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15・傷だらけの戦士 ウォリアー(4)

「フンッ、オマエのような汚物などにかける情けなどありはせん!どうせ、卑しいオマエのことだ、私たちがいないことをこれ幸いに、食い意地が張って、ここぞとばかりにBARのつまみや一品などを意地汚く食い漁ったのであろう!美味いものでも過剰に食い漁ったり、体に悪いものを食い過ぎれば、腹を下し、そのままトイレに駆け込むことになるのは道理、まさに天罰覿面、自業自得だ!その破廉恥な無様な姿を公衆の面前に晒して、死の苦痛以上に恥じるがいい!そのまま、その卑しい姿を公衆の面前に晒したまま、地獄の苦しみを味わいながら、あの世に逝くがいいい、そうそう、しっかりと詫びていけ!ごめんなさい、私が悪かったんですぅっ!とな!!!」


「キサマぁぁあーーー!!!!魔界広しといえど、貴様のような残酷でドSなオトコオンナなぞ、余は見たこともないわぁーーーー!!!!」


「フッ、それはよかったな!オマエたちが人間にしてきた諸悪の所業の数々に比べれば、オマエのトイレでの醜態をオープンにすることなど、たいしたことではない!!!今こそその破廉恥な醜態を晒して、全世界に詫びろ!そして死んで逝け!ごめんなさい、私が悪かったんですぅっ!と叫びながらなぁ!!!!」


「クォぉッーーーー!!!!この屈辱だけは、生涯忘れぬぞぉ!!!!必ずや三度生まれ変わって、貴様にも余の受けた屈辱を3倍返しにして味あわせてやるわぁーーーー!!」




「メスカル、もうその辺で許してやれ」

ダンディがつぶやいた。


「はい、先生」

メスカルが襟をただす。



「フォッ!デッチよ、ダンディたちがいなくなった後も、しっかりと頑張っておったようじゃのう」


「ハッ、ジジイ!貴様、いつからそこに!?」


「フォッ、ずっとおる。貴様が気づいていないだけじゃ、、、」


「フッ、しかしな、、ジジイ!昨晩は余の勝利であったな!あの傷だらけの戦士は、もう使い物にならぬぞ!よくも今まで散々我ら魔族を狩ってくれおったな、、、あんな強戦士を復活などさせたら、危うく魔王軍にとって大打撃となるところであったわ!だから、余が自ら成敗してやったわ!さすがにものあの化け物も、余の地獄のフルコースを食らったからにはたまらんだろうて。トドメに人間の生命エネルギーである生き血をたっぷりと吸い尽くしてやったわい!貴様らは、貴重な戦力をみすみす失ったようなものじゃ!愚かな人間どもよ!貴様らの思い通りになると思うなよ!!」





「フォッ、お主はいい仕事をしてくれたようじゃのう」


「なんだと!ジジィ!」


「まあ、そのうち分かるじゃろうて。」


「御老公」影が置き手紙を差し出す。




「なるほどのう、、、まっこと、よき仕事じゃ、、、しかとわが国の最高戦力を、癒してくれたようじゃのう」


「なんだと!ジジィ!それは昨晩の強戦士が、まだ生きておるということか!!!」


「さようじゃ、、ウォリアーはあのあと明け方まで飲んで、そのまま満足して帰っていきおったわい」


「な、なんだと、、あやつは、、、夜の地獄のフルコースを食らって、そのまま崩れ落ちて余の毒牙の餌食になったはずだぞ!!」


「なら、どうしてお主はトイレで苦悶の表情を浮かべておるのじゃ?」


「ぬぅ!確かに合点がいかぬ、、、、」


「フォッ、お主にはまだ難しかろうて。。。。」


「うぬぅ、、、、!!」


「いいかげん、腹の中の毒を出し切った頃であろう、デッチよ、そろそろパンツを履き直して、次に備えるのじゃ!」


「クゥッ、、、なぜ余がこのような苦しみに悶えるのか皆目見当がつかぬ、、、しかもなぜあの強戦士は、余に生き血を吸われてなお、生きているどころか、ここにくる前により元気になって、自力で目覚めて帰ることができたのか、、、弱り目に祟り目で、余の地獄のフルコースを食らって、トドメを刺されたのではなかったのか!? 


