愚痴
どろりどろりと溜まってく
お腹の中に溜まってく
重くて辛くて苦しいけれど
溜める以外は知らないや
お腹の中は見せられなくて
どうしていいか わからない
だから みんなも笑顔のままで
僕に向かって投げ付ける
僕のお腹が見えないからか
見えない振りをしてるのか
僕なんかには わからない
断ることも出来なくて
愛想笑いで受け取って
平気な振りで受け取って
強がりをして受け取って
どんどん どんどん溜め込んだ
夜の闇より黒いもの
ある時 僕の目の前で
手を差し出した あの人は
どんな顔をしてたっけ
どんな言葉をくれたっけ
ただ あの人の前だと僕は
お腹に溜めた どろどろを
吐き出すことが出来たんだ
全部は無くならなかったけれど
吐いても吐いても あの人は
嫌がりもせず 居てくれた
僕が吐き出す どろどろを
黙って処理してくれていた
でも あの人はもう居ない
いつの間にか消えていて
気付いた時には遅かった
別れの言葉も届かない
気付かないまま 吐き出した
僕のどろりとしたもので
みんなは僕から遠ざかる
僕の周りは汚くて
みんなは それを嫌がって
心にも無い優しさで
何とか笑顔を貼り付けて
僕に向かって投げ付ける
社会だとか云うものを
世界だとか云うものを
人生だとか云うものを
断れなくて溜め込んで
こんなに こんなに苦しんで
それでも きっと悪いのは
僕の方だと言うんだろ
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