2(2/8)-アヴトリッヒ家の華麗なる食卓-
###2(2/8)-アヴトリッヒ家の華麗なる食卓-
(SIDE:ルーテフィア)
次の日の朝……
ボクは、早速、あの扉の前にいきました。
そして、扉を開けたら……すぐにユウタが来てくれました♪
ボクは、なんて幸運なのでしょう!
(ゆうたっ、ユウタ、♡)
今日はなにして、遊ぼうかな♪
そのことで頭をいっぱいにして、ボクは、昨日の晩のことを、なるべく遠くへ、あたまのなかの遠くへ、置いてこよう、としました。…………
! しっぱいだ!
おもいだしちゃった…………叔母さまの、昨日の、あの指図を……
(………………)
おこられるのが、とってもこわい…………
で、でもでも、ボクは、おじいさまの孫の、立派な騎士になりたい夢を持っているのです!
ボクは、やれば出来る子、なのですから!
そうなのです。あとまわしにしちゃいましょう。
いっぱい言い訳なら、あとでしちゃいます。
それよりも、そんなことよりも、ボクにはユウタとの素敵な時間が、とっても大事なのです!
「…………」
叔母さまの言ったことは、もう、放置してしまいましょう。
いやなことは、全部忘れて、ユウタとあそびます!
* * * * *
さて、(SIDE:俺ちゃん)ですよ、って。
…………
俺の目の前に、ルーテフィアが現れた。
……勝手口のカギは閉めたはずなのだが……
「ゆうた、ユウタ、あいにきたよっ♪」
……、
「今日も、ミミカキ、してほしいっ♡」
…………、なんで今日も現れたの???
「ごはんもたべれるもんっ♪ あそんでもらえるもんっ♪
おふろもはいれるもんっ♪」
と、ルーは、ぱぁっ、っと、そう明るくおっしゃり賜ったのち、
「なにより、ユウタにあえるからだもんっ♡」
と。
「…………~~~~っ」
俺はたまらず、自分の頭をぐしゃぐしゃとした後、
「うー!!
おめー、俺が、きのうあのオマエの爺に、どんだけ折檻くらったとおもってるんでぃ!???
これいじょう連続されたら、俺のいのちがなくなるわっ」
切実な理由である。
がきんちょのお暇あそばせで命を取られたら、たまったもんじゃあない。
「だからね、もうさぁ……」
と、俺はたじろぐしかなかったのだが、
「ぇふん、ユウタが、きょうもひとりでさみしいとおもったから、
遊びにきてあげたのですよっ♪」
「ぐぬっ、」
ルーのやつは、澄ました顔……というか、ドヤァ、な顔で、そうのたまってくれた。
ああもう、俺をなんだと考えているのだ?
「? きぞくじゃ、ないの?」
と、ルー。
「………………、、、、」
「こちらの、ニホン……の国の、
きっと戦いに出られた時、昔に負傷などをされて、国から恩給がでて生活している。
そうなのでしょう? ねっ?」
ルーはそう続けた。
なんだ、そりゃ……と俺はいいかけたが、
「フフーン、えふんっ、ボクの推理の能力は、すごいのですよ♪
おじいさまの蔵書を小さい頃から読みふけって、
お本の物語などで、
あらかたの出来事の起こる成り立ちは、わかっているのですから!」
とのこと。
…………
なにもいえねえ、
…………、
……はぁぁ、
「まあええわ。
俺みたいな穀潰しがなにがしかに貢献できるのなら、
まあ異世界人の異世界っ娘とはいえ、それに付き合いよく接するのが
俺の出来るすくなからずの社会貢献になるだろうし、……ってな、」
「わーいわーい♪」
ああ、まったく。
さて、それからの内に、
はらがへった、と所望するルーの奴に、
こんどはツナ缶とコーン缶を落としたインスタントの塩ラーメンを造ってやるなどして、
俺たちは腹一杯になった……わけなのだが、
ところで、
「ところで、何であそぶん?」
「それはですね……、、、、/////」
「え゛」
気づいたら、例の屋敷の前まで連れてこられてました。
足下には、ルーの奴が出してきた。ゼル伝に出てきそうな、盾。
え?
「騎士ごっこ?」
「そうなのですっ!! …………~~~~~!!!!」
無言で去ろうとする俺の腰に、ルーが飛び抱きついて、俺の帰宅への道をなんとか遅滞させようとする……。
「ゆうたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
はーああ、そういえば、俺はこいつに、俺の足の怪我の事は伝えられてなかったんだっけか…………
どうしようか、と悩む俺に、かまわずの様子のルーテフィアは言葉を続けて、
「おなかいっぱいごはんが食べられて、ボクの元気はいっぱいです!」
「さぁ、ゆうたも、いっぱい運動して、そのおなかの贅肉おとしちゃいましょう♪」
それはそうだとして、だから?(こういう尋ね返し方をするというのは、俺がつまらない大人になったからだろーなー、という所感込みで)
と尋ねると、
「将来ボクがなる、すごい騎士としての研削を積む為の、訓練です!」
とのこと。
「さぁ! いきますよっ!!」
「え゛っ、」
おれちゃんの理解速度を遙かに追い抜いているルーの気早さによって、 次の瞬間には、その騎士ごっことやらが開始されてしまうらしい。
そんな勢いの、木剣をふりかぶるルーの奴。
え、まて、待て、