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16(16/17)-異世界っ娘がやってくる-

明日も更新あります…

あと残り一話でございます…

###16(16/17)-異世界っ娘がやってくる-


     * * * * *





 まだラーメンを喰っている最中である。


 嗚呼、はやく食べないと、麺が伸びる……




「というより、なのですけれど!」



 いっぽう、なぜかぷんすかし始めたのはこっちのこちら、

 ルーはそう宣言すると、



「ボクの性別、格好通りにみてくださいね?

 おばあさまが仕立ててくれたのだから、

 おかしいところは無いはずです。ユウタのおかーさま!」




「あらあら?」



 当然だろう。

 男の娘であったとしても、女の子ではないのだ、というのが世の通りであろうや。


 それなのに……




「こんなかわいい、女の子なのに!」




 と、母上はなおもそう申される。



 ところが、そう言われた瞬間、頭のはねっけを逆さに立てて、


 それにどっきーん!? と、はねっ毛をはねさせて目とともに泳がせた、ルー。




「えぅっ?! そ、その、ユウタのおかーさま、……」



 あら何かしら? と母上は申された。



「ボクの性別、ま、まちがえないでくださいっ!」



「あら、あなた、どっからどうみても、ほんとーにかわいい、おんなのこ、じゃあないの?」




「ボ、ボク、おとこのこ、だよっ?!」



 そうだなー、どこからどうみても、完全無欠な、男の娘ってやつだ。



「むー? ユウタ、なんかちがう受け取られかたされてますね? 」



 と、ルーはジト目でおれちゃんをにらんでくるのだが、

 せいぜい猫がにらむのよりも、かわいい、としか思えん。


 それからルーは、咳払いをわざとらしく繰り返した後、



「えっふんオホォッン、こほん…

…――言うべきは言って、主張するべきは主張しないと! そうしなきゃ、ボクの……」



「ボクの?」



「そうです! このボクの、ズバリひみつ、正体、性別の!

 その、しょっ、……、 !? 」




…………




「しょっぱさが、おいしぃ、です……このお料理、の、」





 はぁ? はあ……麺がのびるからさっさとくっちまえよー。





「うちのゆうたったら-、小さいときから食い意地は突っ張っててね!

 おとうさんとも毎晩お肉だったり取り合ってるのに、

 こんなみたいに、他人と分け合おうだなんて、

 うちの娘たち以外でこんなことするの、初めて見るわ!」






「だ、だからボクは、おんなのこ、じゃ、ないって、……!?」




「ウチのゆうちゃんって、ほかにおともだちもあんまり居ないし、

 あなたがおともだちになってあげてくれて、私もうれしいわ!」




 なおも抗弁するルーのやつに、かあちゃんはそう言葉を重ねて遮った。




「う、れしい、……うれしい……、ボクと、ともだちで…………///」





 それを言われたルーは、顔をにへらぁ、と綻ばせて、




「そんな、やだなぁ、ボクに、うれしい、だなんて……/////」




 しかし言葉とは裏腹にルーテフィアはすっかり得意げになっていて、





「ねぇねえ、ユウタっ」




 ん?




「ユウタ、ユウタ、ボクがトモダチで、

 ボクとともだちになれて、うれしいですか?」




 ……、、


 一応な、という言葉が頭によぎったが、




「まあ、そうだな。」



「!」




 そう俺の返事を聞いたルーは、




「えふ~、……////////////」





 表情をとろけさせて、なにやら自分の国の中にへとトリップしているようだった……。







     * * * * *




********************************************


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