表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

一期一会


PiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPi…


 その辺のギャルのように光速でケータイのキーを打つ青年。

亜李原(あいはら) 異挫也(いざや)】19歳男性。

【精霊を操る者】の一人だ。

「ハッキング完了♪」

彼はニヤリと笑うとケータイをポケットへと滑り込ませた。

「これで報酬はえーっと()()()()…」

指で何か数えるとまあこんなものかという顔で不気味に笑った。




 去年11月11日…


 此処は東京都の一部【池袋】。

何か怪しい場所でもあるが眠らない町としても有名だ。

そんな場所に亜李原 異挫也は住んでいる。


“何でも引き受けます”


異挫也の家の前に置かれた看板に書いてある。

そして看板より気になるのはこの“家”。

家とはいえないマンションのように高い三階建ての建物。

2、3階の入り口側は全てガラス張りで一段と豪華な感じをかもし出している。

何やら扉は厳重で【鍵五つ】【ICカード三枚】【ID入力】【顔認証】となっている。

明らかに怪しい…



£異挫也宅【3階書斎】


 ガラス張り側にある書斎だ。

PCが置かれており植物が部屋を彩っている。

中々穏やかなインテリアだ。

「さて、入荷中の仕事は…」

PCを起動し一番左上端のタグを開いた。

するといつも道理百件を超える以来が大量に届いていていた。

異挫矢は興味がある依頼しか受けないのでどんどん依頼書を抜かしていった。

徐々に下に進めていくと不思議な依頼書を発見した。

零嘉(れいか)…?不思議な名前だな」

何気なく依頼書をクリックして内容を開いた。

―――――――――――――――――――――――――――――――

依頼者:零嘉(れいか)

受信日:11月11日11時11分11秒

▼依頼内容

チカラアゲル


ダカラアイシテ


ワタシヲアイシテ


http://REIKA/1111111111/SEIREI…

―――――――――――――――――――――――――――――――

ただ、そう書かれていた。

「力?んー、面白そうだけど…」

そういって依頼書の下にあるURLをクリックした。


 その直後だった。

画面が眩いほどに光り輝き異挫矢を包んだ。

「………!?」


暫くすると光は消えた。

そして再び“零嘉”からメールが届いた。

「一体何の悪戯(いたずら)だ?」

再び依頼書を開き文章を読んだ。

しかし、その文章は明らかに別人のものと思えた。

―――――――――――――――――――――――――――――――

依頼者:零嘉(れいか)

受信日:――――――――

▼依頼内容

おめでとうございます。

貴方は【精霊を操る者】に選ばれました。


精霊は貴方の手の中に居ます。

その精霊を好きな“物”に宿してみてください。


精霊を宿した後、説明書が届きます。

詳しくはその説明書をお読みください。


では健闘を祈ります。

―――――――――――――――――――――――――――――――

「手…?」

右の手のひらを見ると覚えの無い刺青(いれずみ)が描かれていた。

その刺青を少し眺めた後、異挫矢は不気味に笑いケータイを握った。

「馬鹿馬鹿しい…こんなもの子供騙しに過ぎないだろう」

そういってケータイをいじり始めた。



 11月12日 07時00分


pipipipi…


 目覚ましが鳴り響く。

異挫矢は眠い目をこすりベッドから降りた。

「ふあぁぁ…ねみっ…」

そう言っていつもの様にPCの前に座り、PCを起動し依頼書を開いた。

「…あれ、依頼書が1つしかない」

昨日の百何件という依頼書が一掃されていた。

そして吸い込まれるように唯一ある依頼書をクリックした。

―――――――――――――――――――――――――――――――

依頼者:身元不明

依頼日:――――――――

▼依頼内容

◆精霊の住処(すみか)

ハッキング用ケータイ


◆精霊性質

無条件核爆破(むじょうけんかくばくはつ)


◆精霊属性

属性無し


―――――――――――――――――――――――――――――――

何の事だか分からなかった。

「住処が俺のハッキング用ケータイ?」

いつも使っているハッキング用のケータイを手に取りまじまじと眺めた。

特に変化は無いようだが…

「無条件核爆発…」

ケータイを(つま)みながらPCの文章に疑問を抱く。

何もかもが謎で不気味に感じた。

【精霊】、一体何のことだろうか。

一体何のためにあるのか。

何故俺が選ばれたのか。

「ああ、異常にむしゃくしゃする…」

気分転換にと黒革のジャンパーを片手に外へと出かけた。



£池袋公園


 がこんっ


自動販売機から缶珈琲(かんこーひー)が出た。

異挫也はその缶珈琲を手に取ると近くのベンチに座った。

しかし缶珈琲は開けないままただ地面を見てボーっとしていた。

「……考えても仕方ないよねぇ」

とにかくいつも道理仕事をして居ようと考え缶珈琲を開けようとしたそのときだった。


 ドッカーン!!


 何か大きなものが地面に叩き付けるような音がした。

音の方を見ると大きなコンクリートの土管が地面にめり込んでいた。

「は?」

思わずそんな馬鹿なと思ってしまう光景だった。

そして更に土管の先には黄色の濃い茶髪の男が立っていた。

此方をグラサンの奥から鋭い目で見ながら…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