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7(7/8)-ツメキリ節孝-

あと一話文ございます…

ごゆるりと…

###7(7/8)-ツメキリ節孝-






  そうすると、




「! えふぉっ、えふぉ、っ、ぐっ、!」




 (……ちょっとぉ、むせたじゃないの!)





 そうエリルリアは心で激高した……が、





「せっかくだから、、叔母さんへのお土産としたい、、とおっしゃられたのも、ルーなんですよ。

 みんなのぶんもね。

 ね? ルー?」



「! はぃっ!」




「!」



 ちなみにルーは、おのれとユウタとの比翼連理の実現を、このとき叶えていた。

 ぴたり、とゆうたの身体側面に自分の身体側面を隣り合わせにくっつけさせ寄り添ったルー!

 

(ユウタ……////)

 

 それだけで、ルーとしてはなんともいえず、大満足であった。

 そのルーが、そういつになく朗らかに回答をしたのだ。





(…………、)




…………、




(なによ……愚図な愚姪のくせに、やるじゃないのよ……

 すこし、見直してやったわ。)




 エリルリアはそう気分を和らげた、




「ね? こういうことなのでね、」




 ゆうたは、発言を続け、




「まぁ、かわいい甥っ子さんを、大事にされてください・・・」




 そう、言葉を述べた、ゆうたである……



……が、





 ゆうたが、そのエリルリアの横を通り過ぎるその間際、




…………――、――…………





(!?)




 エリルリアに、氷点下のような冷たい感覚が走ったのはそのときである。




(……?……!)




 エリルリアは驚いて、




(な……なんだったのよ、今の刺すような気配は、……)




 傍らを通り間際の、ゆうたの気配。

 エリルリアは、そう呻くしか無かった……







(……殺気というのを宛ててやったつもりだぜ……)






 その一方の、ゆうた。




(……怒りを隠しきれなかった……)



……



(……さて、)




……そんな一方で、その、ゆうたはスイッチを入れ直すかのようにまたスマイルフェイスにもどると、

 その、ゆうたの隠し球は、次の間際に、放たれた。




……それは……





「それで、この大袋が、あと合計で六袋ございますので、


 一人一袋! 一袋ずつ、でございますよー、」




「!!?」




 そのゆうたの宣言に、

 衝撃を受ける、異世界人……こと、アヴトリッヒ家の人間たち。






「わ、わたしらメイドの分もあるってことですか?!」


「……ありがとう、ございます…………」




 おどろく、メイドたち。




「 かっかっか……

 まあ、皆様、心ばかりのものですが、これを楽しまれてください……」





 一同のそれにたいして、そう、ゆうたは告知した。











 一方、







(こんなにおいしいものが、いっぱい入った袋を、ひとりひとつづつ、ですってぇ?!)





 あからさまに動揺したのが、エリルリアである。





「ま、まあ、ルー?

 ……でかしたわね、」




 なので、ついつい、




「……悪かったわよ、チャラにしてあげる。

 しばらくの間は、なにも絡まないようにするわ。」





 エリルリアからの、ルーへの耳打ち。





「!」





(おばさまが、優しくなって、くれた!)





 ルーは、解き放たれたかのような、笑顔になった。





(やった、! やったやったよー!!ユウタ!!!)



(だろー? 俺ちゃんの作戦、大当たりよ、)






……そう、二種目のお土産は、それが目的だったのだ。





(人で釣れなば、モノで釣る。

 言葉で得れねば、モノで得る……

 情で伝わらねば、モノで買う…………




 山吹色の黄金餅、と、古くからなぞらえられる通り

 モノは、人と人との潤滑剤……それ以上でもそれ以下でもないが。




 これ、人心掌握術の基本……かはともかく、)





(まあ、どこまで効果があるか……?)





 もっとも、ゆうたは、油断していない







「ま、みなさま、これらへんで、ご査収くだされ……」





 そう締めくくった、ゆうたである。





「ごほっん、ごほん……」




 ガーンズヴァルは、気配の相好を崩すと、




「改めて、礼を言う。ドウジバシ……」





 ゆうたへと、そう礼を言った。







ーーーーーーーーーーー










「見送ってくるね!! おじいさま!」




「うむっ、……」





 ばたん、…………




「……ヤツへの、何かと、借りと恩義ばかりが増えていくな……」


「そうさのう…」


「ドウジバシ、あの者のそばだと、ルーやは溌剌としているのう……」


「そうじゃのう、ガンズヴァル……ふぉっふぉ、」




 そう伝え合う、ガーンズヴァルとエリルローズの祖夫妻





「もらっちゃった、もらっちゃった! こんなおいしいもの、初めて食べますよっ!!」


「ええ、そうですね……わたしも、もう一本頂きます……」



「!! タチアナ、私の袋からもっていかないでください!!!」





 メイドらも、そのような様子。







「ふーん…………」





 エリルリアは、一瞥を、ルーが開けていった扉へと向けていた。






ーーーーーーーーーーーー




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