霊器との出会い
文法など全く知識の無いまま書いた為いろいろおかしいかと思います。
初投稿なのでこれであっているかは分かりませんがチマチマ書いていきたいです。
霊器、それは出生時に所持してしまう事がある異形の存在。
驚異的な力を持ち、時には命を奪う事も可能とし宿主に寄生すると言われる生命体。
人々は霊器を恐れ、憎み、忌避した。自身の子が霊器を所持してしまったと知れば、ある者は必死に取り除く方法を模索し、ある者は教会へ清めに行った。しかし霊器を除去できた事例は一度もなかった。
八方を塞がれ希望を失った親たちは我が子を忌まわしいモノを見る目に変わり、暴力、食事を与えずに監禁、四肢を縛り海に落とす者もいた。しかし国家は一連の行為を暗黙の了解として無言を通した。
人々は皆、霊器は悪しき存在、その事を信じて疑わなかった。
とある少年も出生直後に霊器の所有が確認された。苦渋の色を見せながら医師は両親に報告をしたが、少年の両親は明るい表情のまま頷いた。その後、少年の両親が都会から離れた山奥に向かい我が子を捨てたのは、報告を受けた一か月後の事だった。
少年、赤い髪に赤い瞳を持つ彼、アルジは森の小川で大きな欠伸をした。
「あーあ、今日は釣れねぇな」
そう言いながら、手にしている自作の釣竿を地面に置いた。小川付近は木々が立ち並ぶも、木漏れ日によって色鮮やかな緑色に染まっている。そんな光景をぼんやりと見ながらアルジは虚空に向かって話した。
「なぁグレン、今日は夕飯抜きになりそうだぜ」
すると彼の呼びかけに対して、どこからか低く重みのある声がした。
「それは我としても困るのだが」
彼の体内から、彼にしか聞こえない霊器の声だった。
霊器の名は<グレン>。しかし声の主はどこにも見当たらない。
アルジはそれを聞いてしばし考える様に顎に手を当て、唸っていたかと思いきや突然立ち上がり言った。
「そうだ!熊でもぶっ飛ばして食うか!もしかしたら熊が俺の魚を食ってたかもしれないしな!」
良い提案だと自信に満ちた表情のアルジに対してグレンは呆れた声音で言う。
「アルジよ、我の召喚無くして獰猛な野生動物に歯が立つと思うのか?」
呆れられているのを感じたのかアルジは両腕を振り回しながら大声で抗議する。
「俺だってもう17になったんだからな!熊程度、一人で倒せなくて何が男だ!」
そうしてアルジは片手を前に突き出して言う。
「グレンは手伝うな、お前はいらない、俺一人で十分だ」
するとグレンは少し間を置いてから、いつもより低い声音で言った。
「アルジをここまで育ててきたのは誰なのか今一度再確認してもらいたいのだが、それに加えてアルジはまだまだ勉強不足な点が多々見受けられる、そこのあたりも」
続けて説教をしようとするグレンにアルジは慌てて制止する。
「わ、わかってるよ!わかってるから!グレンには感謝してる!勉強も頑張るから怒るなよ!」
アルジはグレンを宥めると共に、育ててくれたという言葉で、少し昔を思い出していた。
少年、名も付けられなかった彼は両親に捨てられた。理由は愛するはずだった息子がほんの一瞬で怪物へと変貌したからだ。霊器所有者は悪人、罪人と決められていた。特に何も害を及ぼさない者も、力を手に入れ悪行に尽くす者も、全て公になる後者の影響が大きかった。
少年は捨てられる直前、両親は彼に向かって吐き捨てた。
「あなたなんて産まなければ良かった、醜悪な怪物め」
母親は無表情のまま言った。
「お前のせいで俺たちにまで影響がでるんだぞ!ふざけるな!」
父親は顔を真っ赤にして叫んだ。二人の憤る姿を彼の中に宿る霊器は見ていた。
そうして彼は森の奥深く、たった一人置いて行かれた。産まれたばかりの赤子にその状況は酷だった。
大きな声をあげて泣きわめく赤子の前に、その霊器は、まだ鍵がかかっていない身体をゆっくりと具現させた。その姿は朱色に染まった鎧のようだった。鎧の左腕は欠け、右手には大きな両刃剣、胴の部分には紋章の様なものが描かれていた。下半身は無く、頭部からは赤い光が二つ覗き、まるで目の様に赤子を見下ろしていた。すると赤子は途端に泣き止み、じっと霊器を見つめていた。霊器は低く重い声音で言った。
