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『ハズレ』と言われた生産職は我が道を行く  作者: ナリア
彼らの道は交錯する。
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語り継がれること無き歴史

皆様お久し振りでございます。


長らく更新をお休みさせて頂いておりましたが3月から再び再開させていただきます。


花粉は辛いですが体調も戻りましたので……え? この期間何をやっていたのかですか?


夢を見ていました。リアルクトゥルフしてました。

彼らは無事逃げられたのでしょうか……私、きになります。


雑談も程々に、本編をどうぞ。

久しぶりで感が鈍ってるかもしれませんが、誤字や違和感などがあれば感想にてお待ちしております。

「ああ、美味いな……故郷の味を思い出す……」


「ああ、やっぱりか? 刀といいその浴衣姿といい、何となく予想はついていたんだが……」



零刀は自身が作った味噌汁を啜りながらホッと息を着くラグナを見て、複雑な笑みを浮かべる。



「浴衣ね……やっぱり先代の『勇者』とか【異世界人】が文化侵略でもしたのかな?」



ふと、鈴がそんなことを呟いたのが耳に入り、零刀が目をむく。



「お前……どこまで知っている?」


「へ? 特にこれと言ったことは無いけど……何らかのカタチで『私たちの居た世界の文化』と『今いる世界の文化』が混ざりあってるのは皆知ってるでしょ?」



「「「は?」」」



『誰でも知っている』と言わんばかりの物言いに──というか爆弾発言にその場にいる全員が困惑の声を上げる。



「え、いやいやいや。逆に気が付いてなかったの? 文化侵略かどうかは置いておいても、『この世界』は共通点を持ち過ぎてる。魔物で言えば『ゴブリン』に『オーガ』に『竜』。後は『悪魔』とかもかな。容姿や生体、強さなんかも似通って……いや、近似している。魔物の発生メカニズムについては知ってるよね?」



全員が頷いたことを確認してから続ける。



「主な構成要素は『魔素』と『魔力』。そこに『瘴気』が混じることで『魔物』として形成される。そして、『魔力』は様々な思念によって影響を受ける──ここまで言えばわかるよね?」


「……なるほどな。俺も混ざってるのは知っていたが……そうやって考えれば辿り着けるのか」



鈴の言葉に零刀が納得するが──他のメンバーは首を傾げる。



「つまり……どういうことだ?」


「あー、詰まるところを言えばだな。

産まれる時に『魔力』に起源を持つ『魔物』は人間とかのイメージを取り込んで産まれる。それでもってそこには明らかに『俺らの居た世界』と似通ったイメージが混じってるってことだ。すなわち、俺ら以外に『異世界人』がいる可能性が高いってことだ」



「んなっ!?」


「うぇっ!?」


「っ!?」



それを聞いた各々が驚愕する。


何せ、彼らはこの世界に来た後、暫くして【異世界召喚】は初めて行われたものだと聞かされていたからだ。



「だが、俺も【騎士団長】として何かないか調べるために過去の文献を読んだが……そういった話は無かったぞ?」


「そりゃあそうだろうな。俺も様々な街で情報を探して来たが、そういった物は無かった。たが、興味深い資料を見つけたんだよ。3000年ほど前に、この大陸は一度滅びかけているっていう考察本だがな」


「でもそれって、あんまり信憑性無いような……」


「だろ? だから確認したんだよ。それより遥か昔から生き続ける【精霊王】にな」


「──どうも、ご紹介頂きました【王位精霊代表】──いわゆる【精霊王】をさせて頂いておりますウェルシュと申します」



彩の呟いた疑問に対して零刀は生き証人を呼び出すことで答えた。



「せ、【精霊王】!?」


「【精霊王】とは言いましても、今や【紫紅の魔王オーバーロード】たるレイさんの配下の一人。そう固くならないでくださいな」


「【魔王】の配下に【精霊王】か……国のひとつやふたつ、簡単に滅ぼせそうだな」


「何を言っているのです。国のひとつやふたつなど私にとって造作もない。それに、私達が居なくてもこの程度の世界、レイさん一人で事足りるのです。──貴方達『人類』は、レイさんの機嫌一つで滅びかねないということを理解すべきでしょう」



ウェルシュの顔にいつもの微笑みなど微塵も存在せず、冷ややかな瞳で酷に言い放つ。



彼女にとって彼らは零刀が苦しむ要因のひとつなのだから。



「……ウェルシュ。今、そんなこと・・・・・はどうでもいいから本題を頼む。こちらも期限は差し迫っているんだ」


「……差し出がましかったですね。では、本題と行きましょうか」



愛称では無く本名で呼んだ零刀の本心を読み取ってウェルシュは語り始める。



「まず初めに。この世界には5000年以前の歴史が存在しません。というのも、5000年前の『大戦』の後にレイさんの言うように『人類』は滅びかけてしまったからです。文明も文化も……記録も全て」


「……それはおかしくないかな? 5000年っていう長さは想像もつかないけど……それでも文明があったなら長い時間生きる『種族』も居るし何かしらの痕跡があっても……」


「──痕跡なんてものが残らないほどに蹂躙されたのです」



その一言には、どうしようも無い怒りと悔恨が入り混じっていた。



「──いえ、正確には『痕跡が残らないようにされた』というのが正しいでしょうか。リンさんの言う事も最もですが……その昔には『人間』と『魔族』しか居なかったのですよ」



それを抑えて、言葉を続ける。



「【災禍の獣】と呼ばれる魔物によって『瘴気』が撒き散らされ、ありとあらゆる生命が死に絶えかけた。──そんな中で一部の生命達が我々『精霊』の様に『世界記録アカシックレコード干渉権限』を持つ者達によって保護されることによって生きながらえたのです」



