7/13
~十五日
バレンタインと申しますが
そんなイベントには縁が無いもので
甘い匂いを漂わせた街を
背を丸めて 去るのであります
途中で寄ったコンビニで
コーヒーとパンをカゴに入れ
ふと見れば
チョコレートが安くなっていたので
手に取ってはみたものの
まあいいか と棚に戻すのであります
いつものタバコの番号を伝え
小銭ばかりで会計を済ませ
コンビニを出たのでありますが
どことなく 先程よりも
寒いような気がするのです
棚に戻した あのチョコレートを
この袋の中へ入れていれば
気が紛れていただろうか と
そんな事を夢想しながら
時計を見れば 日付も変わり
足取り軽くなりました
気にする事は無いのです
時間は過ぎてゆくのです
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