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8.神々の作成したダンジョンと

日間ランキング最高37位、週間ランキング98位になりました!

今これ書いてるタイミングでは51位まで落ちましたが37位なったもん。

スクショ撮ったもの。


ありがとうございます。とても嬉しいです!

 神々の作成したダンジョンと、キツネと天狗の冒険者ギルド、命名口入屋が稼働を開始して、二年。青白橡(あおしろつるばみ)達のような地元の小さな神社であっても、地元の商工会や婦人会、青年会、在野のアーティストなどと組んで、ダンジョンを運営していた。

 青白橡のダンジョンに出る敵はもっぱら鳥である。最初は三階層だったダンジョンは、現在は五階層に拡大していた。

 一階に出るのは大体雀。五羽寄り集まると大雀になって強くなる。雀を攻撃するのはちょっと……などと言っていると容赦なくついばまれる。そうして頭の上に乗られて勝利宣言をされるのだ。可愛いがちょっとイラっとする仕様となっている。発案者は雀たちである。

 それぞれのフロアの中心には広場があって、そこには一本の大きいナギの木があった。そのナギの木には賢者のフクロウが一羽住んでいて、冒険者、こちらは命名浪人の相談に乗ってくれる。相談に乗ってもらうには各フロアで鳥たちが落とす羽が必要だった。


「それは三階にいるアヒルの羽だな。三階のフクロウの所に持って行くといい」


 と言って、フロアが違うと受け取ってくれない。フクロウによって得意分野も違うため、浪人たちは相談に乗ってほしいフロアを周回する必要があった。

 最下層のボス部屋にいるのはカラス天狗である。


「踏み込みが甘い!」

「もっと腰を落とせ」

「武器の柄はしっかりと握れ……そうしないからこうやって取り落とすことになる!」


 一撃貰い、一撃を入れ。その都度カラス天狗は浪人たちに助言を吐いた。さしものカラス天狗でも、目の前の戦士たちに注意を払っていて後ろまでは見ていないだろうと呪文の詠唱を短縮した魔術師に対して。


「詠唱はしっかり全文! 違う効果が出るぞ!」


 と注意を飛ばす余裕すら見せた。

 青白橡のダンジョンは、盛況である。入り口の所ではキツネたちがちゃんと順番を守らせている。

 客のほとんどは近隣の浪人志望の子供たちだ。だから人の出入りは放課後から夕方まで。後は学校が休みの土日。とはいえ中学を卒業しないと口入屋で手形を発行してもらえないので、人間たちの言う子供は出入りが出来ない。

 青白橡や天狗、キツネにしてみれば、高校生でも十分に子供なのだけれど。

 さてカラス天狗を倒すというかカラス天狗に認められると宝箱が現れる。宮司の子供たちは洋風の宝箱を求めたが口入屋に浪人と来ているので、千両箱やつづらにした。つづらが大人気である。中身ではなく、外側が。

 舌切り雀のあれであるもので。

 青白橡のダンジョンにおいて、ここから出てくるものははずれが鳥の羽。どこでも好きなフロアで一度だけ相談に乗って貰える、フクロウの羽である。

 当たりが近所の組紐作家さんの作ったアクセサリーだ。青白橡の力がちょっとだけ込められていて、本当にちょっとだけ防御力が上がる。

 ちなみに一番ウケたのは、近所の定食屋さんの食券五枚つづり。年末年始に福袋を入れたこともある。近所の主婦の方が浪人デビューをした。意外なことに才能があって、現在キツネと天狗に猛烈アピールをされている。


 さて。

 そんなこんなで日本にも冒険者ギルドたる口入屋が出来て、冒険者に該当する浪人の育成も順調であった。戦う意思を持つものであれば、福袋が目当てでも、食券が目当てであっても天狗たちに育てられた。

 各地の神々への信心も増えた。これだけ目に見えた恩恵があるのだから、それも当然である。そうすると、弱い神である青白橡も、その姿を人々の前に現せるようになった。例大祭で得た信心で、ぎりぎり新しい着物(おべべ)(あつら)えていた頃が嘘のようである。

 と、あれば。

 有名どころの天津神や国津神なども、同じように。顕現することが出来るようになり、その手に武器を握れるようになり。


『おーう、邪魔するぜ』


 今日、青白橡の神社に、有名神が訪れた。

魔王と戦うのは何も、人間である必要はないのです。

その世界において神がそうであると定めた場合は人間が戦う必要がありますが、侵略してくるなら迎え撃つのみよ。


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