第5話 ヒントは以外と近くにあった
急ですが、ウェーガン達の拠点となる町の名前を募集したいと思います。自分で考えるのも良いのですが、皆さんの意見を参考にしたいです。
宜しくお願い致します。
冒険者ギルドに居候する事になって、早い事に3日が過ぎた。その間、この町の住人や、冒険者ギルドに立ち寄る冒険者達に、姿を変える呪いの治し方と、ウェーガンという名前の人物について聞いてみた。
呪いに関しての情報は直ぐに手に入った。
「呪いを治すなら呪術師に頼むのが一番だろ。」
「魔女とかなら詳しそうだな。」
「どっかの国の姫さんが呪いを治す力を持っているって聞いたぞ。」
「ニワトリが喋ったー‼︎」
色々な手段がある事を知れた。ちなみに、ララは俺のが呪いだと直ぐに気付いたが、別に呪いに詳しい訳ではないらしい。
呪いについての情報は簡単に手に入った(真実かどうかは解らない)が、ウェーガンの情報は一切収集出来ない。どの冒険者達に聞いても帰ってくる答えは
「誰だそいつ?」
「死んでんじゃね?」
「ニワトリが喋ったー‼︎」
などの全く役に立たない情報ばかりだ。もはや情報とも言えないが。
それと、他の奴らには俺の名前をニワトリ君で統一させている。理由として、もしも聞いた相手がウェーガンという名前に敵対心を抱いていたら、面倒臭い事になるからだ。
よくよく考えてみれば、ララやマスターにも直ぐには名前を教えなければ良かったかもしれない。
そんな反省をしつつ、夕陽が沈む時刻に俺は1人でこの町を歩いていた。
町の人達だが、たった3日で俺に違和感を覚えなくなっていた。相変わらずこの世界の人達は馴染むのが早い。早過ぎるくらいだ。
ところで、何故俺がこのな時間に1人でいるかというと・・・
「おーい、ギルドの者だが、剣取りに来たぞ。」
そう。お使いだ。この世界での初めてのお使いがまさか、加冶屋に剣を取りに来る事とは思わなかった。
「おぉ!来たか・・・ん?」
「どうした?」
加冶屋のオヤジが、俺を見て驚く。そういえば、このオヤジとは初対面だった。
「オメェ、最近ギルドに居候してるっていうニワトリか?」
「あぁ、そうだが。」
「驚いたな。まさか本当だったとは・・・」
信じてなかったらしい。まぁ、喋るニワトリがギルドに居候してるなんて話し、聞いただけじゃ信じないか。
「まぁ良いか。とりあえずこれだな。ギルドのマスターに頼まれてた剣だ。」
「どーも」
「持てるのか?結構な重さだぞ?」
「あいにく力は普通にある。」
「オメェ用の武器も作ってやろうか?」
「けっこうです。」
武器を作ってもらったって、人間の身体に戻ったら小さくて使えんしな。
そういえば、コイツにはまだ何も聞いてなかったな。
「なぁ、一つ聞いても良いか?」
「ん?何だ?」
加冶屋のオヤジは、再び作業をしていた。
「ウェーガンという名前の男について、何か知らないか?」
ピタッ
加冶屋のオヤジの作業の手がピタリと止まった。これは当たりだろう。何か知ってる奴の反応だからな。
「何か知ってるのか?」
「・・・それを知ってどうする?」
「どうもしねぇよ。ただ、そいつが何者なのかを知りたいだけだ。」
「・・・」
「どんな小さな情報でも良いんだ。それがそいつに繋がる物なら、何でも良い。」
加冶屋のオヤジは、ため息を吐いた後、こう言った。
「ケリティカ山だ。」
「何?」
「ケリティカ山に行け。そこに行けば、何か解るだろうよ。ただまぁ、危ねえ所だから気おつけろよ。」
「・・・解った。ありがとよ。」
詳しくは聞かないでおいた。これ以上聞くと、オヤジが機嫌悪くしそうだしな。
しかし、ケリティカ山か・・・ララなら知ってるか。」
〜数分後〜
ギルドの扉をベルの音と共に開け、こう言い放った。
「帰ったぞー。」
「「おかえりー」」
ララとマスターの2人が家族の様に返してくれた。
客達も、俺に向かっておかえりと言ってくる。悪い気はしない。
「マスターに頼まれてた剣、持って来たぞ。」
「おぉ。ありがとう。」
俺はマスターに頼まれてた剣を渡すと、ララに質問した。
「なぁララ、ケリティカ山って知ってるか?」
ガタッ
俺がララに質問した瞬間、冒険者の客達が身体を乗り出した。
「ん?何だこの反応?」
「当然だよ〜。ケリティカ山って言ったら、魔石の宝庫だからね〜。」
魔石とは?
魔力を宿した石の事で、魔導武具や、アクセサリーを作るのに使う。
「そうなのか。どうりでこの反応だな。」
「で、ケリティカ山がどうかしたの?魔石に興味あり⁉︎」
「いやまぁ、どうもそこに行けば、ウェーガンについての事が解るらしいんだ。」
「なんと!それは行くっきゃないね!」
「あぁ、出来れば明日にでも行きたいんだが」
「解ってるけど、危険だよ?」
ララが危険と言うとは、相当危険なのだろうか?
と、思っていると
「だったら俺が着いてくぜー‼︎」
「危険な所なら任せとけ‼︎」
「ケリティカ山生きてーよー‼︎」
「ニワトリが喋ったー‼︎」
自分が着いてくという声が沢山出てきた。ベテランと思われる冒険者が、ざっと10人。
「お〜。これ位居れば問題ないかな〜。」
「それじゃあ明日行けるのか?」
「もっちろーん☆」
有難い。時間制限は無いと思うが、早く情報を手に入れる事が出来るのは良い事だ。
にしても、本当に展開が早い。流石にここまで順調だと後が不安だな。
こうして、俺達はケリティカ山に行く事になったのだが、まさか俺の不安が的中するとは、この時思ってもみなかった。