17(17/17)-異世界っ娘がやってくる-
書き貯め分射耗いたしました…
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###17(17/17)-異世界っ娘がやってくる-
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さて、時刻は夕方。
ルーの住んでるという屋敷は、思いの外近かった。
勝手口から、五分も歩いていないと想う。
屋敷の玄関がみえてきた。
すると、
「あっ、畜生顔!! またもルー様をたぶらかして!!」
「ルーさま!!」
ぬぅっ!? 銀髪メイドが二体あらわれた。
武器は無い!!
その上……、
(爺っ!)
「…………」
「探しておったぞ。
ルーや、何処へ行っていたのか?」
「この、ユウタ……さん、の、おうち、のほう、に」
「 ! …………、、っ、」
そう聞いた直後、のことである。
ジジイ……老ガーンズヴァルは、一瞬、ジブリのトトロか、と思うかのように、
顔のひげと体中の体毛を、逆立てた後…………
「…………
ドウジバシとやら、今朝は馳走になった。そのことに礼を申させてもらう。
我ら一家、それに使用人のメイドを併せて、恩義がある……
しかし、もしや、ルーに妙な手出しはしてなかろうな…………?」
してねえってしてねぇって!!
妙な殺気とばさねえでくれって!!!
「ルー様、なんだか、湯の匂いがされますね?」
「え、えっとねぇ、ボクは、えぇっと……」
「これは、セッケンの匂い……でしょうか……?」
「ぁう、あう、その……………」
あーああ、まるで身体検査だ。
メイド二体が、ルーの身体をすんすんとかいでまわる。
しかしそんな目でもくじけてないのか、
ルーはニコニコしている。
「……ルーや、
このドウジバシなる者の家で、ルーはどういうもてなしをされたのだ?」
そう、ガーンズヴァル爺は問うた。
それに対して、
ラーメンの食べた後……ネギ……が口についている…ルー。
その口で、顔をほがらかに、満面の笑みで、ルーは、
「とっても、たのしかったです!」
………………
「…!………――…………」
……………孫がそういうのならば、仕方がない
ガーンズヴァルは呻いた。
「ほっ……」
俺も、首の皮一枚つながった状態だ。
「!」
そんな時、メイドのかたわれ…………タチアナ、という方だ……が、
なにかに気づいたように、ルーの顔をのぞき込んで、
「…ルーテフィアさま、御涙の跡が」
「あっ…」
ルーは何の気なしに、
「あのね…最初に、ユウタにおこられたの。そのとき、ボク…」
真正直に答えてしまった!
その上、なんだか、大切な思い出…というか、経験?体験…を語るように、なんというか嬉しげに、答えた、ルーのやつ。
そんなムードとは裏腹に、タチアナさんとイリアーナの目が、ものすごく鋭くなって、俺へと穿たれた。
そうなると、予測される次の事態は?
あっ、やべえ。
「………!ッ」
顔を振り向けると、
殺気と怒気をわなわなと立ち上らせはじめた、ガーンズヴァルと目が合って……
「ゆるさーん!」
ぎゃ、ぐえ、ドェッ?! ふぎゃーーーーーっ?!?!
――結局、今回も折檻を受けてしまった、俺である……
翌日、
「あいにきたよ、ゆうたー!」
「……、」
まだ午前というのに勝手口を開けて現れていたルーテフィアに、
俺は無言になるしか、なかった…………
* * * * *