16(16/17)-異世界っ娘がやってくる-
明日も更新あります…
あと残り一話でございます…
###16(16/17)-異世界っ娘がやってくる-
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まだラーメンを喰っている最中である。
嗚呼、はやく食べないと、麺が伸びる……
「というより、なのですけれど!」
いっぽう、なぜかぷんすかし始めたのはこっちのこちら、
ルーはそう宣言すると、
「ボクの性別、格好通りにみてくださいね?
おばあさまが仕立ててくれたのだから、
おかしいところは無いはずです。ユウタのおかーさま!」
「あらあら?」
当然だろう。
男の娘であったとしても、女の子ではないのだ、というのが世の通りであろうや。
それなのに……
「こんなかわいい、女の子なのに!」
と、母上はなおもそう申される。
ところが、そう言われた瞬間、頭のはねっけを逆さに立てて、
それにどっきーん!? と、はねっ毛をはねさせて目とともに泳がせた、ルー。
「えぅっ?! そ、その、ユウタのおかーさま、……」
あら何かしら? と母上は申された。
「ボクの性別、ま、まちがえないでくださいっ!」
「あら、あなた、どっからどうみても、ほんとーにかわいい、おんなのこ、じゃあないの?」
「ボ、ボク、おとこのこ、だよっ?!」
そうだなー、どこからどうみても、完全無欠な、男の娘ってやつだ。
「むー? ユウタ、なんかちがう受け取られかたされてますね? 」
と、ルーはジト目でおれちゃんをにらんでくるのだが、
せいぜい猫がにらむのよりも、かわいい、としか思えん。
それからルーは、咳払いをわざとらしく繰り返した後、
「えっふんオホォッン、こほん…
…――言うべきは言って、主張するべきは主張しないと! そうしなきゃ、ボクの……」
「ボクの?」
「そうです! このボクの、ズバリひみつ、正体、性別の!
その、しょっ、……、 !? 」
…………
「しょっぱさが、おいしぃ、です……このお料理、の、」
はぁ? はあ……麺がのびるからさっさとくっちまえよー。
「うちのゆうたったら-、小さいときから食い意地は突っ張っててね!
おとうさんとも毎晩お肉だったり取り合ってるのに、
こんなみたいに、他人と分け合おうだなんて、
うちの娘たち以外でこんなことするの、初めて見るわ!」
「だ、だからボクは、おんなのこ、じゃ、ないって、……!?」
「ウチのゆうちゃんって、ほかにおともだちもあんまり居ないし、
あなたがおともだちになってあげてくれて、私もうれしいわ!」
なおも抗弁するルーのやつに、かあちゃんはそう言葉を重ねて遮った。
「う、れしい、……うれしい……、ボクと、ともだちで…………///」
それを言われたルーは、顔をにへらぁ、と綻ばせて、
「そんな、やだなぁ、ボクに、うれしい、だなんて……/////」
しかし言葉とは裏腹にルーテフィアはすっかり得意げになっていて、
「ねぇねえ、ユウタっ」
ん?
「ユウタ、ユウタ、ボクがトモダチで、
ボクとともだちになれて、うれしいですか?」
……、、
一応な、という言葉が頭によぎったが、
「まあ、そうだな。」
「!」
そう俺の返事を聞いたルーは、
「えふ~、……////////////」
表情をとろけさせて、なにやら自分の国の中にへとトリップしているようだった……。
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