「我は霊器<グレン>、主を守る者」
グレンと名乗った霊器は赤子に一切食事や水を与えなかった。ただ霊器自身が木の実を食し、水を飲んだ。それだけで赤子の腹は膨れ、喉の渇きに苦しむ事はなかった。
霊器は宿主と一心同体、感覚も全て共有される。故に赤子は生き続けることができた。
そんな霊器と少年は森の中で長い時間を過ごした。少年は霊器から言葉、食糧の捕り方、世間の情報などを教えてもらった。
霊器が少年を『主』と呼ぶことに対し、少年はそれを自身の名にすると言った。
少年、アルジも霊器<グレン>も互いを信頼していた。
そんな彼が12歳となったある日の事、霊器は告げた。霊器<グレン>という存在のせいでアルジは両親に捨てられ孤独となったのだと。グレンは彼が理解できるようになったら話すと決めていた。これでいくら彼から罵詈雑言を吐かれようとも、嫌われようとも、霊器の覚悟は決まっていた。しかしアルジは笑いながら言った。
「なぁグレン、お前身体はでっけぇ割に心は小さいよな!」
グレンは驚きで何も言葉を発せなかった。そしてアルジは続けた。
「そんな小さい事気にすんな!俺を育ててくれたのはお前だし、一緒に飯食って美味いって感覚になるのは、かんかくきょーゆー?ってのおかげだろ?なら楽しいってのも一緒じゃなきゃダメだろ?」
グレンは彼が何を言っているのかあまり理解できなかったが、悪とされる霊器を、自分を認めてもらえた気がした。その瞬間、霊器<グレン>と少年アルジの間に大きな絆が生まれ、鍵がかかった。
霊器の召喚には霊力を必要とする。宿主の霊力が少ない場合は霊器を縛る鍵がない為、自由に宿主から出入りできる。霊器を縛る鍵がかかるのは宿主の霊力が一定以上保有された場合に、霊器の乱用を防ぐため自動的にかかる。霊器を縛る鍵を解くには代償、宿主の血液が必要とされる。その事をグレンはアルジに説明した。するとアルジは不思議そうな顔をしてグレンに聞いた。
「なぁグレン、そのしょーかん?だの、だいしょー?だの言ってるけどさ、俺は戦わないといけねぇのか?」
グレンは頷いた、そして言う。
「アルジ、世の中には我らの様に平穏な心を持つものだけではない、人々は霊器または霊器使いを悪としての認識をしている」
アルジが真剣な眼差しで聞く中、グレンは少し間を置き、続けた。
「その悪として認識されるようになったのは霊器の力で悪行に手を染めた者どものせいだ、その輩は他の霊器使いを殺して霊力を奪う」
そこでアルジが疑問を訴えた。
「なんでれいりょく?ってのを奪うんだ?何か意味があるのか?」
それに対してもグレンは頷く。
「死んだ霊器使いは霊器と乖離し無となる、そして霊力だけが放出され近くの霊器へと取り込まれる」
アルジはまた質問する。
「それで取り込んだらどうなるんだ?強くなるのか?」
グレンは頭部に右手を添えて少し戸惑った様に言った。
「強くなる、とはまた少し違うのかもしれないが<術>が開示される」
アルジは表情をさらに曇らせた、グレンはそれに気が付き明るい声で言った。
「今はまだ難しいだろう、だが我の召喚方法だけは覚えておいてくれ」
そう言ってグレンはアルジに霊器の召喚方法を教えた。
「よっしゃー!熊倒したぞおらー!」
アルジは傷だらけの身体で、動かなくなった熊の上を跨り叫んだ。それを見ながら召喚されていないグレンが驚いた声で言う。
「まさか本当に一人で倒すとは思わなかった、成長したなアルジよ」
アルジは満面の笑みでふふんと鼻を鳴らして言う。
「だろー!ほんじゃ!腹減ったし飯だ!今日はごちそうだぜグレン!」
そう言いながら一人と、見えない一つは森の夕闇に消えていった。
都会の路地裏、人通りが少なく治安も悪い場所、そこに似合わない少女がいた。
彼女はビクリと身体を震わせて後ろを振り向く。その先には一人の女。そして、女の背後に大きなカマキリの様な霊器が姿を現した。
結局なにが進んだの?という具合で申し訳ないです・・・
自分の中にある設定とかを文にするのは難しいです・・・
書いてるときはとっても楽しかったのでまた思案しながら書きたいと思います。