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宛先のない手紙

作者: 市川丸子

「ありがとう。今までもこれからも君の事は好きだから…」


 あなたの最後の言葉は何十年たっても私の心の中で生きています。初夏の星が綺麗な夜には淡い苦さと共にあなたを思い出します。あの時の私はあなたに頼ること甘えることが出来るような可愛い女の子では無かったですね。自分の意思を貫こうとする強がりばかりで弱みを見せるのがとても苦手でした。あなたに頼っていたら少しは違う未来もあったのかな?でも、あなたも知ってて手助けしてくれなかったのなら()()()()ですよ?まぁあの状況ではあなたの性格で動く事は出来なかったのかな?そんなあなただから好きだったんですけどね。


 最後に連絡くれた時凄く勇気だしてくれたんだよね。このまま自然解消になっても良いかと思った私にケジメをつけさせてくれてありがとう。あなたの涙なんて見たくなかった…可愛い恋人になれなかったこと本当にごめんなさい。なんで私ばかり…と殻に籠ってしまったこと大人になった今少しだけ後悔してます。ごめん、本当に少しだけだけど。


 あなたへの想いをつらつらと書いてみたけど貴方にずっと捕らわれたままでは無いですよ?女性は切り換えが早いのです。その後何度か恋もして、しっかりと共に歩んでくれる素敵な旦那様が今は横に居ます。なんだかんだ波長の合う人です。

 別れてから連絡も取っていないので今あなたがどこに居てどんな仕事をしてるのか分からないけれど、悲しいことより楽しいことの多い人生を送っている事を祈ってます。お互いに歳を取りましたので、街中ですれ違っても気付かないでしょうね。

 昨晩懐かしい夢を見たので筆を取ってみました。この手紙が届くことはないので好き勝手書きましたが、元気で過ごされていることを願ってます。さようなら。

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