7.支度が整いましてございます。
日間ローファンタジーランキング43位にランクインできました!
ありがとうございます。
支度が整いましてございます。
六曜が一人、アーベルにそう声をかけられて、魔王は目を覚ました。今日もまた玉座で目を覚まし、目の前には六曜が揃って頭を垂れている。以前は彼らが並ぶ場は一段ほど低かったが、今は四段ほど低い。
玉座の間を生成する魔力も、どうやら溜まってきたようだ。
五つ目のアーベルが顔を上げ、立ち上がる。それに合わせるように、他のもの達も頭を上げた。こちらは、跪いたままである。
「これより、彼の地――オーケシュトレームと名付けました世界へ、最後のダンジョンを作ります」
「そうか、ついに最後か」
「はい。オーケシュトレームには四つの大陸と一つの大きな島、それから小さき島々があります。その四つの大陸と一つの島にこれまではダンジョンを作成してまりましたが、これから作りますのは、その、大陸のそばにある島になります」
「何故と問うても?」
「無論でございます」
魔王の問いに、アーベルは大きく頷いた。
「大陸に作ると、多くの者共がやってくるでしょう。現時点で、多くの者共がやってきております。そのおかげで、こうして我らは戻れたのですが」
それは諸刃の剣である。得られるものも多いが、あちらが得るものも多いのだ。
ゆえに、大陸に近しい島に魔王の居城でもあるダンジョンを作る。近しいから人は来る。島の原住民も来るだろう。しかし、しかしだ。
島なのだ。
大陸よりも、人材は豊富ではなかろう。
もっともそれは、ある意味正しかった。
その島にはこれまでダンジョンはなく、そのノウハウを島の住人は持っていなかった。
ただそれは。あくまでも。
住人、の、話であった。
魔王軍がついに動きます。
軍というほどの規模ではないように見えますが、まあここは首脳会議の場なので。
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