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紅き刀剣のシルフェニア  作者: 壬生鷹雄
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第1話 燃え盛る荒野に1人の少年

紅蓮に舞う焔の荒野。

ただ燃やし尽くされた草原に1人の少年は、

幾多の死人を足元に立っていた。


灼熱を感じる体感の温度は彼の凍てつく眼は灯さなかった。

つまらない……嗚呼ああ、つまらない。


そして少年に降りかかる弓矢に、進撃してくる兵士たち……

彼らは少年に対し恐れを抱き、攻め寄ってくる。


嗚呼、つまらない。とても、つまらないものだ。


少年が持つ焔を纏う一振りの刀が少年の心に共鳴したのか、

あるいは感情を代わりに発したのか、刀身に緋色のほのおが帯びる。


弓矢による風を切る音。雄叫びに地を駆け抜ける足音。

しかし、少年は刀を振るうことで音が止んだ。


ただ軽く振っただけで鎮圧した。


「―――よくやった」


俺の前に現れた1人の男性が姿を現した。

それも俺が瞼を閉じ、開いた直後に目の前にいたのだ。


だが、それはもう慣れている……という目で俺は男に視線を向ける。


「終わったんだよな」


視線を荒野に浮かぶ暁を見つめながら口を開く。

男は「ああ」と小さく頷き、彼も俺と同じ方向に目を向けた。


「だから、もういいだろ。戦わなくて……」


手にした刀を腰に携えた鞘に納め、俺は途方に歩き出す。


「……ごふぅ!?」


先ほど俺の隣に立っていた男は喉から流れてくる血反吐を吹く。

どうやら彼はすでに気力だけで立っていたらしい。


後ろに刺さった矢によって彼の生命はすでに終えていたのだ。


俺は一度振り向いて、彼の死に様を冷たい視線で送った。

この男はなぜ戦うのか、なぜ俺の前に現れたのか。なぜ……俺に話しかけたのか。


その意味が分からない。


「…………」


後に少年は彼から目線を外し、前に進むことにした。



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