第2話 青白い髪の少女と
前回からそうですが、所々打ち間違いだったり、漢字の統一感がなかったりします。出来れば、漢字の間違いなどのご指摘お願い致します。
魔法陣によって転移した森で、一本の木に寄りかかって寝ている青白い髪の少女を見つけた。少女の青白い髪は、緑豊かなこの森では非常に目立つため、遠目からでも見つけれた。
「・・・話しかけるか?」
しかし不安だ。何故不安なのかと言うと、俺が今ニワトリだからだ。もしも、もしもだ。あの少女が腹ペコなのだとしたら、その場合この森が俺の墓場になるのではないか。
ゾッ
普段感じる事の無い不安がのしかかる。てか話しかける以前に、言葉が通じるのだろうか?通じないのならこの場だけでなく今後の進展が難しくなるが。
そう、もしも話しが通じないのだとしたら、情報収集が非常に難しくなる。種族による原語の違いもあるかもしれないが、別の種族に言葉が通じるのかも解らない。獣人族とかが居るのだとしたら可能性はあるが、居る場所が分からない。
「そうなると、ここで話しかけるのもアリだな。」
よくよく考えたら、腹がへっているのなら、周辺にいる小動物達を食べればいい。しかし、周りの小動物達はあのガキを怖がっていない。そう考えると、食われる可能性は少ない。
もしかしたら、持ち帰りされて飼育小屋に連れて行かれる可能性もあるが、その時はまだ救いがある。
ふぅ
一息つき、少女に向かって歩み寄って行く。
「あの〜、すいません」
少女の身体を揺さぶり起こそうとする。すると、少女はその小さな手で、自分の眼を擦り、ゆっくりと眼を開いた。その少女の眼が最初にとらえた物は、俺だった。
「ちょっとお聞きしたいのですが?」
「ん〜、ん?なんだいニワトリ君。」
通じた・・・のかは今のじゃ分からない。
「もしかしてだけどニワトリ君、呪いとかかけられたりしてる〜?」
「⁉︎」
いきなり俺が呪いかけられてると理解した。展開が早いのは助かるが、ここまで早いと流石に心配する。あと言葉は通じているっぽい。
「何故呪いをかけられてると解った⁉︎」
「だって、普通ニワトリは喋らないでしょ?」
当然の事を言ってきた。いや、異世界ならそういう事もあるという訳ではないらしい。
「それも結構レベルの高い呪いだね〜。」
「見ただけで解るのか?」
「詳しくはないけどねぇ。」
すげぇふざけた喋り方してる。ふざけてると言うよりは陽気な喋り方って言った方が正しい気もするが、絶対に黒服とコイツのキャラは逆だろう。
「あとその呪いだけど、姿を生き物の姿を変える呪いや魔法っていうのは、元々高度な物なんだからねぇ〜。」
「そうなのか?記憶も消されているみたいなんだが、それも呪いなのか?」
「あらまぁ、それは大変だねぇ〜。
記憶を消す呪いも在るには在るけど、あんまり使える人居ないからよく知らないな〜」
一瞬可哀想にって感じの顔をしたが、直ぐにニヤニヤとした表情で話しかけてくる。
「ところで、どこから来たの?」
「ん、あぁ、気付いたら変な洞窟に居てな。そこの転移魔法陣らしき物の上に乗ったら、この森に転移して来た。
しかし、その洞窟に行くための魔法陣は見当たらず、一方通行だったって訳だ。」
「へぇ〜。不思議だねぇ〜。」
この喋り方、聞いてるにつれてウザく思えてた。
「とりあえず、俺が何者だったのかを調べたいのだが、どこかいい場所知らないか?」
「知ってるよー。」
簡単に見つかった。本当に展開が早い。楽でいいのだが、限度があるだろう。
「んで、それは何処なんだ?」
「私が居候してる冒険者ギルドだよ〜。」
冒険者ギルドか。なるほど、それは良いアイデアだな。冒険者ギルドと言えば、色々な職業の奴や色々な種族の奴などが通りかかるのが異世界のお約束だ。
そこに居れば、自然と情報が手に入るだろう。
「連れて行ってくれるのか?」
「もっちろーん。」
そう言うと、いきなり俺をギュッと抱き抱えた。
「抱き抱えなくても良いんじゃないか?」
「だってニワトリ君可愛いんだもーん。」
ここになって、俺がただのニワトリではなく、マスコット感溢れるニワトリであったことを思い出した。動物にされる呪いとは、マスコットみたいになる物なのか?
「そういえば、ニワトリ君の名前聞いてなかったね。名前覚えてる?」
「俺の名前はウェーガンだ。お前は?」
「私はララだよ〜。」
こうして、冒険者ギルドに着くまでの少しの間、俺とララの二人旅が始まった。