悲しみと生存
ようやく追いつきましたね。
向こうも再開します。
月曜日は多分【戦いたい!!】を投稿します。
「レイくうぅぅうん!」
彩が叫んで入るのが聴こえる。
レイが落ちていった谷に向けて
しかし返事が返ってくることは、ない
「…どう、して?」
「サヤ!」
あまりのショックに彩が気を失ってしまい、りあが悲鳴に近い声を上げる。
(なんで、こんなことに…)
『勇者』である光輝も現状を理解することが出来ないでいる。
「お前ら、行くぞ」
いち早く復帰したアドルフがそう言う
「っ、なぜです!まだレイが!」
「見ていてわかっているだろう」
「もしかしたらまだ!」
隆静が食ってかかる。
─しかし、隆静も気がついた
「俺は!!」
アドルフが
「俺は、『勇者』を守る義務がある。それに、レイに…、レイに頼まれたんだ、お前らのことを」
今にも泣いてしまいそうな顔をしていることに
「だから、帰るぞ」
この日僕は今までにない喪失感を覚えた。
そしてなんて『無力』なんだろう、と
『勇者』であるにも関わらず、守られてばかりで
大切な友達も助けることが出来ない
僕はこの日、どうやって帰ったのかすら覚えていない
しかし、落ちていったレイのことだけは忘れられなかった。
………………………………………………………………………………
見えていた光はどんどんと小さくなり
消えていった
暗い、暗い、闇の中を落ちていく
(くそっ、なんであのタイミングで『害意』が…とりあえず今は生き残ることにだけを考えろ!)
自分が考えられる『生き残る方法』をいくつもの挙げては却下していく。。
(だめだ!『錬成』でパラシュートを作るにしても魔力が足りない!何か、何か現状を打開出来るものは─)
辺りを見回すが、暗くて識別できない。
(万事休す、か)
しばらく落ちていると下から青い光が差しているのが分かる。
よく見ると青色の光る水晶の様だった。
まだだいぶ暗いが、少し明るくなったことにより悪魔も以外と近いところで落ちているのが見える
(─やって見るか)
身体を上手く使い悪魔の近くに移動し、剣を突き立てた。
「グルァア!?」
悪魔も突然の痛みに悲鳴をあげる。
「お前の魔力、よこしやがれ!」
『魔力操作』を使い、自分の魔力も混ぜ、無理矢理悪魔の魔力を引きずり出し、『錬成』を『魔力』自体にかけ、自分の魔力に変成していく。
「これで─『錬成』!」
そして歪ではあるが徐々にパラシュートができていく。
「『身体強化』、『魔纏』!」
パラシュートが開いた時の衝撃に耐えるために『技能』を使う。
そしてバザッと言う音を立てて強い衝撃ともにパラシュートが開く。
「ぐぅっ!止まれぇぇええ!」
ズドン!という音と共に着地した。
(─足が、痛いな…。『ステータス』)
------------------------------------------------------------
レイト カミノ LV8 Age15 男
種族:人間
職業:練成師
称号:異世界人
体力 16/180
魔力量 10/200
魔力 500
筋力 150
敏捷 200
耐性 500
魔耐性 420
〈技能〉:練成Lv9 剣術Lv7 魔力感知Lv6 魔力操作Lv9 身体強化Lv6 記憶管理Lv10 自己修復Lv8 瞬動Lv5 魔道具作成Lv.5 痛覚耐性Lv.5 魔力回復速度上昇Lv.5 害意感知Lv5 気配感知Lv3
------------------------------------------------------------
「ははは、生きてる…。生きてるぞ!」
自分が生きているということを噛み締めて笑う声が響き渡る。
それはまるで、自分が生きているということを世界に主張しているかのようであった。




