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悪手

【戦いたい!!】の方も投稿を再開したら多分、日毎に交互に投稿していくことになると思います。


これからも【我が道を行く】、【戦いたい!!】共々よろしくお願いします。

(─さて、やるか)


音からしてもう向こうは戦闘に入っている。


「隆静!僕が突っ込むから、そのうちに陣形を整えて!」


「おい!レイ!」


隆静に声をかけられるがそれを無視して走り始める。


そのうちに腰に付けてあったポーチから拳程の大きさの鉄球をいくつか出し、宙に投げると零刀から一定の距離を保ちながら浮いている。


まず、目の前にいるヤツの首を剣で撥ねる。


「─『錬成』、【刺突針ニードル】」


襲いかかって来たヤツには周りに浮いている球体を『錬成』で針のように変形させ、眼を貫かせる。


眼を貫いたあとは脳にまで達し、絶命させる。


いきなり仲間がやられたことに気づいたほかの下位悪魔レッサーデーモンの集団はパニックに陥る。


(⋯⋯いけるな、次!)


そして、1体、また1体と、隆静たちが、陣形を整えるまで続いたのであった。


………………………………………………………………………………


(向こうは大丈夫なはずだ。だから今はこちらに集中しなくては⋯)


アドルフの目の前には中位悪魔ミドルデーモンが1体、たたずんでいる。


「コウキ、悪魔種は光属性が弱点だ。倒せなくてもいい。とりあえず後ろが道を開くまでの時間が稼げればいい。俺が出るから隙を見て相手の機動力を削いでくれ」


「了解!」


悪魔が一瞬、ニヤリと嗤ったように見えた。



………………………………………………………………………………



陣形を整え終えた隆静たちも参戦し

『守護騎士』である隆静、『騎士』の竜斗、『槌操師』の鈴、『剣士』りあを前衛に置き、後衛の攻撃は『魔法師』由佳子、『射手』拓武。サポートが『治癒士』の彩に『操土師』亮太が付くことによってある程度の余裕を持てていた。


(⋯魔力量がもう心もとないな⋯、鉄球の中に仕込んでいた魔力ポーションも残りわずか⋯。もって3分か)


「隆静!残り魔力量が少ないから僕はあと3分で1回離脱する!」


鉄球のひとつを変形させ、最後の仕込んでいたポーションを飲み干してそういった。


「了解した!」


そして、離脱した零刀は違和感を覚える。


(下位悪魔の量が、減っていない?)


後ろに下がり全体が見えるようになったことで気がついた。


─召喚の魔法陣がまだ残っていることに。


(いや、でも、最初に出た時の魔力量からしてまだ残っているのはおかしい⋯。─まさか)


『魔力感知』に集中する。


(─っ、最悪だ!まさか中位悪魔とリンク・・・・・・・・してるなんて⋯⋯くそっ!ベストだと思っていた作戦が最悪の悪手だったなんて!)


ポーチに入れてあるポーションを飲み、魔力を回復させながら、現状を確認していく。


少しずつではあるが前衛から下位悪魔が抜けてきている。


亮太が行動を阻害し、りあが処理をすることで何とかなってはいるが、怪我も増え始めている。


(─っ、全体的に疲弊しているか⋯。マズイな­⋯。このままだと一撃の火力が足らなくて突破口が開けない⋯)


「彩!あとどれくらい持つ!?」


「⋯持って数分くらい」


「なら、間に合う。もう少し頑張ってて!」


「分かった!」


………………………………………………………………………………


「コウキ!大丈夫か!?」


「ハァ、ハァ、はい!」


(これは、ちょっとまずいかもしれんな⋯)


最初は善戦していたものの、想像以上に光輝の消耗が早くこちらの火力が足りていない状態である。


(─だと言うのになぜなかなか攻めてこない⋯⋯?)


今までも幾度となく攻めて来れる機会があったのにも関わらず、向こうはなかなか攻めてこない。


「くっ、

『我、求めるは光の力。我が敵を切り裂く光よ、我が剣に宿れ!』【光のシャインブレード】!」


「待て!コウキ!」


「はあああ!」


そんな中、痺れを切らした光輝がギリギリで、悪魔の振るった大剣を躱して、脚を切りつける。


「よし─」


「馬鹿!防げ!」


大剣が再度振るわれガギン!という音を鳴らす。

光輝がギリギリで防御した剣に当たった音だ。


防御には成功したが悪魔の膂力によって吹き飛ばされる。



「コウキ!無事か!」


「ぐっ、ゲホッ!ええ、何とかでも─」


手元に視線を移すと、そこには半ばから折れてしまった剣が見える。


「気を抜いたら死ぬぞ!一旦下がれ!」


と注意した瞬間、目の前から大きな魔力反応。


見るとそこには大きく息を吸い込む悪魔の姿があった。


「マズイ!吐息ブレスだ!コウキ!直ぐに俺の後ろに来い!」


「えっ?」


「早く!」


アドルフに急かされ走り始めるが距離があるため間に合いそうにない。


(くそっ、間に合わない!)


そして、無慈悲にも吐息ブレスが放たれ、視界を覆い尽くそうとした瞬間─



「『錬成』、【土壁クレイウォール】」


声が聴こえ、目の前に土壁が現れたことにより悪魔の吐息ブレスが遮断された。


「⋯⋯どうにか間に合ったか」


「レイ!」


振り返るとそこには零刀の姿があった。


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【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
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