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詩集  作者: 空束 縋
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願望








 夕陽が大地に沈んでく

 真っ赤な真っ赤な夕焼けの下で


 人が全く居なくなった

 静まり返った街の中を


 甘い甘いラヴソングを

 自然に向けて歌いながら


 退廃に向けて歌いながら

 笑顔で涙を流したい



 埃が積もった映画館

 動きを止めた遊園地


 空になった動物園を

 写真を撮って回りたい



 植物が茂るオフィスビル

 湖の底に沈む町


 空き箱みたいな学校や

 救うものなどない病院


 どこにも繋がりはしない駅

 皆 心から愛したい



 神様が見捨てた神社

 仏様が見放した寺


 十字架 傾く教会で

 命の底から縋りたい




 全ての終わりを見届けて

 自分の過去に感謝して


 憎んだことも 恨んだことも

 全部全部 抱き締めて



 自分しか居ない世界の片隅の

 見慣れたはずの自分の家の

 自分が生まれた その日に植えた

 庭で育った木の下で

 土へ還って逝けたなら


 そんな願いが 赦されたなら









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