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迷宮探索と初戦闘

⋯どぞ



迷宮探索当日、僕達のパーティーはまだ宿にいた。

パーティーは1つ6人でその他5人ずつのパーティーが6つ。

それを2つずつに分け、30分経つと次のパーティーが入る。

これならば行動範囲が被らないし、何かあった場合助けに入れるかららしい。そして僕達のパーティーは3番目に入るからもう少ししたら出発だ。


「レイちゃん楽しみだねー」


「うん、早くレベルアップして、魔力量を増やさないと戦闘の幅が狭いままだからね」


「俺からしたらすでに多いと思うんだが…」


「それは隆静が少ないだけじゃない?」


「レイ、言うね…」


「まあともかくがんばろうね」


「お前らそろそろ行くぞ」


そして僕らは迷宮にむかう。


………………………………………………………………………………


もう1組のパーティーはすでに迷宮前にいた。

メンバーは

『魔法師』野島 由佳子

『操土師』八倉 亮太

『剣士』坂本 りあ

『射手』長野 拓武

『騎士』八上 竜斗


の5人である。


「ごめんね、待った?」


「ううん、今来たところ」


光輝の問いかけに答えたのは由佳子だ。彼女が光輝に好意を持っているのは誰が見ていても分かる。だが、光輝は気づいていないらしい。


(あれか、今流行りの鈍感系主人公か)

と、零刀が思ったのも無理はない。


「よし、揃ったな。話すなら歩きながら話せ」

と言って歩くアドルフさんにみんなでついていく。


『試練の迷宮』の入口は建物の中にあり、受付があった。

迷宮に入るには冒険者、もしくは騎士であるか、

もしくはどちらかが随伴している必要がある。


この場合はアドルフさんがついているので問題はない。


………………………………………………………………………………


迷宮は洞窟なものが多い。

しかし、階層によっては草原であったり森林であったり同じ迷宮でも多種多様な階層がある。その上、階層を進むにつれて、その地形に溶け込んだ罠なども増えて行く。その中には致死性の罠もある。しかし、1番厄介なのは『転移系』の罠であろう。

『転移系』の罠は『魔力感知』と『罠感知』のLvが高くないと発見する事が難しい。かかってしまえばパーティーが分断されてしまう可能性が高い上、ヘタをすると『モンスターハウス』と呼ばれる魔物が大量に出てくる上、『転移結晶』が使えない場合が多い。

──by王城図書室 『迷宮探索の心得』


………………………………………………………………………………




迷宮は想像よりも明るかった。迷宮の壁の一部が光っているからだ。これは迷宮の壁が空気中の魔力や魔素を吸い、蓄えたものを一部使用しているからだ。


そして─


(やっと迷宮か、これが初の実践になるんだよね)


「よしお前ら、ここはもう迷宮の中だ。最初は1人ずつで相手してもらう。それと人型の魔物─ここら辺だとゴブリンか、それも1人1体ずつ倒してもらう。お前らの『ステータス』なら余裕だろうが万が一の時は助けてやる。心配すんな」


「「はい!」」


数分がたった時、アドルフが

「前から2体来たぞ!」

と言った。


そして少し遅れてから零刀の『魔力感知』が反応する。


(アドルフさんは感知系のスキルは僕より高いってことか⋯。この感じだと弱いな)


『魔力感知』は相手の保有魔力を感じ取る事ができるので、必然的にどれくらいの強さか感覚でだがわかるのだ。


そして、前から現れたのはやはり、ゴブリンだった。


「コウキ!リュウセイ!お前らで1体ずつやれ!」


「「了解!」」


そして始まった戦いはやはり、一方的だった。


光輝はゴブリンの棍棒での攻撃を躱し、剣で防ぎ、そして─


「『我、求めるは光の力。我が敵を切り裂く光よ、我が剣に宿れ!』《光の剣シャインブレード》!」


─今使える中で最も攻撃力が高い技を使い、ゴブリンの上半身をほとんど消し飛ばしていた。


隆静は持っている盾で防ぎ剣で普通に倒していた。


「二人ともお疲れ様。どんな感じ?」


「うん、思ったより普通に戦える。けれど、もし人が相手だと分からないや」


「俺も同じだな」

と、そこでアドルフが声をかける


「思っていたより大丈夫そうだな。2人とも良かったがコウキ、最後のアレは確実にオーバーキルだ。1戦だけで終わりじゃあ無いんだから相手を見て使え」


「「はい!」」


「よし、次に行くぞ」

そうして移動して行く。



******





「はあぁぁあ!」


ズドン!という鈴の大槌の音とともにゴブリンは地面のシミになった。


「『我が魔力よ、火によって球体を成し我が敵を燃やせ』《火球ファイアーボール》」


残る1体は彩の放った《火球ファイアーボール》によって黒焦げになり絶命する。


「2人ともお疲れ様」


「うん」


「おつかれ〜」


(あと残るは僕だけ、か)


Lvは1から2はゴブリン1体程で上がる。今は経験値を分割していない為、零刀のLvは1のままだ。


(別に命を奪うことに関しては特に思うことは無い。ただ『殺し合い』だから少し緊張してるのか⋯)


「前からゴブリン2体だ。レイ、大丈夫か?」

と、アドルフが心配そうに声をかける。


「間引く必要は無いですよ」

─零刀か剣を抜く。


ゴブリン2体がこちらを獲物だと判断し、駆けてくる。


「たぶんすぐに終わりますから」

右手に持つ剣は下げたままに、何回か軽くその場でジャンプをして─


「…『瞬動』」


次の瞬間にはすでにゴブリンの首が宙を舞い、ゴブリンは悲鳴を上げることなく絶命していた。


それに遅れて気づいたもう一体のゴブリンは零刀が攻撃したあとの間をチャンスだと思ったのか、ジャンプをして殴りかかる。


「「「レイ(くん)(ちゃん)!!」」」


零刀の『ステータス』を考えても避ける事が出来ないタイミング故に、光輝達は悲鳴にも似た声をあげる。


「お前ら、大丈夫だ」

アドルフがみんなに言ったのとほぼ同時に零刀が動き出す。


「…『瞬動』、『錬成』【泥沼マッドマーシュ】」

零刀は『瞬動』を使い、一瞬で距離を取ると、アドルフの時と同じように【泥沼マッドマーシュ】をゴブリンの着地地点に使い動きを封じた。


「⋯⋯」


そしてゴブリンの首を撥ねた。


─スキル『瞬動』、『剣術』のLv.が上がりました。




─Lvがアップしました。


(初のレベルアップ⋯か)


「レベルアップしました」


レベルアップした時は報告する様にと言われているので報告をする。


「おう、お疲れさん」


「そこまで疲れてはいませんけどね」


短時間でしたしね、とアドルフに返す。


「レイ、そういう意味じゃあ無いと思うよ?」


と、光輝が言うとみんなが同意する。


(······ああ、そういう事か)


よく見るとみんな少しだけ顔色が悪いようだ。


「うん、大丈夫だよ」


と、なんでもなさげにいう。


「そうか···。もう少し進むぞ」



------------------------------------------------------------



「勇者の僕が、もっと頑張らないと······!」


「あまり気を張りすぎて空回りするなよ⋯」


少し気負い過ぎている光輝に声をかける隆静であった。



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【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
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