃ『大罪』とされてる『暴食』だしな。こんくらいやばくても納得だ」
問題は次の技能だ。
「…うわぁ、『変態』だ。『変態』がいるぞ。『解析』」
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変態
肉体を元の形から変えることができる。変態するためには変態する対象への知識が必要。取り込むこともでも可。
それによっても変態の度合は変化する。
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「……うわぁ、『変態』の解析結果を読んだだけだと絶対に他人に読まれたくないような書き方されてやがる。これぜってぇ悪意あるだろ…」
習得しなくて良かったと心底思う零刀だが─
「あ”?てこたァ、コイツが『暴食』した魔物の『特徴』とかをそのまま『変態』できるってことか?なんだよそのチート。『変異種』ってそんなんかよ─」
と、ここまで言って、ふと思う。
「アレ?そう考えると俺も『変異種』になんのか?『変異者』って称号もあるしな…って、うぉあ!?ここはもう攻撃範囲ってか?まあ、丁度いい。『ステータス』的にはキツそうだが─」
剣を引いた構えを取る。
「─そろそろ行くか!!『瞬動』!」
暴食する蔦植物に向かって飛び出した。




