閑話 初詣(現実世界)
ゲーム世界での初詣が終わった後、皆がログアウトしていったのでアーシェと少し話をしてから僕もログアウトした。
「ふぅ‥‥大変な目に会ったけど、ゲーム世界での初詣ってのも面白いね‥‥アーシェとも話せるしね~」
さて、と‥‥今度は現実世界での初詣だね。大体は家族皆で初詣してるんだけど、残念ながら今年は母さんも父さんも仕事場で年越しを迎えることになってしまった。相変わらず、両親の仕事は謎だ。仕事に関してだけは秘密にされている。何故だ。そんな事を考えていると部屋の扉が叩かれた。
「兄さん。起きてますか?」
花音だ。まあ、今現在の家には花音と僕しかいない。だから、この家で花音以外から部屋の扉を叩かれたら怖い。
「あ、うん。起きてるよ」
「良かったです。では、毎年恒例の初詣に行きましょうか」
「そうだね。父さんも母さんも居ないのは少し寂しい気もするけど、毎年の新年明けてすぐに行ってるしね。行こうか」
とは、言ってるけどゲームにはいつでも外出する事が出来る格好でログインしてたんだけどね。
「そうですね。では、下で待ってますので早く降りてきて下さいね」
「ん。大丈夫だよ。いつでも外に出れるようにしてたしね」
そう言いながら、僕はベットから降りて扉に向かう。
「そうなのですか?いつもはもっと時間が経ってから動き出すのに‥‥珍しい事もあるのですね‥‥」
「花音‥‥酷くない?そんな事は‥‥あるかも知れないけど‥‥偶には既に準備が出来てる時もあるよ」
「そうですね‥‥すみません。今度からは出れるようになったのなら私を呼びに来てくれても良いのですよ?」
「あはは‥‥努力するよ‥‥じゃあ、行こっか」
そう言って、僕は扉の近くに掛けてあるダウンを羽織ってから部屋を出る。
「そうですね。行きましょうか」
「あ、花音。今年は着物じゃないんだね」
花音は私服で僕の部屋の外にいた。しっかりと暖かい格好をして。
「はい。流石に私一人だけでは着物を着るのは無理ですからね。いつも、お母さんが着付けてくれますので」
何故、母さんが着物を着付ける事ができるかは気にしない方が良いのかな?母さんに関する謎は増えて行く‥‥
「そっか‥‥着物姿の花音は可愛いから好きなんだけど‥‥仕方ないね‥‥それじゃあ、行こっか」
「はい。では、行きましょう」
普通に見えるが花音の顔が少し赤い気がするけど‥‥気のせいだったかな?
♢♢♢♢♢♢♢♢
所変わって、家から歩いて10分程の場所にある宵闇神社に僕達兄妹は居た。
「ん~‥‥今年も凄く混んでるねぇ‥‥」
「そうですね‥‥いつも思いますがかなり混んでますね」
「出店も出てる。後で見ようかな?」
「兄さん。止めておきましょう?見たら、止まらなくなるでしょう?」
「う‥‥そうだね‥‥我慢するよ」
「はい。それが良いです。では、お参りの列に並びましょうか」
う‥‥これに並ぶのか‥‥いつも思うけど凄いよね‥‥
「うん。そうしようか。並ぶのは‥‥30分位で済むかな?」
そうは言いつつもそうなるとは全く思っていない。何故なら、人が居すぎて前が見えないくらい人が居るからだ。
「無理でしょうね‥‥短くて1時間程でしょう」
「やっぱり?」
「はい。そうなるでしょうね」
「仕方ない。頑張って並ぼうか」
そして、お参りの列に二時間程並んでやっとお参りする事が出来た。
「ふぅ‥‥並ぶの疲れたね~」
「はい‥‥去年に比べて更に人が増えた気がします‥‥」
「花音はなんて願ったんだ?」
「秘密です」
「兄さんは?」
「僕は今年ものんびりと楽しく生活をする事が出来ますようにって願ったよ」
「確かにいつも通りですね」
「うん。あ、そうだ。花音」
「何ですか?兄さん」
「忘れてたから言っておくね?明けましておめでとう。花音。今年もよろしくね?」
「あ、確かに忘れてましたね‥‥では。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね?兄さん」
毎年の恒例が終了したので僕達は家に帰っていった。
真也「今年は本当にいつもより人が多かったね‥‥凄く疲れたよ‥‥二時間も待つ事になるとは‥‥去年に比べて30分は長かったよ?絶対に」
作者からのコメント
神社に行く途中の話はいらないと感じたので書きませんでした。向かってる途中は二人とも殆ど話をしてなかったと思ってください。あ、神社の名前は適当です。神社の名前に関しては今後出るかは分かりません。
頑張って書いたので評価してくれると嬉しいです。誤字や誤用はなるべく少なくしてるつもりですがあると思いますので教えてくれると助かります。