第一話俺からしたら異世界転生!!!
こんばんは。新作です。
「ハァ、ハァ、ハァ」
俺の名前はハルト。一応、この世界の勇者をやらせてもらってる。いま絶賛魔王討伐の最中だ。
「マホ! 回復呪文頼む!!」
「はっ、はい!!」
「じゃあ私は遠距離で攻撃するわ!!」
この2人は俺の仲間、マホとイズミ。マホはハイプリーストで、俺たちの回復担当。
イズミはハイウィザードでいつも後方から魔法で援護してくれる。
「おぉらぁ!!!」
隣で魔王と一緒に戦っているのはアーマーナイトのドン。3人ともこれまで一緒に戦ってきた大切な仲間だ。
「やるな、、、お前ら、、、だがこれでどうだ!!」
魔王の頭上に大きな黒い球体が浮かびあがりどんどん大きくなっていく。
「これは防ぐことはできまい」
「くっ!!」
「やべーぞ! どうするハルト!!」
「こんなん止めなきゃ世界がやべーだろ!」
こんな大きな攻撃を止めることはできない、、、でもそうさいすることなら、、!!
「みんな!! 俺がこの攻撃を一人で相殺するから今すぐにげろ!!」
みんながどう思うかはわからない。でも俺たちがここで止めないと魔王は止まらず世界は終わる。俺は死ぬ覚悟はできてる!!俺だけでもここで食い止める!!
「けっ!! 水くせぇじゃねえか!!」
ドンが逃げずに俺の近くに寄ってくる。
「なっ、、!! 早く逃げろ!!」
「私たち、これまでずっと一緒に戦ってきたでしょ?」
「ハルトさんだけを残して行けません!!」
ドンだけじゃなく、マホとイズミも俺の元に駆け寄ってくる。
「み、みんな、、、 よしっ!! 一緒に世界を救おう!!」
「おう!!」
「あたりまえよ!!」
「はい!!」
この日、世界の危機は救われた。勇者一行が魔王を討伐したのだ。だが世界は平和と引き換えに、四人の生命を失った、、、
「こ、、、こは?」
ハルトが目を開けるとそこには見慣れない景色が広がっていた。
「きゃー!! 今私の方見たわよ私の方!!これは私のことママって呼んでくれるのももう少しね!!」
ハルトはベッドの上に寝転びながら辺りを見回す。
なんだ、、、? ここは、、、この女の人は誰だ? それに、、、妙に騒がしい、、、
「はっはっは。母さん、それはまだ早いよ」
「やだあなたっ! 子供の成長は早いよぉ?」
この2人は誰かの親なのか、、、? とりあえずここがどこなのか聞いてみよう、、、
「だぁ!! んまっ!! んまっ!!」
!? なにっ!? 声が出せないだと!?
「きゃー!! ほらもうしゃべったじゃない!! 今、ママってよんだ!? ママって言ったの!?」
くそ!! これじゃここがどこで俺たちが死んだ後世界がどうなったかも聞く事ができない!!
「すごいなぁ、晴人。もうしゃべれるのか?」
もうしゃべれるのかだと、、? こいつ俺のことを舐めてるのか? 俺はもう20歳を超えているんだ!!
「そうだ!! 記念撮影しなきゃ!!」
そう言って母親の方はスマホを取り出し、自分とハルトと父親が映るように内カメラにして写真を撮ろうとする。
なんだ、、、? あの機会は、、、 !?
「だぁ!! だぁ!!」
ハルトは見てしまった。スマホの内カメラに写る自分の姿を。
なっ!! これが俺だと!?
スマホの内カメラに写るハルトの姿は、まだ歯も生え揃っていない、かわいらしい赤ちゃんの姿だった。
ハルトはあの後、眠りにつき、おかしな空間に来ていた。
ここはどこだ、、、? さっきとは違う場所なのか、、、? やけに周りに人が多いな、、、
「勇者ハルト様、2号室にお入りください」
俺の名前が呼ばれた、、、? 2号室、、、この部屋に入ればいいのか、、、?
ガチャ
ハルトはドアを開けて中に入る。中に入るとそこにははげていて、白い服を着ているおじいさんが座っていた。
「おお、よう来たの。まあ座りなさい、、」
何だこれは、、、?何かの罠か、、、?
「ここはどこだ、、、?」
ハルトは思い切ってはげのおじいちゃんなら尋ねる。
「ここはな、死後の世界じゃよ。お主は一度死んだんじゃ」
「俺が、死んだ、、、?」
おじいちゃんはゆっくりと頷いて話し出す。
「そうじゃ、、、お主は魔王との相打ちで死んだのじゃ」
「魔王との相打ち、、、ということは世界は救われたのか?」
ハルトが食い気味に質問する。
「ああ。救われたぞ。そこでだ、世界を救ったお主らをな、次は比較的安全で暮らしやすい世界に転生させてやろうと思うのじゃ」
「転生、、、? 他の世界にか? じゃあ俺がさっきまで赤ん坊の姿で居たのが異世界ってことか?」
「そうじゃよ。本当はあそこの世界に行く前に話がしたかったんじゃがの、色々手続きがあってな、、、」
「そうか、、、俺はその赤ん坊の世界で暮らすんだな?」
「そうじゃ。正しくいうと、赤ん坊のの国ではなく、地球、という世界の日本という国じゃ」
「日本、、、そうか」
「世界を一つ救ったんだ。お主には特別に何か一つを転生する前に与えてやっても良いぞ」
「そうですか、、、なら一つだけお願いがあります。もし何かを達成する事ができたら、元の世界に戻してくれませんか?」
「おお、そんな願いでいいのか?ならええぞい。目標はこちらで決めさせてもらうぞ」
「わかりました。あと一つ聞きたいことがあるんですが、、、俺の仲間はどうなりましたか、、、?」
「おーそうか。言うのを忘れておったわい。お主の仲間もその他何人かもその国に転生する予定じゃ」
「そうですか、、、ありがとうございます!!」
「では目標はまた後から伝えさせてもらおうかの。魔法は使えないようになっておるが身体能力は前の世界とほぼ同じにしといたからな。有利に人生を進めることができると思うぞ」
「わかりました。ありがとうございます」
「ではドアを出て受付まで行って名前を言ってくれ。そうすればまた日本に戻れる」
「はい。では、これで」
ガチャ
そう言ってハルトは部屋から出て行った。
日本か、、、平和な国らしいな、、、もう一度あの3人と話せたらいいな、、、
「あの、、、すいません、、、さっき勇者ハルトって言われてた方ですか、、、?」
誰だ、、、こいつは?
「はい。そうですが、、、俺になにか?」
「いや、、、異世界の勇者ってすごいなって、、、」
「異世界、、、? もしかしてあなたは日本からの、、、?」
「はい、そうです」
俺からしたらそっちが異世界なんだけどな、、、
「そうですか、、、では俺はもう行くので、、、」
「あ、わかりました!」
そう言ってハルトは受付へと向かった。
「日本行きですね。ではこのアイマスクをつけて目を閉じてください」
「わかりました、、、」
ハルトは地と書かれたアイマスクを目につける。
「では楽しい異世界ライフを!!」
そうだ。俺からしたら異世界転生だ。二度目の人生楽しもう、、、
そう思いながらハルトは目を閉じた。
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