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プロローグ

   ◆◆◆


 以前、とある場所に投稿した原稿をちょっと手直ししてみました。


 実は別に連載をしている作品があるのですが、年末年始に投稿が滞るかも――という理由から、こちらの作品も投稿してみました。

 よろしければ読んでやってください。


   ◆◆◆

 この世界は悪意で満ちている。少年がそれを知ったのは8歳の誕生日を迎える少し前、クリスマスのことだった。

 母子二人でパーティの準備をしていたごくありふれた時間にそのベルは鳴り響いた。


「はいはい。いま出ます。どちらさまです――か?」


 優しい父と母に育てられその愛を一身に受けていた少年は、この時まで『世界は愛で満ちている――』などと、どこかで聞いたようなフレーズ程ではないが、似たような想いをぽんやりと抱いていた。

 しかし、日常の破壊者は平凡の影でひっそりと目覚め、牙をむく時を虎視眈々と伺っていた。


「お母さん?」


 愛は憎しみを生み出し憎しみから愛は生まれない。

 いや、希望を信じる人からしたらそんな言葉すらも否定の対称となるだろう。

 事実、憎しみが介在する愛というものも存在する。

 けれどそんなものは極稀なケースでしかなく、殆どの場合で憎しみは悪意へと変わり、相手を害する意思によって行動の発露に至る。そして結果として残るのは、目を覆いたくなるような惨劇だろう。


「あっくん。逃げて!」


 その日、少年の目の前で、まさにそんな悪夢が実行に移されようとされようとしていた。

 だが、愛から生まれいでる感情はなにも憎しみだけではない。希望を信じる人間が語る、愛による勇気の行動というものも現実に存在する。

 けれど、勇気は時として裏目に出ることがある。


「お母さん。危ない!」


 この時、少年は愛より生まれた勇気ある行動の所為で、今まで知らなかった裏側に踏み込んでしまうこととなってしまう。圧倒的大多数が思春期やその後の成長を重ねて知ることになる醜く薄汚れた大人の世界に。

 白と黒、表と裏、美と醜などというものは、与えられた価値観による言葉遊び以外の何ものでもない感情の世界だ。

 少年はその日よりも少し後に、そんな感情の世界の一面を垣間見ることとなり、決して短くない年月を経てこう思うようになる。

 愛や憎しみは元より、絶望や希望すらも、目の前を曇らせる余計な感情が存在しないクリアな世界に行きたいと――。

   ◆


 一日一話でとりあえず31日間投稿していきたいと思います。

 一部完結。三十一話構成の予定です。

 続きは評価次第でということでよろしくお願いいたします。


 そして、よろしかったらこちらも是非に――、ということで、もう一つの連載『集約世界のセーフショップ』(日常系ファンタジー)も興味がある方はこちらから読んでやって下さいませ。

 → https://ncode.syosetu.com/n4521dv/

 因みに上のほうにある作者名からのリンクでも移動できるようになっております。

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