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第5.5話

 初めての新入生向けガイダンスを終え、新入生が帰っていったとき、時刻は夜の九時を過ぎていた。

 岸根が名簿を見て騒ぎ出す。

「なあ、なあ、今日来たの全員工学部やん。文系入れようぜ、文系。」

「いや、文系とか、うち来んやろ。」

 つっこんだのは、設計の前崎だ。

「あれじゃね。やっぱチーム名がダサいんじゃね? もっとこう、ウィンドなんとかとか、スカイなんとかとか横文字のチーム名付けようぜ。他の大学みたいにさ。なあ、テラ。」

「まあ、そのうちな。」

「いや、それ絶対せんやつやろ。代表権限で決めちゃえよ。」

 マスターを棚の上に片付け終わった、春馬もやってきた。

「そういや、今日の食事んとき、全然会話が弾まなくてさ。新入生となにしゃべったらいいん?」

「そりゃー、うちの魅力とか、いいところとか、入りたくなりそうなことやろ。」

 岸根が答える。

「それが、さっと思いつけば苦労しないんだよなあ。作業の説明も用語の説明とか、結構難しくてさ。」

「説明はともかく、最初の新歓で作業場に七人来れば上出来じゃね?」

 フェアリングを片付けた守富も、会話に入ってきた。

「せめて、各班二人ずつの四人は入ってほしいよなあ。このまま五人じゃ、主翼はロールアウト絶対間に合わないし、主翼には即戦力が必要だって。」

「最悪、五人でもワンチャンいけるっしょ。」

「いや、変なフラグ立てんなよ、岸根。もっと、十人、二十人入れるくらいの気持ちでいこうぜ。」

「今の別にフラグじゃなくね。フラグの意味知ってんのかよ。」

「はいはい。ケンカしなくていいから、0番のリブ立てしような。前崎と岸根はウマ、置いて。」

 岸根と守富が白熱しはじめたところに入っていったのは、寺村だった。

「じゃあ、0番、あげまーす。せーのっ。」

 春馬と守富がスパーを持って、ゆっくりとラックから降ろし、ウマと呼んでいる別のラックの上においた。

 今日も夜中まで作業は続く――

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