『逃げる』が『勝ち』
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ブックマークしてくださった方々、読んでくださっている方々、有難うございます。
そう言えば下の方に貼ってあるリンクが上手く貼れてないようなんですが、どなたか貼り方を教えて頂けませんか?
(くっ、レイはまだか!?)
零刀が魔力の回復で抜けてからもう数分が経とうとしている。
(ポーションを飲むのにそれほど時間はかからないはず─、何かあったのか?)
飛びかかってくる下位悪魔を切り伏せながら思考を巡らせる。
(このままだとヤバいぞ。まさかひとり逃げて─)
ふと、そんな考えがよぎる。
(─っ、なわけあるか!それは、そのことは、俺が1番知ってるはずだろ!!)
よぎった考えを否定するように力強く剣を振り、また一体、悪魔を切り伏せる。
その時ふと声が聴こえた。
「みんな!」
我らが勇者、光輝の声が。
「光輝!?それにアドルフさんも何でここに!?レイは?」
「レイは今時間を稼いでいる」
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─少し時間を遡る。
悪魔が放つ吐息を零刀の『錬成』によって耐え凌いだ後、現状について話し合っていた。
「っ、この下位悪魔、全部コイツが召喚してるってことか!」
「…て言うことは、こいつを倒せなければ向こうは減らない、ってこと?」
アドルフが驚き、光輝が聞く。
「減ることはないかな、むしろ増えてるかも」
「な、なら早くコイツを─」
と、光輝が意気込むが─
「「ダメだな(ね)」」
─即却下された。
「…向こうからなかなか攻めて来ないとは思ってたんだが」
「やっぱ、持久戦に持ち込んでじわりじわりとって事ですかね」
「クソっ、どうすれば…」
零刀が2人に提案する。
「…2人とも、向こうの増援に行ってください。僕が時間を稼ぎます」
「なっ!?ダメだよレイ!」
「一応、聞くがその役目は俺じゃあ駄目、なんだよな…」
「ええ、アドルフさんもわかってますよね?」
アドルフは少しの間考えた
「わかった、すまんな」
「アドルフさんなんでっ!?」
「コウキ、向こうは数が減ることはない。だからこそ、この中で1番に火力を出せるヤツが行かないと行けないんだ」
「でも、レイを置いて逃げるだなんて─」
「光輝、僕は『逃げる』事が嫌いだ。これは逃げる訳じゃないよ。
アイツは僕たちを殺そうとしている。だからこそ、1人でも多く生きて帰ることが僕たちの『勝ち』だよ。『負けて』逃げ帰るわけでは無い。
ここまではわかるね?」
零刀が諭すように言う。
「でも、零刀が残る必要性は─」
「それともアドルフさんに残れってこと?」
「い、いや、そんなつもりじゃあ…」
と光輝が焦っているのを見て零刀が笑う。
「冗談だよ。さっき言ってたみたいに、向こうも光輝達がいないと現状を打開できないだろうしね。じゃあ、作戦を伝えるよ」
~~〜~~~〜~~
「…わかった?」
「うん、わかった。出来るだけ早く終わらせて来るから」
光輝が走っていく。
「…レイ」
「僕に万が一もしもの事があっても光輝のこと、頼みますよ」
「…安心しろ。俺が、万が一なんて起こさせない」
すると、零刀は少しだけ驚いた顔をしてから言った。
「よろしくお願いしますよ。まあ、僕も─」
口角を上げて、言う。
「やられるつもりはありませんから」
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「…俺とコウキで道を拓く。その直後に亮太、お前の土属性魔法で橋のところまで壁を作って通路を確保しろ、そこを駆け抜ける。レイはその後で来る。多分あの悪魔もついてくるだろうからレイが橋まで来たらその壁を崩して魔法による一斉攻撃だ。これは俺らも、そしてレイの命がかかっている。絶対に成し遂げるぞ!」
「「「はい!」」」
撤退をするための作戦が、始まる。
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「…さて、わざわざ待ってくれて居るだなんて、随分と余裕そうだね」
光輝とアドルフを増援に向かわせ、1人で悪魔と戦うことになった零刀はひとり、そんな言葉を発する。
それを聴いた悪魔の顔に笑みが浮かんだ気がした。
「あまり好きじゃないかな」
(相手は確実に格上。一瞬の油断が命取りになる。倒せなくていい、時間さえ稼げれば─)
そして、
「さあ、始めるか」
「グルォォォオオ!」
戦いの火蓋が切って落とされた。




