9(9/17)-異世界っ娘がやってくる-
連続投稿継続中であります…
あと八日分ございます…
###9(9/17)-異世界っ娘がやってくる-
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いつかの昔……
……ルーにとっての、物心ついた頃の記憶……
〈いいか、よいか? ルーよ。〉
“はいっ、おじいさまっ”
〈おまえは、己のちからを、秘めた物として扱え。
誰にも、己の異能で、害を与えては、ならん!
そして、そのために、おまえは、男として、そだてられてきて、これからもそれは変わらん。
おまえは……ルーは、おぬしルーテフィアは、いつかくる日までは…
…男として過ごさなければ、ならん。……おぬし自身の身を、自らの異能で、滅ぼさないためにはっ〉
“はいっ、おじいさまっ!”
〈………………〉
“ ? ”
〈……おぬしに、過酷な人生を、死ぬまでおくらせるつもりは、我にも無い……
いつか絶対に、おまえに、何にも枷させられない、そんな日が来るように努力する。
だから、今は耐えてくれ………………〉
“それは、いつまでですか?”
〈それはな、ルーや…………
おまえの異能も、なにもかもを、受け止めて、おまえに絶対の忠義と無二の愛情を尽くしてくれるような…………〉
……
…………
………………
「いつか、そんな好い方に、出会える時が、くるまで…………」
「………………、、、、」
「ユウタ…なら、ボクのこと、…………//////」
「おーい、なにたそがれてんだ?」
「ひゃぅっ?!///////////////」
不意に掛けられたゆうたの声に、譫言していたルーテフィアは不意打ちのように驚いた。
「一衣帯水? とかなんとか……意味違うんだっけ??
同じ湯に入る仲、っていいまわしあったっけ?
まあそういうことでもあるわけだし、」
ゆうたの方は、裏表無く、
(風呂周りの事故させるわけにもいかんしな。
しかし、ずいずい迫るわけにもいかんじゃろし、はてさてどうしたものか……
こりゃ、まいったなぁ!)
しかし一方のルーテフィアには、
己の秘密と正体という、なによりもの隠し事が、あるわけで。
「あぅ、その、ぇぅ、ユゥ、タ……//////」
「どうした?」
窮したルーは、一言ずつ、たぐり寄せるように言葉を口に出していきながら、
「一緒に入るのはやぶさか、じゃ、ない、というか、
拒まないです。、むしろ、ボクも、一緒に入りたい、と、は、
…思います////
おもうの、ですけど、、、////
ただ、その、…………//////」
と、そこまでルーはいいかけて、
「あっ、」
一方この時、ルーは、
洗面台の脇に積まれた大判のタオルケットの山を、発見した。
「…………、、」
それを一つ取り、
「………………、、//」
ぬぎ、ぬぎ、と、
「あぅ……//////」
(ボクのひみつが、ばれる事は、なんとか阻止できそうです//////)
しゅる、しゅる、かちゃ、…………
ルーが、脱衣を始めたようだ。
流れてくる空気、というか、
そう大きくはない脱衣室のなかで、
ルーの体臭が、満たすようにたちこめる。
なんというか、乳の匂い? というか、なんというか、
汗の匂い、も、まあまあする。
そんな、混じり合った香り…………
そんな折り、
ゆうたはがちゃ、と浴室の扉を開く……
急に背後を振り返り、
「おん? ルー、身体にタオル巻いたのか……」
「ひゃっ?!」
驚いた、ルー。
…………バスタオルで、その胴体に巻く、そのさなかだったらしい。
「は、はいっ/////」
「何に対するはい、なんだろうね……?」
いいながら、ゆうたは、ルーの様子を観察しながら……
ルーの方はというと、
(は、はだか、、はだかなのにっ、
せ、背中を、せなかをみられちゃった//////////////
ま、まえはみられてないから、だいじょうぶ……なはず…………)
……
(…………、、)
「…………」
まきまき、
「……………、、、、」
まきまきまき、
「…………、、」
(こころのじゅんびができてないよぅっ!?……//////)
(あ、そうだ、)
まるで、茶筒のラベル被いを回すかのように。
すこしずつずらしながら、ルーは、自分のからだのタオルを、自分の身体に沿わせながら、ずりうごかしていく……
「…………、、」
「俺は暗器使いじゃないんだからさ……」
ゆうたからしてみると、奇妙でしょうがない……
いったい、ルーの急所に、なにがあるというのか。
「えぇと、えと///、、、、」
まるで暗器使いから己の急所を隠そうとするかのように、
己の胴体に巻くタオルケットを、徐々にまきまきとさせて、
やがて最終的に、自分の身体に巻き終えた。
「これで、よしっ////」
自分を自信付けさせるかのように、鼓舞するようにルーはそう言った。
(なんなんだろね……?)
なんの事情も知らない、
お気楽極楽なゆうたの側としては、頭を掻くしかない……。
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