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4.魔王は目を開いた。

 魔王は目を開いた。

 あれから、どれだけの時が経ったのだろうか。

 手もあり、足もある。


「おはようございます」

「ああ、おはよう」


 どうやら自分は、玉座に腰かけていたようだ。視線を動かせば、皆がいる。四角いカイサ、隻角のシーラ。五つ目のアーベル、二股の尾を持つボルイェ。三本腕のデシレアに、八本足のクリステル。


「首尾は」

「整ってございます」


 魔王によって六曜と名を与えられた彼らは幼馴染とでも呼ぶべき気心の知れた仲間たちだ。これといって面倒なことなく会話が進んでいく。


「いくつかの世界にいくつかのダンジョンを展開しましたが、その中のとある世界の者たちはダンジョン攻略などに慣れていないようで。そちらに展開したほとんどのダンジョンが問題なく稼働しております」

「ほとんど?」

「いくつか潰されたものもありますが、おそらく立地が悪かったのだと思われます」

「そういうこともあるな」


 知らない土地に遠くから勘でダンジョンを作ると、教会の真正面だとか、傭兵団詰所の広場のど真ん中だとかに作ることがままある。そういう場合と、時間帯も関係していた。森の奥、深夜に作れば気が付かれることなく増えることが出来た。

 かつて冗談めかして大国の広場、正午に作った時は口を開いた瞬間乗り込まれたこともあったのだから、いくつか叩かれただけならば問題もないだろう。

 平和な場所であっても、戦う技能を持った者はいるようだった。


「現在は五つの大陸にそれぞれ五十箇所程度のダンジョンを構築しています。それなりに深化が進み、十階層を超えたダンジョンも増えてきつつあります」

「なるほど、それでここまで戻ってきているのか」


 視線をやれば、自分だけではなく六曜もそのほとんどが姿を取り戻しているようだった。全盛期には程遠く、姿を維持するので手一杯ではあるが。ダンジョンが増えて、深化も進めばどんどん力も戻るだろう。


「ダンジョン同士を近くするのも限度がありますから、そろそろ島々にも手を出そうかと思っております」

「アーベルに任せる」

「御意に」


 おそらくここはあの時逃げ込んだ時空のはざまだろう、と魔王は考える。ここに拠点を作るのは悪くない。完全体に戻るまではここで養生をし、あちらを手中に収めることが可能となってから渡ればいいのだ。


「どれぐらい眠っていた」

「ここは時間の感覚が分かりにくいですが、三十年ほどかと」

「そうか」


 長いような気もするし、短いような気もする。死ぬ寸前だったのだから、たったそれだけでここまで体を構築できたのであれば、妥当なのかもしれない。

魔王の陣営、それなりに力が戻ってきているの巻。

自分たちの体だけではなく、分かりやすく生活空間にも手を入れています。

それはそう。


評価ブクマいいね感想お待ちしております。

昔々感想クレクレと毎回書いてたら毎回書かれると書きづらいと言われたことがあります。


書いても書かなくても貰えないなら書くのだわ。

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