7(7/17)-異世界っ娘がやってくる-
###7(7/17)-異世界っ娘がやってくる-
さて、俺。こと、ゆうた。
「ふーーぅむ、…………」
この目の前のおこさまに、はたしてどう接してやるべきなのか…………
「ん?」
そんな時、ふと、気づいた。
「ちょっと、おてて、見せてごらんよ」「へぅっ?」
ルーテフィアである。
その、手の指を、見てみる……
……と、
「汚い…………」
のび具合がバラバラになっていて、
それに、ネイルの先端のラインが、 がたがただ。
伸びた爪の先には、くろっぽいカスが、入ってしまっている…………
「あ、あの、ぁのっ、ボクのこれ…
………はしたない、つめでしょうか…………?//////」
たった今の状態は、互いの距離が近い。
ゼロ距離だ。
そうなって、恥ずかしげに吐息を上げながら、
なにやら身体と声をもじもじさせるルー…………は置いといて、、
俺は口を開き、
「普段どうやって切ってるの?」
「切る、とは?」
一瞬顔を戸惑わせたルーテフィアだったが、
聡明なルーは、次の頃には合点いったようで、
「切る…………というより、ちいさなナイフで、削いでいます。」
と返してくれた。
「なるほど…………」
「メイドにやってもらっています。タチアナが、いがいと不器用なんですけど、イリアーナは綺麗にできるんですけど、失敗するときがあって………
…そんなときは、治癒魔法で治癒して貰ってます……」
「………………」
と、ルーテフィアは続けた。
このちいさくてもちもちとやわっこい、この、ルーの指。
それに刃を入れるなんて…………
おそろしい。
背筋が凍えてくる。
指フェチ、というわけでもないが、
俺はなにもいえなくなった…………
「?」
「…………――、…………、、、、」
「ユウタ…………」
「つめがきれい…………」
ルーの方も、俺の手指が気になったらしく、四つん這いになって
俺の手指をのぞき見はじめた。
「なるほど、」
ならば、
「な、ルー」
「はい?」
「つめきり、しようか、」
ほえ、? とルーはふしぎげな表情になった。
* * * * *
パチン、ぱちん、と、爪を小気味よく切っていく。
「よい、よぃ、っと…………」
「あぅ、あう、ぁぅ…………//////」
ここまで順調に切れていってくれている。
ルーの爪を切り始めてから、数分がたった現在である。
「ツメキィリ? というのはすごいですね!
はじめ見た時は、厳つい構造と頑丈な素材で、
ボクはびっくりしましたけど……」
「ふふん、」
ただ、…………
俺の手に握られている爪切りは、
通常の小さなクリッパー型爪切りの、1.5倍、の大きさに見える、
頑丈な作りのクリッパー型爪切りであった。
「すごい早さで、確実にしっかりと、滑らかに切れていきますねっ」
そう言われたら、おれだって得意面にならざるをえない。
「刃の性能がよくてしっかりしている、
高級ものの、大型爪切りだからな。
俺ちゃんの分厚い爪も、楽々切れる、この性能!
カンタンに切れていってくれてるわい、かっかっか……」
そう俺が言うとおり、見る間も無く、みるみるうちに爪は切られて、処理されていく。
* * *
「そういえばよ、ルー、」
「はい?」
ところで、俺は気になっていたことを聞いてみることにした。
「俺はニートだから、まあ何もすることがないわけだけどよ、」
すこし、気に引ける、質問、なのだが、
「ガッコ、とかどうしてんだよ?」
「がっこ、……学校…、…」
「一日中ぷらぷらしてるけどよ、
なんか、やること、とかないのかぁ?」
「…………、、」
その瞬間、俺のふとももの上に、
ルーが添えるように触らせていたルーの自分の手の指を、
ふとももに指を立てて、つまむ……
……というか、つねってきた。
結構強烈な力で、つねってくる。
まだ切ってない方の爪の手の指なので、
爪が立てられて、めっちゃいてぇ!!?
「いてぇ、痛えっ、痛いっ?!」
「えうーーーーー………っ…」
ふとももに爪立てられた!
ルーはうなりながら、である。
おのれこいつ…………
「まあ、その、ですね、」
そんな折り、ルーはふとももに立てた爪の威力をだいぶ和らげて、
「ボクは…………屋敷から、ほとんど出たことがないんです。
屋敷の外も、屋敷の周りから遠くには、怖くていくことができませんでした」
……
「だけど、ボクにおじいさまとおばあさまは知識と勉学を教えてくれて、 ボクはなにもわからない、という様には、なってない筈です」
なるほど、自宅学習、というやつか
「里の学校、は話で聞いた限りですが、
ボクは、屋敷でメイドに教えて貰ってますので!」
なるほど……
「だから、こうしてユウタのおうちに来るのも、
ユウタとあそんでもらうのも、ボクの勉強なのです!」
まあ、それはどうなのだろうか、という感じであるが……
…………
「将来なりたい物、とか……あるか?」
俺は、質問を続けた。
「もちろん決まっています! ボクはですね…………――」
ふむ?
