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第4話

 食堂に到着したときには、新入生が二人減っていた。ガイダンスの時点で興味を失ったようだ。 

 夜の食堂とはいえ、注文する場所には行列が出来ていた。おぼんを取って、定食や丼ものを注文して、おばちゃんが渡してくるお皿やお椀を受け取り、レジのところで待っているガイダンスの参加者で合流する。先輩たちは慣れたもので、さくさく進むが、新入生はメニューにも悩むもので、なんとなく誰が新入生で誰が先輩かは見て分かる。

 先輩が新入生の食事代はおごるので、会計を通って、あとは水や箸を取って、みんなと座る席を探す。大学サークルの新歓シーズンには、よくある光景なのだが、風間は先輩におごってもらえることなど露知らず、動揺してしまって、お礼も満足に言えないなんて調子だ。

 風間たちは、空いてる席を探すだけでも一苦労だった。サークルガイダンスのあとに食堂に行くのは、ほとんどのサークルの定番コースのようで、あちこちでサークル勧誘の話が聞こえる。結局、航空研究会は二グループに分かれて席に着いた。

 こちらのグループは、風間をあわせて新入生が三人、先輩が二人だ。一人が風間に向かって言った。

「ああ、君はガイダンス前に少し話をしたね。新入生のみなさん、はじめまして、翼班の班長の春馬です。」

「じゃあ、俺も。はじめまして、フェアリング班、班長の守富です。」

 先輩二人が名乗ったら、自然と新入生も自己紹介を始めた。

「はじめまして、金岡です。」

「風間です。」

「木下です。」

 先輩の春馬が合掌して、言った。

「まずは、ご飯を食べよう。いただきます。」

「いただきます。」

 みんなも自然と続き、食事を始めた。さらに、春馬先輩が話を続ける。

「ねえ、ねえ、風間君にはさっき聞いたんだけど、どうして金岡君と木下君の二人はうちのサークルのガイダンスに来てくれたの?」

「僕は、テレビ番組を見たことがあって、それで興味があって。」

 金岡が答えると木下も続いて答えた。

「僕も、似たようなもんです。何回かテレビ番組見たことがあったから、それで来ました。」

「そっか、自分も似たようなもんでさ。さっきガイダンスでも言ってたけど、他の三人がこのサークル作って、自分たちは十月から加わったんだよね。テレビ番組でやってるし、面白そうじゃんって思ってはじめてさ。ただ、青春とかは、あんまり考えてなかったんだけど。」

「おい、人力飛行機は最高の青春だろ。」

 春馬先輩の言葉に守富先輩が噛み付いたのが、風間は嬉しかった。

ブーブー……

 春馬先輩がポケットから取り出したスマホを取り出して確認する。

「向こうのグループは、もう食事終わったから、先に作業場に向かうってさ。」

 この後は、なんとなく急がなきゃいけない雰囲気になってしまい、あまり会話もなく、食事は終わってしまった。

 歩くこと数分、次は作業場見学だ。

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