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あの時の君は  作者:
10/13

-10-

 さて、思いっ切り泣いたし泣いたし。後は、そうだな。


「あの家に居ても胸糞悪いから、ヒョウと一緒に住んで良い?家事掃除洗濯なんでもやるよ?バイトして生活費だって入れるし」


「カヤト、吹っ切れた色してる。すんごい、青空みたいな広い色をしている」


「ん、まぁ……ヒョウのおかげ……かな」


 好きなだけ泣いたからか、意外と家族との決別に覚悟を決められた。

 俺にはもう家族って呼べる者はいないけど、ヒョウが隣でのほほんとしてくれりゃ、もうそれで良いや。


「バイトはしなくっても良いよ。それよりも勉強して、大学行って、社会人になったらこの町を出て、二人で暮らそう」


「ははっ、なんかそれ。プロポーズみたいだな」


「うん、してるよ。プロポーズ」


 ……は?


「もう俺達。夫婦ね」


「いや、勝手に決められても……」


 なんだ?なんか、すんごくヒョウが活き活きしてる。

 のんびり屋さんかと思いきや、強引俺様な性格だった……とか?


「ま、いっか」


 二人でいれば。これから先はどうにか生きていけそうだ。

 腹を決めた男は強いんだ。俺は気持ちを引き締めて、荷造りの準備をする為に家へといったん帰った。

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