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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ギャルゲーの負け友人キャラです。主人公をバッドエンドに導きます

作者: ヒロモト

俺はシュウ。


この世界……恋愛シミュレーションゲーム『この舞い散る桜を君に』


通称『このさく』の主人公『コウスケ』の友人キャラクターだ。


自分が『絶対に誰とも結ばれない学園ゲームのキャラクター』と気がついた時はショックだった。

そして怒りが湧いてきた。


『なんで俺はコウスケが美少女と結ばれる手助けを何回もしなくてはいけないのだ?』と。


何度もこの世界はループし、コウスケは個性豊かな美少女達と結ばれている。

しかもこのゲームは年齢制限付きのゲームなので

『ちゃんと結ばれる』のが腹が立つ。



俺はずーーーーっと童貞なのに!


シナリオもほぼ頭に入っているので

『……あっ。今頃あいつエッチなことしてるな』と寂しく夜を過ごすことも多々……。


だが『このさく』プレイ13周目。


俺は動いた。


12人のヒロインを攻略したコウスケ『プレイヤー』は攻略するのが超難関の幼なじみのユッコを狙っている事が分かった。

俺は妨害を重ねた。


ユッコはコウスケを異性ではなく家族……兄弟として見ている。

恋愛感情を抱かせるのは至難の技。

選択肢の正解もランダム。

しかも選択肢を間違えると『ハズレイベント』が起きる。

これが起きるとバッドエンド確定だ。


水着イベントではビキニを来た俺が出てくるし、学園祭イベントでは三日間ビッチリ俺と過ごすことになる。

俺が『思わせ振りなセリフ』を、言うとコウスケは戸惑い『選択肢が五つに』増えた。

ランダム五択を当て続けるのはほぼ不可能!

ざまあぁぁぁぁぁ!


それでもコウスケは諦めず28周目の攻略を始めた。

諦めないやつだ。何回やるんだ?


……今回はかなり焦った。


ランダムの5択の選択肢を神がかり的な運で正解を選び、エンディング寸前までたどり着いた。

やべえ!そうはさせるか!


『コウちゃんにとって……私って何?』


ユッコは俺を見つめている。


目は潤み、頬は紅く……何だか凄く色っぽい。

おいおい。落ち着けコウスケ。ユッコはただの幼なじみだろ?


『……今日。コウちゃんのご両親帰ってこないんだよね……泊まってこうかな?』


『お……おう』


落ち着け!ユッコが俺の家に泊まるなんて珍しい事じゃないだろ!

えーと、えーと。



①『ユッコ。今日は一緒に寝ないか?』


②『じゃあいつもの客間に布団を持ってくよ』



『バッバッバーン!俺様参上!』


『シュウ君!?』

『シュウ!?』


……何だよシュウかよ。親友とはいえ、こいつに合鍵なんて渡すんじゃなかったぜ。

でも来てくれてホッとしている俺もいる。

何だよ突然……うげ?酒くせえ!こいつ飲んでやがるな!

まーた失恋したのか?どうしようかな?このままにしておく訳にはいかねーし。


③『シュウを帰らせてユッコを泊める』


④『二人とも泊める』


⑤『ユッコを帰らせてシュウを泊める』


→④


『しょーがねーな。二人とも泊まってけよ。ユッコは客間。シュウは俺の部屋で寝ろ。俺たちってほんと『兄弟(兄妹)』みたいだよな』


『……うん。兄妹……みたいなものだよね』


ユッコは何故か悲しそうな顔をした。



あぶねー。

今の二択は完全に①でグッドエンド突入だったよな……。

俺の突入で選択肢が増えて混乱したのか④を選んでくれてよかった。

どれどれ。コウスケの後悔でも聞かせてもらいますかねー?


正直ムラムラしている。


俺は……ユッコを抱くつもりだったんだな。

収まりがつかないな。


『ンガー!』


シュウはイビキをかいて寝ている。


こいつ俺の気も知らないで……そもそもお前が来なければ……。


『……んあっ』


『え?』


シュウが寝返りをうち、掛け布団が捲れた瞬間に俺は心臓が飛び出そうになった。


パンツ一丁かよ!


尻を掻いてるし……あれ?

先程より興奮していた。

何でだ?こんな汚いもの見せられたのに……。


『……』


シュウはどんな時でも一緒にいてくれた。

この三年間辛いこともあったけどこいつがいてくれたから楽しかった。


『……』


愛しい。


『そうか』


俺が好きなのはシュウなんだ。


……やっと気がつけた。


俺はシュウを抱き締めた。


頼む拒まないでくれ。



うおおお!

なんじゃこりゃああ!

体が動かねぇ!ヤバいヤバい!ヤバいー!


『シュウ攻略ルート』


に入りやがった!


こんなバッドエンドもあるのかよ!?


知らなかった……駄目だぁ。


所詮俺はゲームのキャラクター。


ルートに入ったら主人公を好きになるしかないし拒めない。


あーあーあー。はいはい俺も好きだよコウスケ。




卒業式が終わった。


今日の俺はこの学園の生徒だが、明日は違う。


それが寂しく……はなかった。


だって俺の隣には……


『コウスケ。好きだよ』


『俺も好きだ』


俺たちは手を繋いで校門を出た。


早咲きの桜の花びらが舞い散っている。


風が強く吹いた。


桜吹雪が俺たちを包む。


俺は


シュウに


キスをした。






~『この舞い散る桜を君に』~



スタッフ


コウスケ役……アダムジャクソン


シュウ役……リオンエルノス


ユッコ役……ダイナモ堺


OP『桜』……hiromoto


Ed『舞』……hiromoto


スペシャルサンクス



~プレイしてくれた皆様~
















終わり。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 拒めないと言っても好きになってる相手と結ばれてるんだからこれでいいのか・・? 考えさせられる作品だ。面白い。
[一言] 【悲報】ユッコ、好意を寄せる幼馴染みがハッテンする場の声と音を聞かされる これで『男同士くっつくなんてキモい!もう金輪際こっちに寄ってくんな!』と罵るのか、または逆に適応して自ら腐界に赴く…
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