「【災禍の獣】……俺が知ってるやつだと大和煮か?」


「ええ、まあ、レイさんによって大和煮や唐揚げにされたのがそのうちの一体ですね」


「大和煮に唐揚げ……鯨!?」


「鯨は個人的な事情で全部喰ったからないぞ……マグロならあるが、また今度な」



食べたそうにする鈴にそう言いながら続きを促す。



「『世界記録アカシックレコード』を利用した保護は外界との情報を完全に遮断する──攻撃を含めた情報に干渉する行為さえも遮断するモノです。故に最後に見た【災禍の獣】によって蹂躙される世界を最後に外界との相互観測は断絶しました。以後、相互観測が復活するまでの長い年月の中で『人間』が変化して行ったのが今で言う『亜人』達なのです」



『精霊の森』ではその自然に適応するために『森精種エルフ』や『地精種ドワーフ』といった『種族』へと変質して行ったのだという。




「そして恐らく、我々『精霊』が管理する【地の記憶】の他に【海の記憶】【空の記憶】が存在し、そこで変質したのが『竜人』や『獣人』といった種族なのでしょう」



「……待ってくれないか【精霊王】。『人間・・』が、ってことはその時代にいた『魔族』はどうなったんだ?」



ウェルシュの台詞の中で違和感を覚えた一部を拾い上げて問う。



「……ウェルシュ、もしわたしのことを気にしてるなら、いい。わたしも、真実を、知りたい」


「……イリスさんがそういうのでしたら話させていただきます。端的に言って『魔族』は一部を除き滅亡しました」



「【邪神の眷属】、か」


「肯定です。その大半を占めるのがレイさんの仰った【邪神の眷属】です。その他に何とか保護されていた『魔族』は外界が住めるようになった後に……」


「【眷属】どもと同一視され迫害されたか」


「……はい。探せば細々と生きる者達を見つけられるかもしれませんが……」


「なるほどな。それで、それらの元凶が【邪神】で、ここまで触れられてこなかった先代の『勇者』の成れの果てってところか」


「……【冥土】からでも聞きましたか」


「いいや? ただの推測だが、ここまで露骨に避けて話してるんだ。関連性を疑うのは当然だろう?」


「……わかったからと言って言いづらいことをズケズケと……さすがレイさんです。只人にできない事を平然とやってのけますね」


「っ!? そこに──」


「ハイハイ、鈴ちゃんは黙ってようねー。今一応シリアスだからね?」



何かを言おうとした鈴の口を彩がおさえ、窘める。



──その時だった。




バーーーンッッ!!!




ドアが勢いよく開かれるッ!




「ここに居たかッ……【紫紅の魔王オーバーロード】ォッ!」



それを為した人物は『冒険者組合ギルド』が長、エレーナ・スピリアルであった。



「ん? エレちゃんか。どうした? そんなに慌てて」


「あ! ラグナ!? 貴女無事だったの!? 下手したら【紫紅の魔王オーバーロード】に殺されちゃったんじゃないかと思って……ていうか、貴女が彼を探しに行くって言ったんだから報告くらいしに来なさいよ! 所在探そうにも【紫紅の魔王オーバーロード】のこととなると『精霊』達は協力してくれないし……一体何してたのよ!?」


「見ての通り食事を頂いている。彼が作ってくれたんだが、これまた故郷の味にそっくりでねぇ……」


「【最強】の胃袋が掌握されている、だと……? 【魔王】、おそるべし……!!」


「……お前が俺に対してどういった印象を持っているのかとか、聞きたいことは色々とあるが……とりあえず何の用だ?」



今までやってきたことがやってきた事なので若干の苦笑いで問いかける。



「いや、ええとね。この前の事件の時に『異常の調査及び対処』を『緊急依頼』として強制的に『冒険者』を動かしたじゃない? それで見返りというか、報酬として『なんでもひとつ依頼を受ける』って話したじゃない?」


「……その話ここでしてもいいのか?」


「別に構わないわ。アレは私としてはどちらにしろやらなきゃいけない事だったし、私にとって損無く強者に借りを作れたって事になるもの」


「なるほどねぇ。組織のトップは強かってわけだ」


「そういうことよ。それで、今いいかしら」


「──ここから先はレイさんも知っている話ですし、行ってきてはいかがですか?」


「あー、じゃあちょっくらいってくるわ。流石に自分から言い出した事をふいにする訳には行かねぇからな」


「あ、じゃあ私もついて行きますね! かたっくるしい話って苦手なんですよね!」



席を立つ零刀に便乗してシリウナも立ち上がる。



「さてはお前、今までの会話ロクに理解してねぇな!?」


「重要なことはわかってます! アレでしょ? 【邪神】をぶっ殺せば……!」


「……間違ってねぇのがムカつくが、まあいいか。行くぞ」



そう言って宿から出ていく零刀をシリウナが追う。



「……アドルフ。貴方の調子も戻って来たみたいね。またいつか、私達・・で一緒に『冒険』しましょう。それでは【精霊王】様、私はこれにて失礼します」




最後にそう告げて去っていくのを見送るとウェルシュは話を続ける。




「さて──それでは本題を話しましょうか」


「「「本題……?」」」



わざわざ零刀が居なくなってから話されるそれは──





「──このままだとレイさんかこの『世界』のどちらかが滅びます。確実に」






『世界』と『零刀』の存続の危機であった。

いつか余裕が出来たら夢の話しを書いてみるのもいいかもしれませんね……

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【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
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