8(8/8)-ツメキリ節孝-
書きため射耗しました…
かきために移行します…
###8(8/8)-ツメキリ節孝-
「ありがとう!! ユウタぁっ」
「うぉっ」
くせっ毛はねっ毛でもふもふな頭を、
ぐりぐりおしあててくる、ルー。
それに押し倒されそうになりつつ、俺ちゃんは、タンマ、の身振りをする……が、頭を押し当ててくるこいつには、見えていない。
「えへへ、ボクだけ、みんなのよりおっきな、とってもおっきなかぷりこ、たべちゃった……
ユウタに、たべさせてもらった!」
「そうだなー」
なにということは、ない。
現代日本の方でドラッグストアで買い物をしたさい、
味見と元気づけ、の両方の目的で、
ルーだけにはじゃいあんとかぷりこぉ……を食べさせたのだ。
かくして、俺の作戦は……成功したか、どうか、
まだ油断はできないが、ルーはこうして、笑顔になっている、ということだし、(顔が下を向いているので、今この場で確かめたわけではないが。)
そうなのである。
「なんつったって、あの、暴力叔母さん? そいつを攻略しなければ、ルーがもっと泣かされるっつーんだから、俺ちゃんも発奮したわけよ、」
「ごめんなさい、ユウタぁっ、……おかね、いっぱいつかわせて、しまって、…………」
「まぁ、それはな、……」
……ルーは、俺の腹に、まだ自分の頭を当てたまま、動きが止まった。
「どした、ルー?」
「……こんなに幸せで、いいのでしょうか? ボクっ……」
しあわせか?
この状態は、家庭環境は、ストレスフルじゃあないかよ、
「…………そしたら、……ボクにできること、ない、ですか?
ユウタに、ボクが、してあげられる、できる、こと、…………」
……本当に、どした?
「……ボク、あのとき、魂も身体も、貴方に、売りました、よね。だから……お役目を、務められるなら……」
……なんかいかがわしい言い方だぞ、おい。
というか?
まだそれのことおぼえてたのかい、と、おれちゃん。
……
…………
………………ん、?
「………………」「!?」
ルーが、再び泣いていた。
俺の腹に、手を縋りつけて、頭を押し当てたまま、
その下で、涙の粒が、ぽろぽろと振り落ちる。
「ボク、このままユウタがそばに、居てほしいよぅ…………」
「……、、、」
「明日、だ。」「ふぇ、?」
「明日も、また、家んちで、あそぼうな!」
「! う、うんっ!! ぐす、ずっ、」
かぷりこをたくさん、かっておこう。……
「じゃあねっ、またねっ、また、明日ねっ」
時刻は、夕日のころだった。
夕暮れの夕日に染まった森の中で、、
ぴょんこぴょんこ跳ねるルーのやつに見送られながら、
互いに手を振りながら……この日のさようなら、を、した。
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