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7番目の魔女  作者: 小谷草
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エピローグ

 空港の出発ロビーで、ノルンは中央行の飛行機を待っていた。傍らにはアイラとモニカがおり、スクワーレと間々田は荷物を預けに行っている。

「この町ともお別れかぁ。いい町だったんだけどな」

 あくびをかみ殺すアイラに、ノルンは冷たい目を向ける。

「アイラ、ちょっとだらしない」

 アイラはノルンをひと睨みすると、口喧嘩を始める。

「いいだろう。誰が見ているわけでもなしに」

 そのまま言い合いを始めそうな2人に、モニカはあきれたように言い聞かせる。

「はいはい。もう、あなたたちはいつもそうなんだから。アイラはあとでバイクで戻るのよね? 私はもう少しこっちで間々田さんを手伝ってくるわ。ノルンはスクワーレと一緒にもどるんでしょ?」

 頷くノルン。何気ない会話をしていると、そこに2人の女性が走り寄ってきた。ミリアとツグミだ。

「みんな! ちょっとまって」

 息を切らせながら走り寄ってくる2人。ツグミの肩にはモググが偉そうに座っていた。ノルンたちは2人に向き直る。

「もう、帰るなら言ってくれてもよかったのに。尾藤教授に聞いて慌てて追いかけてきたんだから」

 ミリアが口をとがらせると、アイラは鼻で笑う。ツグミの肩に乗ったモググもうんうんと頷いている。

「あたしらに湿っぽいのは似合わないさ」

 あっさりと答えるアイラを、ミリアは睨む。

「これから尾藤教授のところで修業を積むの?」

 ノルンが尋ねると、2人は顔を見合わせて笑う。

「私たちは魔法使いとしてはまだ未熟ですから。魔力が暴走しないように教授のところでしっかり訓練しながら、これからのことを考えるつもりです。予定はまだ未定ですけれどね」

「まあモググ様がサポートするから心配ないモグよ」

「もしかしたらいつかマタイに入ることになるかも。その時はよろしくね、センパイ!」

 ミリアがそう言うと、ノルンは嫌そうな顔をする。

「もしそうなったら、お前たちが一番下っ端だからな。毎朝朝食をよういするんだぞ」

 ノルンの言葉に、その場にいた全員が笑いだす。

「じゃああたしはパストラミサンドな。あれ腹持ちがいいんだよ」

「ワタクシはドルトンカフェのエスプレッソを毎朝飲みたいですわ。よろしくね」

 アイラとモニカがそう話すと、誰からともなく吹き出した。その場は温かい笑いで包まれた。

 そしてそのとき、荷物を預けたスクワーレと間々田が近づいてきた。

「3人とも、見送りに来てくれたのか」

「まあ今回はアンタたちにお世話になったからね」

 ミリアは照れたようにホホを掻く。

「すまんな。こちらこそ、今回は世話になった。ノルン、そろそろ時間だ」

 ノルンは「じゃあまた」とそっけなく言うと、スクワーレとともに搭乗口へ向かう。ミリアとツグミは2人に手を振って見送った。

 2人は搭乗口の近くに着くと、ベンチに座って搭乗を待った。

「ねえ、今でもちょっと思うんだ。ツグミがもっとうまくやれてればもっと被害が少なかったんじゃないかって」

 ノルンが言うと、スクワーレが答える。

「未来を知っていたとしても、できることは限られているさ。ツグミさんはできることをしっかりやったと思うぞ」

 ノルンはまだ納得していない表情だ。スクワーレはそんなノルンの頭をなでる。

「なあ、ツグミさんは、例えるなら大型の飛行機がタイムスリップしてきたようなものだ。数百人を運べるスペックがあっても、空港や整備士がそろっていなければ人を運ぶことはできないだろう? 今回も同じさ。ツグミさんが未来を知っていても、それを信じてフォローできる人はいなかった。まあそんな人はまずいないし、寄り添ってくれる人はいたようだがね。そんな状態では、多くの人を救うことはできなかったはずさ」

 スクワーレはノルンに言い聞かせる。

「俺も同じさ。今回の一件だけをとっても、間々田さんがいて、ノルンがいて、モニカとアイラがいた。そしてミリアさんたちや市長、そして一般の警官たちが信じてくれたからこそ、町を守れたんだと思う。一人でできることなど、たかが知れてるのさ」

 ノルンはうつむく。そしてさみしそうな目で、搭乗口を振り返った。

「あの2人にまた会えるかな」

「ああ、きっと会えるさ」

 中央につけばきっと新しい任務が魔法対策7課を待っている。でも信頼できる仲間がいる魔法対策7課ならきっとどんな困難にも打ち勝てるはずだと、ノルンは思うのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  完結お疲れさまでした。  40話まで読んでいて、とても面白かったと感じました。  次回作も楽しみにしています。
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