表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/278

9(9/17)-異世界っ娘がやってくる-

連続投稿継続中であります…

あと八日分ございます…

###9(9/17)-異世界っ娘がやってくる-


     * * * * *




 いつかの昔……



……ルーにとっての、物心ついた頃の記憶……








〈いいか、よいか? ルーよ。〉




“はいっ、おじいさまっ”




〈おまえは、己のちからを、秘めた物として扱え。



 誰にも、己の異能で、害を与えては、ならん!



 そして、そのために、おまえは、男として、そだてられてきて、これからもそれは変わらん。


 おまえは……ルーは、おぬしルーテフィアは、いつかくる日までは…

…男として過ごさなければ、ならん。……おぬし自身の身を、自らの異能で、滅ぼさないためにはっ〉




“はいっ、おじいさまっ!”





〈………………〉



“ ? ”





〈……おぬしに、過酷な人生を、死ぬまでおくらせるつもりは、我にも無い……



 いつか絶対に、おまえに、何にも枷させられない、そんな日が来るように努力する。

 だから、今は耐えてくれ………………〉




“それは、いつまでですか?”




〈それはな、ルーや…………

 

 おまえの異能も、なにもかもを、受け止めて、おまえに絶対の忠義と無二の愛情を尽くしてくれるような…………〉






……



…………



………………






「いつか、そんな好い方に、出会える時が、くるまで…………」





「………………、、、、」





「ユウタ…なら、ボクのこと、…………//////」








「おーい、なにたそがれてんだ?」




「ひゃぅっ?!///////////////」





 不意に掛けられたゆうたの声に、譫言していたルーテフィアは不意打ちのように驚いた。





「一衣帯水? とかなんとか……意味違うんだっけ??


 同じ湯に入る仲、っていいまわしあったっけ?

 まあそういうことでもあるわけだし、」




 ゆうたの方は、裏表無く、




(風呂周りの事故させるわけにもいかんしな。

 しかし、ずいずい迫るわけにもいかんじゃろし、はてさてどうしたものか……

 こりゃ、まいったなぁ!)





 しかし一方のルーテフィアには、

 己の秘密と正体という、なによりもの隠し事が、あるわけで。







「あぅ、その、ぇぅ、ユゥ、タ……//////」





「どうした?」




 窮したルーは、一言ずつ、たぐり寄せるように言葉を口に出していきながら、




「一緒に入るのはやぶさか、じゃ、ない、というか、

 拒まないです。、むしろ、ボクも、一緒に入りたい、と、は、

 …思います////

 おもうの、ですけど、、、////

 ただ、その、…………//////」




 と、そこまでルーはいいかけて、




「あっ、」




 一方この時、ルーは、

 洗面台の脇に積まれた大判のタオルケットの山を、発見した。




「…………、、」




 それを一つ取り、




「………………、、//」




 ぬぎ、ぬぎ、と、




「あぅ……//////」




(ボクのひみつが、ばれる事は、なんとか阻止できそうです//////)





 しゅる、しゅる、かちゃ、…………




 ルーが、脱衣を始めたようだ。



 流れてくる空気、というか、

 そう大きくはない脱衣室のなかで、

 ルーの体臭が、満たすようにたちこめる。




 なんというか、乳の匂い? というか、なんというか、

 汗の匂い、も、まあまあする。



 そんな、混じり合った香り…………





 そんな折り、

 ゆうたはがちゃ、と浴室の扉を開く……

 急に背後を振り返り、



「おん? ルー、身体にタオル巻いたのか……」




「ひゃっ?!」





 驚いた、ルー。




…………バスタオルで、その胴体に巻く、そのさなかだったらしい。




「は、はいっ/////」



「何に対するはい、なんだろうね……?」




 いいながら、ゆうたは、ルーの様子を観察しながら……


 ルーの方はというと、





(は、はだか、、はだかなのにっ、

 せ、背中を、せなかをみられちゃった//////////////

 ま、まえはみられてないから、だいじょうぶ……なはず…………)




……




(…………、、)





「…………」



 まきまき、




「……………、、、、」



 

 まきまきまき、





「…………、、」





(こころのじゅんびができてないよぅっ!?……//////)




(あ、そうだ、)




 まるで、茶筒のラベル被いを回すかのように。


 すこしずつずらしながら、ルーは、自分のからだのタオルを、自分の身体に沿わせながら、ずりうごかしていく……




「…………、、」



「俺は暗器使いじゃないんだからさ……」




 ゆうたからしてみると、奇妙でしょうがない……



 いったい、ルーの急所に、なにがあるというのか。




「えぇと、えと///、、、、」




 まるで暗器使いから己の急所を隠そうとするかのように、

 己の胴体に巻くタオルケットを、徐々にまきまきとさせて、

 やがて最終的に、自分の身体に巻き終えた。




「これで、よしっ////」



 自分を自信付けさせるかのように、鼓舞するようにルーはそう言った。



(なんなんだろね……?)




 なんの事情も知らない、

 お気楽極楽なゆうたの側としては、頭を掻くしかない……。












********************************************


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