しかもヤツの生き血を啜り搾ってやったあと、なぜか余の腹がキリキリと痛みだし、得体の知れない吐き気とめまいと痛みと苦しみとが、阿鼻叫喚のような地獄の悶絶とともに、余の全身に広がっていったのじゃ、、、、まるでヤツが一生分の人生で溜め込んだ、恐るべしストレスや病気や怪我や苦しみなどの災いの種を、一身にこの身に吸収し、ヤツの身代わりにでもなってしまったかのような苦しみなのだ。。。


余は、貴様らがVIPどもを癒して回復させて、再び戦地に送り出すという、我ら魔族にとっては看過できぬ恐ろしい策略を未然に防ぎ、それどころか貴様らの思惑に反して、貴様らの最高戦力どもを、ボロボロになった状態でやってくる愚か者どもを待ち伏せ、狡猾な罠を仕掛けて二度と戦場に復帰できぬように、余の力でとどめを刺してやろうと思っておったのだ!!!、、、、しかし気が付けば、余はこのトイレで、えも言われぬ地獄の苦しみを味わっておるうちに、にっくき最高戦力どもはいつの間にやらおらぬて、、、なぜ余に生命エネルギーである生き血を、たんまりと吸い尽くされてなお、動けるのか不思議でたまらぬ、、、


しかも貴様たちの話では、ヤツは元気に回復して、あの男と、あのオトコオンナはともかくとして、余にすらも礼を言って帰っていったと言うではないか、、、全くもって解せぬ、、、、余の思惑とは裏腹に、、、まるで特殊最強チートスキル「極めつけの逆神」でも発動してしまったかのような理不尽すら感じてならぬ。。。。


フッ、、、、まあ良いわ!次を見ておけ!次こそは、貴様らのVI P、最高戦力どもを、ギッタギッタにぶっ潰してやるから、今度こそ覚悟しておくが良い!」





「オイ!オマエ!!そんな見苦しい格好を公衆の面前で晒しておいて、何をイキがっている!さっさとパンツを履いて、開店準備に取りかかれ!!!」


「キッ、、、貴様ァァッーーーーーーーー!!!!!!!よくも乙女の秘密の花園の扉を、断りもなくブチ破りおってーー!!!余の青春の1ページに傷をつけた貴様だけは絶対に許さぬ!!必ず貴様も、同じ目に合わせてやるゆえ、首を洗って待っておくがよい!!!」


「オマエ!まだ自分の置かれている立場がわかっていないようだな!このままこのトイレのドアを剥ぎ取ってやってもいいんだぞ!」


「貴様ァッー!!!この、この、、、ドSオトコオンナめがぁーー!!貴様には血も涙もないのかぁあ!!」


「オマエのような無様な魔族のために流す涙など、一滴も持ち合わせてはいない!」


「クッ、、、殺せ!、、、このまま生きて虜囚の辱めを受けるくらいなら、、、今すぐこの場で死んだ方がましだ!!!!」


「オイ、オマエ! 言っただろう、、、楽には殺さんとな、、、、フッ、、」


「ウ、、、うぬうっ、、、、余は、、、余はァ、、、、」


「もうその辺で許してやれ」

ダンディがつぶやいた。


「はい、先生」

メスカルが襟をただす。



「のう、影よ、滑り出し上々のようじゃな、、、BARダンディワールドは」


「はっ、まことそのようでございますな、御老公」


「ウォリアーは良き戦士じゃ。あれは優しいヤツじゃて、じゃが、自分を酷使するあまり、自分の生きる道を見失ってしまったのじゃ、、、しかし、この手紙を見ると、しかと吹っ切れたようじゃのう、、、。あれは引退させるには惜しい逸材じゃ。」


「はっ、御老公の眼力はさすがでございます。御老公が異世界から召喚されたダンディ殿、、全くもって底の知れぬ御仁でございます。それにあのメスカル殿も、、、、そしてデッチ殿、、、、、」




傷ついた戦士の置き手紙にはこう書かれていた。

「マスターの言葉に癒されたぜ、チーフの気遣いに励まされたぜ、そして見習いの言葉に吹っ切れたぜ、、、寝落ちしたかと思ったら、さらに気がつくと、全身のストレスや毒素が抜けて、めちゃめちゃスッキリしていたぜ!まるで長年体の中に溜まっていた悪い血や毒素が全部抜けてしまったようだぜ!おかげで心身ともに回復して、超やる気が出てきたぜ!おかげで俺の生き甲斐を見つけたような気がするぜ!これからは心置きなく、思う存分魔族どもをぶっ殺してやるぜ!センキュー! マスター、チーフ、そして見習いよ!」


こうして今や、このBARの奴隷と化したデッチのチートスキル「極め付けの逆神」が、自分でも知らぬうちにこのBARで猛威を振るうようになるなど、この時のデッチには到底知る由もなかった。

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