「騎士に、なりたいんです!」
笑顔をあふれさせて、ルーはそう言った。
「そのためには、今以上に剣術を身につけて、勉学も頑張って、勉強して、りっぱな、おじいさまみたいな、かっこいい勇者の騎士に、なりたいんです!」
なるほど…………
ファンタジー異世界らしい、就職先があるもんだ。
国?自治体?にやとわれる、ということは、
一種の公務員なのだから、身分の安定もしているだろうし、。
「あっ、もちろん…………」
ふむ、
「ユウタみたいに、恩給で暮らしていけるのも、悪くないと想います!」
ん…?
「…………」
ルーはてへへ、と顔を赤らめて、
「引退したあと、なら、ですけどね?」
来年の話をすると鬼が笑う、とはいうがね。
この場合はどーなのだろうか?
……
「さあ、切り終わったぞ。」
「はわぁ………!」
ぴかぴかになった己の手の爪に、目をきらきらとさせる、ルー。
手の指の爪は、これで完了だ。
* * * * *
「きれいになった!」
はしゃぐルー。
一方で、こんだけ不衛生ということは、
と頭が働いて、
「さぁ、くつろいで、俺ちゃんの膝に、頭のせな」
「ほぇっ、?、次はなんですか……♡」
ルーのやつは、要領を得たのか、
存外素直に、俺のあぐらの上に、頭を置いてくれた。
「ユウタ、なにしてあそんでくれるのですかっ♪」
まあ、じっとしててくれ、って。
「耳掃除……も、してやるか」
部屋の常備綿棒を取り出して、
その一本、を、膝の上に頭をのせたルーの顔上に、かざしてしまう。
「え、…………」
するとルーは、
「ま、まさか、その棒、を、まさか、ミミカキ、みみをかく、
ということは、
ボクの耳のあなのなかに、その棒を……!?」
どうもここで初めて、
みみかき綿棒、なるものを見たようで、
「あ、あぅ?! ぁう、こわいようぅっ?!」
だいじょうぶ、ダイジョウブ…………
ベビーローションで湿らせた綿棒で、そっとルーの耳の穴まで、綿棒をゆっくりと、もっていっていく…………
「さて、やるか。」
「あぅぅ、し、しんじてますよ、しんじてますからね?! ユウタ!」
観念した割には手足をじたばたさせながら、
うるさいルーに、こないだの治癒魔法の件での、己の醜態を思い出した、俺。
嗚呼、マッタク…………
「いくぞ……」
「ひゃ、ひゃ、ひゃぁっ!? ……あっ……?」
ごそごそ、ごそ…………
「は、ひゃ、うひゃ、はうっ♡」
ごそごそごそ、…………
「あ、あ♡、あっ♪ ぁっ♡」
ゴソゴソ、とやるたびに、
ルーは、身体をくねらせたり、ぴくぴくさせたり、
「くすぐったいよぅっ! ユウタっ……あっ♡あ、あっ♡」
まあ、ミミカキの気持ちよさは、
耳掻きを人生の内でやったことのなかった異世界人が体験したら、
そりゃあ刺激はつよかろう、が………
ルーは、まるで絶頂にあるかのように、あえぎ声を上げて、
はしたなく、
声と身体を蠱惑させながら…………
「あっ、あっ♡、あんっ♡ あっ…………――♡」
………
「あぁぁ………………♡」
…………果てた。
* * *
さて、結果はというと、
ごっそり取れた。
「………………」
「はー、あー♡、あぁーっ♡…………」
……とてもじゃないが、この幸薄げな美少女面とは縁遠いシロモノが、
ルーの耳穴からは、取れて、出てしまった…………
「……………………、、、」
というか、こう、ルーの頭が近くに来ると、
ひとつ気づいたことがあったのだが、
それもあるのだが、もう一つ気づいたことがあった。
「そういえば、足の爪、忘れてたな…………」
「ほぇ、ほぇっ? ほえ…………♡」
絶頂したルーは、俺の言うがままに、
己の足の、ブーツを、脱いだ。…………
ルーのブーツを脱がせた。
すると、
「…………、、、」
一気に漂ってきたスメル。
なんというか、香ばしいにをい、が…………
「あっ、」
「///////////」
恥ずかしげに、はにかむ、ルー。
…………、、、、
足の部分を、
ゆびで、掻いてみたところ、
垢が、削れるように取れた。
…………
とりあえず、何も考えず、ルーの足の爪を、すべて整えてやった。
「あー♡、はー、♡。あぁーっ♡」
ルーのやつは、とろけてしまっている。
そんなルーの頭を、俺はたぐり寄せた。
およそ直感というわけではないが、
これだけ傍証というのがたまっていれば、およそ、導き出される答えは、限られてくるわけで…………
「ちょっと失礼……」
「 わ、 わ♪ わ♡ 」
この、ちびっこ……ルーのやつ。
その、
あたまのにおいを、嗅いでみる。…………、、、、、
もふもふしてて、それでいて、はねっ毛がすごい。
………………、、、、
「くさい……」
「!?」
がーん、となるルーに、俺は冷静に二の句を告げる。
「風呂、入ろうか……」
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