閑話 バレンタイン①
ある日の朝。僕は、スマホから鳴る着信音で目が覚めた。電話の相手を見ると拓哉からだった。今の時間は‥‥朝の6時‥‥こんな時間から電話を掛けてくるとかやめてくれよ‥‥そう思いつつ少し、寝ぼけながら電話を取った。
「ん~‥‥?なんだよ拓哉‥‥こんな朝早くから電話掛けてくるなよ‥‥」
『今日こそ早く起きなきゃダメだろ!今日の日付を見ろよ。2/14だ。バレンタインデーだろ!』
「僕はあんまり興味無いの知ってるだろ‥‥?」
『あぁ。知ってるぞ?だけどな、今年からはきっとバレンタインデーが好きになるはずだ!』
拓哉の大きな声で僕の頭が少し冴えてきた。
「なんで?僕がバレンタインデーがあまり好きじゃない理由を知ってるだろ?」
『あぁ。確か‥‥紫音さんが毎年バレンタインデーになると夕食後のデザートよ!とか言ってチョコ尽くしパーティーが行われるからだろ?』
「そうなんだよ‥‥チョコ自体は好きだし母さんの作るチョコレートのデザートは美味しいと思うよ?だけど‥‥量が多すぎるんだよ‥‥」
『なら、それを伝えればいい話だろ?』
「出来れば苦労しないよ。だけど、凄くニコニコしながら僕と父さんがチョコデザートを食べてるのを見てるんだ‥‥だから、言えないんだよ」
『それは‥‥言いにくいな』
「だから、バレンタインデーはあまり好きじゃない」
『あー‥‥その話去年も聞いた気がするわ。すまん』
「いや、それは問題ないよ。で?今年からはバレンタインデーが好きになるってどういう事だ?」
『良く聞いてくれた!それはな‥‥USOでバレンタインデー限定のクエストが発生するからだ!』
「そうなんだ。で?内容は?」
『分からん。けど、バレンタインデー限定の特殊クエストが発生すると公式サイトでの発表が数日前にあった』
「ふーん‥‥ちょっと興味出てきたけど‥‥とりあえず寝かせて。次起きて、朝ごはん食べたらまた連絡すると思うよ。じゃあね」
『ちょっ、おい‥‥しん』
僕は、拓哉との通話を終了させた。
「よし。寝よう。朝早くから起こされて僕は辛いんだよ。日曜日なのにこの時間は辛い」
では。おやすみなさい。
拓哉「真也~?おい真也!ダメだ。切られた‥‥流石に朝の6時からの電話は早すぎたか‥‥?ま、いいや。後で連絡してくるって言ってたし。大丈夫だろ」
作者からのコメント
バレンタインデーは家族以外からはほぼ貰えた事が無いので興味はあんまり無いです。悲しい話だなぁ‥‥(遠い目)